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LIFE STYLE移住者の暮らし

夜になると天の川が見える暮らし

串田 裕梨さん

PROFILE
串田 裕梨さん

串田 裕梨さん

岡山県出身。2015年7月に東京都から山梨県早川町に移住。

  • 移住時の年代:20代
  • 家族構成:単身
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:古民家カフェ運営

何かに導かれるように自然と早川町へ

南アルプスの山々に囲まれ、森林が96%を占める山梨県早川町。人口1014人(2020年9月1日現在)と、日本で一番人口の少ない町で暮らして5年になる。今は山間の赤沢宿で古民家カフェを営んでいる。

「実は初めは、移住しようと思って、ここに来たわけではありませんでした」と串田さんは語り始めた。

古民家カフェでインタビューに答える串田さん

東京の大学院で貧困問題を研究し、アフリカのウガンダでインターンシップを経験した。現地のNPO法人の仕事を手伝いながらさまざまな人に出会ったことが人生を変えたという。

「研究という視点で観察するのではなく、自ら動くプレーヤーになりたいと思いました」

帰国後、学費のためのアルバイトを探し、たまたま早川町西山温泉の老舗旅館「慶雲館」に住み込みで働くことになった。

「町に入った瞬間、違った空気を感じました。南アルプスの山にはさまれた、緑が濃い自然豊かな土地。町の人の話す雰囲気もがやがやとして人間らしい。海外に行かなくても日本にとても良い所がある。そう思いました」

古民家カフェでインタビューに答える串田さん

ジビエ、キノコ、山菜・・・おいしいものがいっぱい

知人のつてをたどるうちに、早川町で鹿肉など野生獣の肉を扱うジビエ肉加工会社の社長に話を聞く機会があった。それまでジビエなどという言葉も知らなかった。

「それから数日たって、その社長から、『うちで働かないか』とお誘いがあったのです。住むところも用意してくれる、というので、『ヨシ!』と思って少し迷った後、思い切ってお願いしました」。2015年7月のことだった。そこで2年ほど働いた後、古民家カフェの運営をしていた友人が辞めることになり、その後を引き継いだ。

「縁があってとんとん拍子で物事が決まり、気がつくとここに根をおろしていました」

木彫りの作品

田舎暮らしの魅力は、なんと言っても豊かな自然だ。

「夜になると天の川がくっきりときれいに見えます。珍しいジビエだけでなく、キノコや山菜、地元にしかない野菜もおいしい。すごくぜいたくだな、と思いました。たとえ収入は少なくなったとしても、幸福度はあきらかに都会よりもこの早川町の方が高いと思います」

早川町を紹介する串田さん

毎日あいさつ コミュニケーションを大切に

住み始めたころは、人間関係に戸惑うこともあった。「一見、キツイような物言いをされることもあります。でもそれは思いやりの裏返しなんです。遠慮したり萎縮(いしゅく)したりせず、毎日、出会う人にあいさつをし、コミュニケーションをやめないようにしていると、自然に温かく受け入れてくれるようになりました」

早川町は中学校までの義務教育費を2012年に全国で初めて無償化するなど、子育てをする若い世代を応援する体制も整えている。

「私は独身ですが、家族連れで移住してくる方もたくさんいます。豊かな自然の中のぜいたくな時間は何物にも代えがたいものがあります。今ではもうここ以外での暮らしは考えられません。おそらくこれから先もずっと、この早川町で暮らしていくことになると思います」

古民家カフェ外観とその前に立つ串田さん

(2020年9月7日取材)

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