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安倍内閣総理大臣「国家戦略特別区域 福岡市」視察について

福岡市 ベンチャー企業経営者との意見交換会

日時:平成26年7月18日(金)
場所:ロボスクエア(福岡市早良区百道浜2-3-2)
出席者:安倍内閣総理大臣、髙島福岡市長、堀経済同友会ベンチャー創造委員会委員長、橋本(株)ヌーラボ代表取締役、森(株)FOREST Hunting One代表取締役、日野(株)西日本冷食代表取締役社長、永里メカトラックス(株)代表取締役、牧田氏(起業家)、仁禮(株)ソルファミリア代表取締役社長


意見交換会の模様はこちらから(政府インターネットテレビ)別ウインドウで開きます
(該当箇所は、18分25秒から33分17秒までです)

概要

(髙島市長)

 どうもありがとうございます。今日は総理に福岡にお越しいただくにあたって、福岡に新たな価値を作るためにチャレンジをしている起業家のみなさん、それからまた、福岡をモデルにして日本を変えていこうという堀さんにも今日はお越しいただいたわけでございます。
 まずは起業大国に向けてそれぞれ一言ずついただきたいわけですが、まずは堀さんの方からお願いできますか。

(堀代表)

 総理、市長、ぜひともこの国家戦略特区を使って3つの「新しい」を実現していただきたいと思っております。
 1つ目の「新しい」が、新しい働き方です。人手不足が大きな問題になっています。ぜひともこの特区を使って、専業主婦、高齢者の方々、若者も自由な時間に自由な場所で働けるような、時間ではなくて成果で報酬を得るような新しい環境を作っていただきたい。特区構想にある「雇用労働相談センター」のような機能によって新しい働き方を推進していただきたいと思っています。
 2つ目の「新しい」は、新しいルールです。私は総理のダボス会議でのスピーチを感動しながら聞いていました。最も印象に残った言葉が「ドリルの刃」です。ぜひともドリルの刃で医療、農業、教育を改革して、フリーゾーンを作り、福岡からさまざまなベンチャーが起こるようにお願いします。
 3つ目の「新しい」は、新しいスタートアップです。福岡には活躍する女性が多いですし、アジアのゲートウェイとして韓国、中国、アジアとも近い。髙島市長と一緒にスタートアップ都市推進協議会に取り組み、経済同友会も入って推進しています。新しいスタートアップが福岡から生まれることを期待しています。よろしくお願いいたします。

(髙島市長)

 では、地元のベンチャーの方からも一言ずつ。ロボットベンチャーをされている永里社長から。

(永里社長)

 メカトラックスの永里と申します。私たちは人型のロボットを、エンターテインメント分野向け、医療介護福祉とはちょっと違うんですけれども、ゲーム機に組み込むというものを世界で初めて開発しまして、国内だけではなくてフランスですとか、UAEですとか、そういった世界中に輸出等もしております。
 こういった開発をしていて思うのは、海のものとも山のものとも分からないものなので、やはり最初の一発目の製品を、ロボスクエアも一台買っていただいているんですけれども、こういったところで買っていただくと商売がやり易くなりますので、そういったことをお願いできればと。
 もう一つちょっと細かい話なんですけど、機器を開発していてやはり無線の問題が、海外の無線を発する機器を簡単に日本に輸入したらすぐ使えれば良いんですけど、日本でライセンスとらなきゃいけないとか、簡単に使えないと。それを福岡の特区で実証実験的に使えたりすると開発のスピードも上がりますので、そういったところもお願いできればなというふうに考えています。

(髙島市長)

 電波法ですね。
 橋本社長。

(橋本社長)

 株式会社ヌーラボの橋本と申します。インターネット上のサービスを国内外で展開しています。国内外から才能のある人たちを採用しようとした場合に、国内の方は良いのですけど、国外の方を採用するときに在留資格を取るのがすごく手間取ることが多いので、そこら辺がちょっとライトになると良いなと思うのと、招き入れた才能を今計測する手法としては時間しかないので、時間ではなくて才能っていうところで計測して給与等ができるような仕組みというのが欲しいと思っています。よろしくお願いいたします。

