別紙1
緊急経済対策 (抄)
平成13年4月6日
経済対策閣僚会議決定
第2章 具体的政策
3.都市再生、土地の流動化
(1) 「都市再生本部」(仮称)の設置
- 内閣総理大臣を本部長、関係大臣を本部員とする「都市再生本部」(仮称)を内閣に設置し、環境、防災、国際化等の観点から都市の再生を目指す21世紀型都市再生プロジェクト((2)参照)の推進や土地の有効利用等都市の再生に関する施策を総合的かつ強力に推進する。なお、内閣官房に国土交通省等関係行政機関、地方公共団体の職員、民間人からなる専属の事務局を設置する。
(2) 21世紀型都市再生プロジェクトの推進
① 都市再生本部においては、21世紀における魅力と活力に満ちた都市の再生を先導する以下に掲げるようなテーマ
に沿った21世紀型都市再生プロジェクトを具体的に選定し、集中的、重点的な推進を図る。
- ・広域循環都市プロジェクト
大都市圏の臨海部等における廃棄物処理施設・リサイクル施設等の広域的・総合的な整備による21世紀型循環
都市の構築。 - ・安全都市形成プロジェクト
防災公園を核とした大規模な防災拠点の整備や、避難路等の整備による災害に強い都市構造の実現。 - ・交通基盤形成プロジェクト
都市部の交通混雑を抜本的に解決する環状道路、都市鉄道、首都圏の国際拠点空港、国際港湾の整備等による
国際都市にふさわしい交通基盤の形成。 - ・都市拠点形成プロジェクト
大規模低未利用地を活用した都市拠点開発や老朽化した公的住宅の建替えを活用した快適居住拠点
による、IT革命にも対応した都市拠点の形成。
② 国、地方公共団体、民間等からなる実施機関のあり方を早急に検討し、強力な実施体制を構築する。なお、
東京圏において国及び7都県市で構成する常設の協議機関を設置するなど、地方公共団体の意向、意欲を十分に
尊重して、プロジェクトを推進する。
③ 都市の再生を低未利用地の整形・集約化や基盤整備により先導する観点から、都市基盤整備公団の土地有効
利用事業及び防災公園街区整備事業について、事業要件の緩和や国の支援の充実など、事業をより弾力的に活用
するための措置を実施する。また、土地所得、譲渡の状況に応じ、的確に所要資金の確保・拡充を図る。さらに、
事業の円滑な推進のため、都市計画の決定・変更、事業の施行の認可、関係権利者間の調整等を迅速かつ適切に
実施するための条件整備を行う。
④ 21世紀型都市再生プロジェクトについては、都市再生本部における選定を経て、その立上げ・推進に当たり、
必要な資金を適切に確保する。その際、国と地方、行政と民間の適切な役割分担を踏まえるとともに、
所得対象とする土地については、プロジェクトの実施に確実につながるものとする。
(3) 土地の流動化
① 不動産証券化の推進
- 投資物件のパフォーマンスを示す指標である「不動産投資インデックス」に関するガイドラインを平成14年までに整備するとともに、不動産投資顧問業の育成などを通じ、不動産の証券化を推進する。
② 都市再生、土地の流動化のための規制改革等
-
・ 一定のオープンスペース等が確保された優良なプロジェクトについて容積率などの緩和を行う制度の積極的
活用に向けて、本年4月中に、制度の考え方を周知し実施の円滑化を図るとともに、都市計画の運用基準を、
より柔軟な運用となる方向で見直すよう、地方公共団体に要請する。また、民間都市開発事業促進プラットホーム
(仮称)を設置し、民間事業者の申請により、国と地方公共団体が一体となって事業促進のための条件整備を
機動的かつ迅速に行う。 - ・ 社会経済情勢の変化を踏まえた事業認定の透明性等の向上及び収用の合理化等の実施を内容とした土地
収用法改正法案の本通常国会での成立を期する。 -
・ 不動産競売制度をより使いやすい制度とするよう必要な改善を図るとともに、不動産情報の開示について
検討を進める。また、市街地再開発事業の施行区域要件における経過年数規定の短縮化について検討を行う。
(4) PFIの積極的活用及び公務員宿舎跡地等の再開発
- ・ 中央官庁の庁舎等について、民間施設と一体的な整備、開発を含め、PFI方式の検討に着手する。
- ・ 公務員宿舎の建設について、首都圏においてPFI活用の適地の選定を含め、その具体化を図るなど、
今後、PFIの活用に積極的に取り組む。 -
・ 東京臨海部における開発可能性の高い公務員宿舎跡地等については、周辺の低未利用地を含め、商業機能、
居住機能等を併せ持った高度な都市機能を可能とする再開発が実現できるよう、地方公共団体等と協力しつつ、
早急に具体化を進める。