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全国都市再生の推進
全国都市再生イン福島  議事録
開催日時:平成16年5月21日(金)14:00〜16:45
開催場所:古関裕而記念館(福島市入江町1−1)
主催:都市再生本部・福島市
 
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議事録:

宮武参事官
 定刻となりましたので、ただいまから「全国都市再生イン福島」を開催いたします。
 本日の議事進行役は、私都市再生本部事務局の宮武が務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 以降の進行は、恐縮でございますが、座らせて進めさせていただきます。
 まず、私の方から「全国都市再生イン福島」の開催趣旨等をお手元の資料1、「全国都市再生」について〜稚内から石垣まで〜という資料がお手元に配付されていようかと思いますが、これをもとにご説明をしたいと思います。
 表紙をあけて、都市再生本部、都市再生戦略チームという資料が出てまいりますが、ここからごらんいただければと思います。
 都市再生はご存じのとおり、小泉内閣におけます構造改革の主要な柱として取り組んでおります施策でございまして、構造改革特区、観光立国の施策と地域再生の観点から強力な連携をしまして、相乗効果を発揮しつつ、地方の活性化を目指しておるわけでございます。
 都市再生本部は、1ページにございますように、小泉内閣総理大臣を本部長、全閣僚を構成員としました本部でございます。その本部が本日ご出席の伊藤先生を座長とします、この右側の都市再生戦略チームの知恵をおかりしまして、次、2ページを開いていただきたいと思いますが、この3年間、2ページに示してあるような各種の活動を我々三本柱と言っておりますが、進めてきております。
 その大きな柱として一番右端、色刷りの資料ではピンクになりますけれども、稚内から石垣まで全国都市再生のための緊急措置ということで、全国の都市が元気になる取り組みを行ってまいったわけでございます。その中で、最後のページ、3ページでございます。このたび全国3,000ほどの地方自治体があるわけでございますが、このすべてを対象にしておるわけではございますが、中でも元気のある、また先進的な取り組みをされている地域10カ所を絞りまして、その10カ所につきまして都市再生戦略チーム、政府関係者の方々と地元のまちづくりにかかわっている方々がきょうのように一堂に会しまして、市民の皆様も加えて活発な議論を行うことによって、次の展開を図っていこう、こういうために開催したものでございます。既に千葉県佐原市を筆頭に石垣市で2カ所開催しております。福島市は第3回目の開催ということでございます。よろしくお願いをしたいと思います。
 本日は、ここにお集まりの自治体の関係の皆様を初め福島のまちづくりに深くかかわっておられます産業界、市民代表の方々と議論を進めてまいりますが、本来ですとお一人ずつご紹介をするところでございますが、人数が多うございますので、大変恐縮でございますが、お手元にお配りしております出席表をもちまして、紹介を割愛をさせていただきたいと思っております。
 なお、本日の日程につきましては、日程表に記載のとおりでございますが、報道関係の方々につきましては、閉会後取材の場を設けさせていただく予定にしておりますので、ご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、早速でございますが、都市再生戦略チームの座長の伊藤先生からごあいさつをいただきたいと思います。先生、よろしくお願いいたします。