(髙島市長)

 続いては女性ですけれども、水産関係の、魚のベンチャーをしている日野社長でございます。

(日野社長)

 西日本冷食の日野といいます。私は逆にお礼を言いたいのですけど、創業当時福岡市のインキュベート施設に入らせていただいて、いろんな支援をいただきました。その際、ここにパンフレットがあるんですけど、農商工連携事業でいろんな支援をしていただいて、会社のパンフレットとか会社案内とか全て助成金を使わせていただきました。その後研究施設がない私たちは、養殖をするにあたって全部データを数値化したんですね。味の質、脂質、全てそういった試験をするときも市や県や国の補助をいただきました。今では六次産業ですね、一次生産者としてうなぎの養殖も始めました。これは、私朝倉出身なんですけれども、そちらの土地を活用して、地域資源を活用した養殖も心がけて、今後は地方でも雇用を促進できたらと思っています。ありがとうございます。

(髙島市長)

 そしてお隣のですね、今回福岡が創業特区になったのを期に、福岡で起業しようということでやって来ていただいた牧田さんです。

(牧田氏)

 牧田と申します。実際今起業準備中なので会社が無いのですけど、私はこのメンバーの中では異色で、東京でスタートアップ支援をやってきました。いろいろなスタートアップの方々のサポートをさせていただいたのですが、今回創業特区ということで、自分でもトライしてみたいと、この福岡で登記をしようと考えました。今回は女性起業家という立場で呼んでいただいたというのもあるんですけど、実はIT業界とか東京というところで、女性起業家っていうところですごくやり難いということはないと思います。それはロールモデルがあるからだと思います。今やろうと思っているハードウェアベンチャーは、環境としては難しいと思うのですが、そこで女性経営者っていうところで一つロールモデルになって、国内でも女性がもっと起業し易い環境になっていったら良いなと思っています。
 東京から見た福岡の魅力というところでいくと、大きく3つあります。1つはハードウェアベンチャーをやるときに、工場が海外にあることが多いので,その海外とのハブになってくれるというところで福岡に1つ期待しています。2つめが、今回創業特区というところで、ハードウェアを作るところと、そのテストをするための規制緩和をしていただけると、ユーザーさんに使っていただきやすい物ができるんじゃないかと思っています。3つ目は、やはりスタートアップのサポートをしているときもそうだったのですが、髙島市長がスタートアップの意見をすごく聞いていただけるという環境があるので、そこをぜひ,活用していけたらと思っています。ありがとうございます。

(髙島市長)

 彼は先ほどの、外のゆるいアニメを作っていた森社長です。

(安倍総理)

 鉄腕アトムの。

(森社長)

 フォレストハンティングワンの森です。僕がずばりお願いしたいのは法人税の減税なんですね。減税どころか免税くらい言っていただきたいなと思っているんですけど。というのも、コンテンツ制作の立場から、クールジャパンとか今言われてますけれども、コンテンツの開発ってやっぱりお金がかかるんですよね。コンテンツ開発されている会社はどういうところかというと、やはり中小企業なんですよね。アニメーションを中心とするコンテンツの会社に大企業はほとんどなくて、僕らもせいぜい10人足らずの小さな会社なんですけれども、それでもコンテンツの力というのは、輸出も輸入もお金がかからないわけですよね。中身さえ作ってしまえば、放送であるとかDVDであるとかできますんで。ただ、やっぱりオリジナルのものを作る、これは自分たちのコストで作っていかなければならないので、中小企業はやっぱりどうしても下請けばかりやってしまうので、技術はあっても作れない。そういったところを、法人税の減税という措置で、新しいコンテンツの開発であるとか、新しい設備投資とか、未来のための種を蒔くための資金を、自分たちのお金で行う。補助金という形でただであげますよということよりも、自分たちのコストを使うということの方が責任も生まれますし。あとは、利益が出てないと法人税は発生しないので、その時点である程度ジャッジメントもできるかなと思うので、僕は法人税の減税、免税というものがあると嬉しいなと。

