このページの本文へ移動

菅内閣官房長官「国家戦略特別区域 養父市」視察について

懇談会の模様

日時:平成26年7月5日(土)
場所:養父市役所市長室
出席者:菅官房長官、広瀬養父市長、岡本有限会社新鮮組代表取締役、谷復興副大臣、和泉総理補佐官、大谷養父市農業委員会会長

概要

(菅官房長官)

  • 今日は視察をさせていただき感謝申し上げる。この中山間地域は日本に数多くあるわけで、農業委員会改革も含め、果敢にまず国家戦略特区に手を挙げていただいた。中山間地域をなんとかしなければならない。これは国の大きな責任になる。選定作業においても、総理もここは絶対にやろうと、強く決意を持っておられた。こういう中山間地域でモデル地域を作ることができればいいと思っていたので、今日、限られた時間だが視察をさせていただいた。
  • 養父市の農業委員会改革について、市長も大変努力されたと思うが、自主的な形で権限移譲した点には、心から敬意を表したい。全国で初の試みなので、これで一挙に弾みがつくと思う。
     養父で生活したいと関心を持っている方もいらっしゃる。その中で若い人たちはホウレンソウでスイ―ツをつくって六次産業化を目指しているが、農地を所有して営農することができないという話もあった。そうしたことも、ここで解決できれば、若い人たちが養父市に入ってきて、農業を中心にして生計を立てることができる、ある意味でモデル的な地域になって、ここが成功することが日本全国に大きな影響を与えることができると思っている。
  • 偶然、岡本さんの本を読んで、すごい人がいるのだなと思っていたところ、岡本さんが養父市と関係しているとは予想もしていなかった。農業林業で六次産業化の実績があるので絶対成功するだろうと思うし、政府としても全面的に応援していきたい。
  • 区域会議については、総務大臣が出席すると思うが、ここでお話があったことについては、会議にかけて、速やかに進められたらと思っている。ぜひよろしくお願いしたい。

(養父市長)

  • 農業委員会から行政への権限移譲について6月27日の農業委員会の臨時総会において合意する、という方向で承認いただいた。この間、農業委員会におかれても、養父市の現状や将来を考え、大所高所から勘案いただき、その結果として合意いただいた。農業委員会には感謝申し上げる。養父市の活性化はもちろん、養父市と同様の悩みを抱えている全国の中山間地域の見本になればと考えており、特区の実現に向けて努力していきたい。
  • 新鮮組とは民間と行政の強み弱みを相互補完する形でよりよい特区提案ができるのでは、と連携して提案させていただいている。
  • 今後の特区の進め方について、基本方針に示された重点事業については、まず、第一回の区域会議で計画の策定をし、総理の認可を受け、農業委員会との合意をもって、3条許可の行政への移管という一つの大きな仕事をまず成し遂げたい。また2回、3回目の区域会議の中で計画を拡充していく。養父市は他の区域と違い、小さくてコンパクトなので、その分、迅速な動きが出来る点が取り柄であり、速く計画を実施していきたい。

(農業委員会会長)

  • 4月10日に市長宛に意見書を提出し、その後、6月27日の臨時総会において同意する、という決議を行ったところ。市民の農業特区に対する期待感は大きく、農業委員会としても耕作放棄地の解消、農業の振興に対する思いは市と同じ。このたび、養父市が農業特区の指定を受けたことをチャンスとし、農業委員会と市が一緒になって農業振興のために努力していきたい。また現在、農業委員会制度の問題を検討されているが、新たな農業委員会についても真剣に取り組んでいきたい。

(新鮮組社長)

  • 農業の利益を見てみると、利益を出している農業は商品供給型で、6次産業という言葉で表している。農家にとっては、土地はあるけれども規制によって試作をする加工場を作れない、道路沿いに土地があっても、そこが農地であるが故に販売場ができない、ということがネックになってなかなか6次産業化に手出しができなかった。そこを特区において、地元の農産物を使って商品の加工をやっていく。最初に手掛けたいのは地元のお年寄り。市長に依頼して地元のおばあちゃん方を集めて出てきたのが八鹿浅黄の大豆。八鹿浅黄のストーリーを聞き、ロケーションの山を見に行ったとき、「棚田を守る」という美的なことで言うような農業はできない、とはっきりと申し上げた。棚田の風景にうまく林業・農業・漁業・加工・レストランを馴染みこませるような絵を描いて、養父に人が集まる、養父に来た人たちが物を出していける、そういうことがお年寄り中心から始まり、若手の人たちが戻ってくるなどして出来るものだと思う。
  • 世界から見たら小麦のアレルギーで小麦が食べられない人口がどんどん増えている。日本で、お米のパンを民間の力で作っていくことができれば、パンは世界に出していける。地元の人の手で新しいことが出来ればということ。
  • いま日本の農業では、大豆や麦などの作物は、すべて個別所得補償をもらうための作物だということ。だけど養父は違う。豆腐を商品にするために必要だから大豆を作る。本当の意味でこの地域の活性化になる。補助金をもらうのではなくて、大豆を作って、ここで技術を継承していけば、京都の大豆に勝てると思う。

以上

ページのTOPへ戻る