活用事例 第1回 函館市
「学生がつくる、魅力ある函館」(令和6年11月)
函館市では、地方大学・地域産業創生交付金を活用して、日本初となる「キングサーモン」と「コンブ」完全養殖生産を合わせて行うことで、地域カーボンニュートラル(RCN)養殖の確立を目指しています。さらに、若者を地域に定着させるため、小・中学生~大学院生まで幅広い年齢を対象に、地域の主要産業である水産業において、即戦力となる人材を育成する「CREEN※人材育成プログラム」を立ち上げました。ここでは、本プログラムの取組について、3点紹介します。
①CREEN人材育成カリキュラム
本カリキュラムは、北海道大学水産学部が運営する本プログラムの中心的役割を担う教育カリキュラムで、現場での演習と、起業のための基礎知識を学ぶ起業家育成演習で構成される「必修科目」と、主にオンデマンド受講を想定した幅広い専門分野から成る「選択科目」で構成されます。必修科目の一つ「水産学演習」では、コンブ洗浄作業(写真1)や水産加工工場の見学等を通じて、地域水産業の現場を体験し、地域水産業の現状を把握するとともに自分達ができることを考える機会を創出しています。
②函館をもっと良いまちに!プロジェクト
本プロジェクトは地域の学生が自主的に取り組み、函館を魅力的な街にするための企画を遂行しています。
このプロジェクトを推進する「学生団体ISARIBI with」は、函館大学、公立はこだて未来大学、北海道大学(水産学部)、北海道教育大学(函館校)、函館高専から合わせて76名(2024年8月時点)で構成されており、現在5件のプロジェクト(写真2)実施しています。2024年9月には活動報告会(写真3)を開催し、大泉函館市長や寳金北海道大学総長等も参加して、学生や市民と活発な意見交換を行いました。
年内に最終報告会を開催予定で、報告を通じて地域において一緒に活動するパートナーを得るべく、準備を進めています。
③小中高生に向けた取組
大学生・院生が地域の小・中学・高校に出向き、小中高生の水産業への関心を高めてもらうための講演(写真4)を実施しています。また、地域の高校生を大学の研究室に招いて実習や講義を体験させる「地域連携型オープンキャンパス」の実施により、大学への進学意欲を向上させるための活動も行っています。
これらの取組により、地域の将来を担う人材を育成し、若者の地元定着を推進しています。
※CREEN:Creative&Cooperative(創造性豊かで協調性のある人材)、Realistic(現実主義で実学を推進できる人材)、Entrepreneurial&Energetic(起業家精神を持ち何事にも挑戦する行動力のある人材)、ECO(環境と経済を両立させることができる人材)、Naturalized(函館を愛し函館に住み続けたい人材)の頭文字です。
(写真1) | (写真2) |
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水産学演習例:コンブクリーナーでコンブを洗浄 |
実施プロジェクト例:活きる空きプロジェクト 空き物件内を活用したまちかど水族館 |
(写真3) |
(写真4) |
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学生団体 ISARIBI with活動報告会で 意見交換している大泉市長(写真右前列)と学生 |
小学校で行われた大学院生による出前授業 |