(髙島市長)

 一番奥なんですけど、飲食ビジネスをアジア展開しようとされている仁禮社長です。

(仁禮社長)

 ソルファミリア仁禮です。宜しくお願いいたします。雇用の問題なんですけど、美容、飲食、アパレルなど、まちを元気にする業態に、それを目的とした外国人を雇用したいということをお願いしたいです。あとは、日本の若者が海外の若者と一緒に働けるようなまちづくりができたらと思います。実際今、人手不足もあると感じています。今、飲食店は人気がないこともあります。以上です。

(髙島市長)

 ご覧いただいて分かるとおり、ほんとうに新しいチャレンジというところで皆さん起業されて、頑張っています。福岡市としても、国に何でもお願いをしたいというわけではなくて、自分たちでできることは全部自分たちでまずするんだと。今、特区指定されてから32個の独自プロジェクトもスタートさせております。ただ、今お話しがあったとおり、国の規制緩和ですとか、例えば政府調達なんていうところも、法改正なんかも必要で大変だとは思うんですが、是非お力を入れていただければありがたいですし、信用、最初の信用というところで、政府から何らかの後押しというか、そういったものがあればすごく活躍できますし、また、雇用問題もすごく今あるということなんで、なんとか特区の中でも実現していきたいという風に思っています。もちろんワンストップサービスというところも、ぜひ特区の中で実現をしていきたいと思いますので、総理からも後押しどうぞ宜しくお願いいたします。

(安倍総理)

 流石に市長が若いから皆若いですね。本当に福岡市を国家戦略特区に指定させていただいて良かったなと思います。皆さんのような若いベンチャー起業家、或いは、これからベンチャー起業をしようという人がどんどん出てくるということ、これが私たちの狙いなんですね。福岡から、日本全体というか世界へ発信してまいりたいなと思いますし、だいたいベンチャー起業が東京とか一部のすごく大きな都市だけということではおかしいと思うんですよね。アメリカは違いますからね。いろいろな地方の元気な都市からどんどんベンチャー企業が出てくるということが、日本全体の成長にもつながっていきますし、その意味において、その地域の良さを活かして頑張ってもらいたいと思います。そのために我々も支援していきたいと思いますし、皆さんから色々な意見が出るのだろうなと。法人税減税、我々もやはり成長していく力を持ち続けるためには大切な課題なので、良く検討していきたいなと思いますし、良いタイミングで言っていただいた。堀さんからは時間ではなく成果で、これはまさに、今回の国会においてもずいぶんと議論になりました。だいたい1千万円以上の人達については、本人が了解する方においては、成果で報酬が決まっていくという姿を作っていきたいなと、そういう検討を進めていきたいと思います。それとベンチャーの皆さん、最初がなかなか大変でしょうし、政府調達のあり方も見直しをしまして、官公需法の見直しをいたしまして、随意契約等も活用しながら、ベンチャーの皆さんがしっかり政府調達の世界の中に入って来られるようにしていきたいと思います。それと、雇用のルール化を進めて、そのためのセンターを作りたいと思いますし、創業をするうえにおいて、ワンストップ化というお話もありました。ワンストップ化をして創業をし易くしていくということ、それとベンチャーの皆さんのやる気も引き出していく、そして信用度も上げていくために、ベンチャー大賞というのを作って、今までモノづくり大賞というのはあったんですが、ベンチャー大賞というのを作ってですね、私が表彰させていただきたいと思いますので、皆さんもぜひベンチャー大賞を目指してください。

(髙島市長)

 良いですね、総理からのベンチャー大賞。ありがとうございました。福岡は創業特区に指定されましたので、しっかり頑張っていきたいという風に思っておりますので、今日はどうもありがとうございます。

以上

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