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活用事例 第6回 熊本県
「“新生シリコンアイランド九州”をリード!熊本県における人材育成の取組」(令和7年3月)
熊本県は国内有数の半導体関連企業(200社以上)の一大集積地であり、台湾のTSMCが第1・第2工場建設を決めるなど日本の経済安全保障上の重要な拠点として期待されています。これらを契機として、熊本県では三次元積層実装技術の確立という先端技術の研究開発を推進するとともに、半導体産業への専門人材の安定供給に対応できるよう、熊本大学における大学改革により半導体人材の育成に取り組んでいます。
大学改革・人材育成の現時点での成果
このプロジェクトにおける熊本大学の大学改革・人材育成の取組としては、主に以下3つがあります。
- 新しい研究教育課程の設置:熊本大学は、令和5年度に研究組織として半導体・デジタル研究教育機構を設置し、令和6年度には学部組織の情報融合学環と、工学部に半導体デバイス工学課程を新設しました。学生からは下記のような期待や希望の声があがっています。
- 台湾からTSMCの進出もあって大きなチャンスを感じている。(半導体デバイス工学課程新入生・男性)
- 実績と知識が豊富な先生から教育を受ける環境で半導体が学べる。(半導体デバイス工学課程新入生・男性)
- TSMCの進出で盛り上がっている熊本で学び、半導体関連産業での活躍を目指したい。(情報融合学環新入生・男性)
- 文理融合で学びを得ることができる環境に魅力を感じた。入試では女子枠が設定されていることも魅力的だった。(情報融合学環新入生・女性)
- 地域の企業との連携:熊本県に進出したTSMCと連携協定を締結し、学生へのインターンシップや奨学金の取組を始めています。また、地元の半導体関連企業15社と新たな半導体技術の確立に向けた共同研究を進めており、熊本大学の学生もリサーチアシスタントなどで研究に参画しています。(図2)
- 地域の教育機関との連携:高専などからの3年次編入学の定員を令和6年度から大きく20名に増やし、さらに構造改革特別区域計画が認められたことにより、熊本県立技術短期大学校からの2年次編入など、積極的に編入学生の受け入れを進めています。高専の学生向けに、編入前から熊本大学の研究室にインターンで出入りできるような仕組みも設けています。令和6年度に工学部で実施した高専生向けインターンでは、50名近くの高専生の参加があり、好評を博しています。
半導体人材の育成を通じた基盤の強化へ
熊本県・熊本大学の積極的な取組により、魅力的なプログラムが大学に生まれ、そしてそれに惹きつけられた学生が熊本を学びの地に選んでいます。令和7年度以降には大学の新しいプログラムで育った人材が社会に飛び立つことになり、県内の半導体関連企業からの期待も高まっています。
このプロジェクトを通じ、半導体の人材育成から産業創出までをカバーするエコシステムが形成されることで、熊本が“新生シリコンアイランド九州”をけん引する存在となれるよう、熊本県は取組を加速させていきます。
(図1:情報融合学環での講義風景) | |
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(図2:共同研究の様子) | |
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