1.提案の概要
政府では、平成21年6月1日から30日まで「特区、地域再生、規制改革集中受付」を実施し、地方公共団体及び民間企業等から、構造改革特区に関する規制改革及び地域再生のための支援措置についての提案を受け付けました。
その結果、89の提案主体(地方公共団体が32、民間企業等が57)から167件(地方公共団体が51、民間企業等が116)の提案がありました。
2.特区・地域再生の提案の状況
分野別の特徴的な提案事例は、次のとおりです(注)。
(注)提案分野の分類は、当事務局によるものであり、提案主体の申告と異なる場合があります。
(1)産業活性化関連
○ 3軸ポールトレーラの新規製作・登録による重量物輸送効率化事業の実施
※現行特区の拡充提案
3軸ポールトレーラの新規製作・登録による重量物輸送効率化事業を実施するために、現行特区「1205(1214) 重量物輸送効率化事業」の基準緩和項目(車両総重量)に長さ及び最小回転半径を加える。
(新日本製鐵株式会社、日鐵物流釜石株式会社)
(2)農業関連
○ 地元産巨峰で生産したワイン販売免許要件の緩和
地元産巨峰で生産したワインについて、巨峰生産者の農園等でも販売できるよう販売免許の要件を緩和する
(時津巨峰ワイン研究会)
(3)生活福祉関連
○ 停留所の駐停車禁止の適用除外
地域住民の生活交通として運行される貸切バスについて、既存の路線バスと運行時間が重複しないなど一定の要件を満たす場合、路線バスの停留所に駐停車できるようにすることにより、利用者の利便と安全を確保する。
(佐賀県、元気バス協議会)
○ 診療看護師(専門性の高い職務が可能な看護師)による医療行為の規制緩和
看護師がナースプラクティショナー養成コース(修士課程)を修了した場合に、一定の条件・範囲内で、診察・診療等を行うことを可能とする。また、同養成コースの学生が診療看護師としての診察・診療等の実習を行う場合に、これを処罰の対象としないものとする。
(大分県立看護科学大学、医療法人敬和会大分岡病院)
○ 過疎地域における一般貸切旅客運送事業開始にかかる要件の緩和
一般貸切旅客運送事業の許可等に関する審査基準において最低車両数が3両と定められているところ、過疎地域の地域公共交通としてバス運行を行うため、最低車両数を2両もしくは1両で可能とする。
(株式会社余呉バス)
(4)環境・新エネルギー関連
○ 市街化調整区域内堆肥製造施設の処理区域及び製造堆肥の使用区域の拡大
市街化調整区域内の堆肥製造施設において、市街化区域で生じた一般廃棄物の処理も可能にし、製造した堆肥の市街化区域での使用も可能にする。
(青梅市)
○ 次世代自動車(電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車)のナンバープレートの塗色要件の緩和
次世代自動車に対する高速道路や駐車料金の割引等の優遇措置の導入に向けて、外見だけで次世代自動車と判断できるようナンバープレートの塗色要件を緩和する。
(京都府)
○ し尿処理施設に係る汚泥の再生方法の緩和
堆肥化のみに限定されているし尿汚泥の再生方法について、生活環境の保全上及び公衆衛生上支障を生じさせない方法で、燃料の原料として再生利用することを可能とする。
(山形県最上広域市町村圏事務組合)
(5)国際交流・観光関連
○ 外国人観光客を対象としたカジノ設置
限定した地域で外国人観光客を対象としたカジノを設置することにより、観光振興、雇用機会の創出とともに地域経済の活性化を図る。
(佐世保市、長崎市、諫早市、大村市、西海市、嬉野市、武雄市、佐世保商工会議所、西九州統合リゾート研究会)
○ 町家の空家を活用した旅館営業に係る玄関帳場要件緩和
重要伝統的建造物群保存地区及びその隣接地区で歴史的な町並みを一体的に形成している区域において、町家の空家を活用して旅館業(旅館営業又は簡易宿所営業)を営む場合、同一区域内の別敷地の事務所で、事業者が宿泊者全員との面接を行うことを条件に、当該事務所を玄関帳場に類する設備に当たるものとみなす。
(兵庫県、豊岡市、NPO法人但馬國出石観光協会、(株)出石まちづくり公社、出石町商工会、(株)川嶋建設)
3.今後のスケジュール
(1) 構造改革特区の規制改革事項及び地域再生の支援措置の提案については、当事務局が関係省庁と調整します。
調整の経過については、構造改革特別区域推進本部及び地域再生本部のホームページ上で公開いたします。なお、地域再生の支援措置のうち予算編成に関連する事項については、国の予算編成のスケジュールに応じて公開することとなります。
(2) 構造改革特区の規制改革事項で、関係省庁との調整の結果、「特区で実施」、「全国で実施」又は「今後検討」となった事項等については、本年9月を目途に構造改革特別区域推進本部において対応方針を決定いたします。
また、地域再生の支援措置で実施することとなったものについては、来年2月を目途に地域再生本部において決定いたします。
【参考資料1】
構造改革特区(第15次)及び地域再生(第7次)提案募集における提案の概要
【参考資料2】
構造改革特区(第15次)及び地域再生(第7次)提案募集の提案主体一覧
【参考資料3】
構造改革特区・地域再生提案の状況
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