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広島県産木材を地産地消するまちづくり |
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森林が果たす多くの有益な効果を持続し発展させるには伐採と植林が欠かせない。それには、安い輸入外材や集成材と価格競争ができ、補助金に頼らず県産木材を地産地消する木材のロジスティクス改革が急務である。森林の価値を高めて山間地域の振興を促進し、地消では地域の大工・工務店が景観や町並みに配慮された特徴ある住宅建設を行なう。高品質住宅が適正価格で、全てに透明性を確保し、環境や資源の問題点にも配慮され、またITを高度に使いながら生産管理されて供給される。ICタグを使った偽りのない生産履歴と構造材の強度などを、その家の資産価値を高める情報として画像データと共に保存し、プレカットセンターで行われた構造計算と合わせて活用する。 |
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広島県の全国第10位(615,000ha)という広大な森林面積は、全国第1位(約5万戸)の林家数に細分され、人工林率も約30%と低いために効率的な素材生産ができず、山は放置され荒廃する。しかも住宅建設の不況から立木の売買は極端に安くなり、特に杉の大きな丸太は使い道が少なく、山ではただ同然になっていて伐採されず放置される事が多い、それでも素材市場への杉中目材の入荷量は年々増加し続けている。また、素材市場には杉や桧の柱用丸太の入荷量も増加し、岡山県を中心として県外へ大量移出される。地産地消する木材のロジスティクス改革を推進するには、通常7回の輸送回数を2回に減らせるように、素材市場に隣接した生産工場を建設しなければならない。工場入り口から丸太が入り、出口からはプレカット加工された住宅が出て行く。山⇒素材市場・(製材→人工乾燥→4方削り→グレーディング→プレカット加工)⇒建築現場と、なる。建築市場のネットワークを拡大して山までを含め、効率よく生産と消費がされる設備と組織作りを提案する。また、ICタグを利用したトレーサビリティと住宅の次世代高品質の追求に寄与し環境面にさらに配慮された取り組みも必要である。山と住宅建設を同じ視点で捉え「まちづくり」を行なっていくことが不可欠となる。 |
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今後の近未来的に期待される効果としては、建築市場システムとICタグを使った次世代高品質住宅が浸透することにより、新築住宅すべての透明性が限りなく高まることで不良住宅は供給されにくくなる。そして、供給側と施主があまり重要視しない画一的な外観意識も変化し、地域の景観や町並みに対する配慮なども熟成されていくのではないかと考えられる。つまり、家作りは個々の高度な意識のもとにまちづくりへと自発的に向かい、そこに暮らす人たちもまた地域の景観を形成する。例えば観光都市「尾道」の景観は意図的に作られた美観地区ではない。それは、狭い道と坂道が織りなす尾道を特徴付ける景観だけではなく、生活するには悪条件となる小路と家の配置が自然発生的に生んだ、生活の智恵とも言うべき日々の暮らし振りが観光都市を形づくり、訪れる人たちがなつかしく郷愁に浸り心の安らぎを求めて二度三度と訪れる。まちづくりの中の景観や町並みづくりは、規制ではなく自立的な意識改革であり、それは、山と一体になって結ばれた地産地消による高品質住宅を、都市の景観に配慮しながら建設する広範囲な視野によって成し遂げられ、そこの暮らしが原点となる。 |
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広島東建築市場協議会 |
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広島東建築市場
http://www.kichiba.com/hiroshima-e/index.html |
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会長 姉川正史 |
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TEL : 0848-48-1147 Emailアドレス : anegawa@mx41.tiki.ne.jp |
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広島県庁農林水産部林務総務室林業振興室 |