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活用事例 第5回 北九州市

 「ロボットの技術で地域中小企業の生産性を向上!」(令和7年2月)

 北九州市は平成30年度より「革新的ロボットテクノロジーを活用したものづくり企業の生産性革命実現プロジェクト」を開始しました。産業用ロボットの世界的メーカーである安川電機と、未来社会ロボット実装センターを有する九州工業大学が中心となり、産業用ロボットの用途拡大のニーズに応える革新的な自律作業ロボット(人と同じ作業ができる汎用ロボット)の研究開発を推進しています。さらに、トップレベルの研究者を招へいし、世界レベルのロボティクス分野の研究開発を行うとともに、 ロボット開発高度人材の育成を行っています。令和4年度までの国の支援を経て、現在は自走中です。

 プロジェクトにおける現時点での成果

 プロジェクトの推進により、大学改革による産業界とのつながりや、ロボットに関する研究開発の技術確立および導入支援の強化が実現しました。
 また、市内中小企業のロボット・DXによる生産性向上を総合的に支援する拠点として、北九州市ロボット・DX推進センターを令和4年度に設置しました。これにより、中小企業の課題把握・個別支援が可能になり、市内企業の新規ロボット導入・DX推進件数は35件(令和元年度実績)から225件(令和6年度見込)に増加、導入企業の労働生産性は、令和元年度時点に比べて約10%向上しました。例えば導入企業の一つである㈱戸畑ターレット工作所では、人協働ロボットの導入によりチャックワーク(部品を工作機械で固定してから加工する作業)の自動化を行い、同作業に係る労働力の9割削減を実現しています。
 本事業の支援を受けた企業からは「人手不足がますます深刻になる中、ロボットの導入やデジタル技術の活用が必須になってくる。対象工程の選定や費用対効果の算出が難しかったところを支援により解決することができた」との声もありました。


 自走化の現状

 現在、北九州市は「研究開発」「大学改革」「導入支援」について以下の取組を進めています。
 ①研究開発:産業用ロボットの用途拡大のニーズに応える革新的な自律作業ロボットの研究開発
 ②大学改革:自律作業ロボットの実用化研究促進、地域課題をテーマにしたロボティクス教育の実施
 ③導入支援:ロボット・DX推進センターを中心とした、地元企業へのロボット導入・DX推進への切れ目ない支援
 このうち、①研究開発や②大学改革は安川電機や九州工業大学の自己財源および企業との共同研究による外部資金により実施するほか、③導入支援は北九州市の自己財源を中心に自走化を実現しています。
 このようにして、北九州市・安川電機・九州工業大学の間で構築した推進体制を継続・深化し、事業の更なる推進に取り組んでいます。


(写真1)
ロボット・DX推進センターの外観
(写真2)
九工大における実験の様子
(写真3)
戸畑ターレット工作所に導入した人協働ロボット

・北九州市 「ロボットの技術で地域中小企業の生産性を向上!」(令和7年2月)(PDF/612KB)