開会あいさつ 都市再生戦略チーム 座長 伊藤 滋
 どうも伊藤でございます。(拍手)
 きょうはお集まりありがとうございました。こんなにたくさんの方がおいでいただいて、大変私感激しております。
 今宮武参事官からお話しございましたように、ここに並んでいる都市再生戦略チームのメンバーと一緒に、何やかんやここ数年間いろんな知恵を使いながら、余りむだな公共事業をやらないで、しかし皆様が少しはお仕事をしたぞと生きがいを感じる、こういう仕事がないかという議論をずっと続けてきております。それで、こう私思っておりまして、これまで……済みません、国土省の皆さん、申しわけないです。これから言うこと……。ここにお並びの方は、毎年県や市から上がってくる予算の補助金交付とかそういうことをやっているのですが、大体それで1件当たり単価が道路ですと50億とか100億、橋だと200億、すごいのですよ。そういうような補助金を出したり、建物でも二、三十億出しますよ。そういうことをやっているのです。これは、私思いますのに、金の価値を全く知らない役人が金の価値の全く知らない市役所の人たちと内々で話をして決めている。ところが、片方では、私はNPOもやっておりますけれども、一番感激しましたのは、今から6年前に、安心と安全を考える女性の集いというのを、これ不思議なことに、これやった変な男が建設省におりまして、これ今郵政省の理事になってしまっています。それやったとき、ささやかな、この民間から集めた金を全国のご婦人の集いにお渡ししました。1件50万なのですよ、50万。しかし、驚くべきことにこの50万をご婦人方は見事に使って、それで例えば子供が安心・安全に道路を渡るとか、子供がちゃんと登下校を開始するとか、あるいはお父さんたちを引きずり出して、それで不良少年がいそうなところをうろうろ歩くとか、そういうことをやっている。50万どう……これを男に回しますと、200万ぐらいすぐ使ってしまうのですね。大体打ち合わせをちょっとした会議場でやって、終わると飲み会でよかったなと、酒とカラオケとこう行ってしまうのですが、ご婦人方は、集まるところを自分のお家の台所でやるのです。食堂、食卓で。皆さんの回り持ちなのですよ。酒飲まないでしょう、お茶菓子で済みます。そうすると1回集まって五、六千あったらもう御の字だと。そういう意味で50万をもうフルに使って、1年間に三、四十回ご婦人方はミーティングできる。こういうお金の使い方を本来国民の税金というのはやらなければいけないと思いまして、それでここからちょっと長く……もうやめますけれども、どうして……こういうことを感じたのです。それで、どうして福島に我々が来たかというと、実は去年スチューデント・シティですね、宮武さんね。あれが都市再生本部の目にとまりまして、大したお金ではないのですが、五、六百万でしたっけ、五、六百万のささやかなお金を国費100%で裏負担なし、これはすごいですよ。裏負担なし、だから市長さん非常にやれやれというのですけれども、お渡ししました。これ大変おもしろかった。
 それで、もう一つそれから話が成長してきまして、もう一つ僕考えたのは、これまで役人は、助成制度とか何かつくりますと、全国560の都市に均一に通達を出して、手を挙げたらほいっとやるのですよね。こんな悪平等はないのですよ、こんな不平等。だから、こういう悪平等やめますと、とにかくおもしろいことをやっているところに、もっとおもしろく話を進めて、そのおもしろい話が全国から、場合によっては地方の大半まで広がるようなおもしろいことを地方の皆さんにやっていただくというと、これ宮武参事官がさっき言っていた、えこひいきしようと、もう徹底して。ほかの市から幾らぶうぶう言われてもしようがない。身を呈して頑張るという都市にお金を差し上げたいのですと、こういう話が出てきたようです、役人の中で、都市再生本部の。それで、この500万を渡して百幾つかの都市の中からことし10の都市が選ばれて、僕は選びません。こちらの都市再生本部の役人が選んだ。結構役人も、都市再生本部の役人は結構頭よくなりました。かちかちではなくて、言葉つきから全部よくなったのですね。それで3年たちました。
 ですから、きょうは、ぜひ皆さん、思いのたけ存分にしゃべってください。困ったこと、いいこと、それをきょうこちらの都市再生戦略チームの先生方お聞きになって、一生懸命頭を使って、できないことはできない、できることはできる、これはあちこちラッパ吹こうというようなことをお答えいただけるのではないかと思います。
 結論は、もう言いますけれども、日本には何でも今まで悪平等だと、悪平等はもうやめようと、やれることができるところの人たちに頑張ってもらおう。そして、そこが引っ張っていいまちをつくろうと、そういうときに何十億ではなくて、その知恵が出るのは、50万円から始まっていいのだと、そういうことでございます。
 どうも済みません、しゃべりまくりまして失礼しました。(拍手)

宮武参事官
 ありがとうございました。
 私の趣旨説明が不要なぐらい簡単明瞭に説明をしていただいて、ありがとうございました。
 続きまして、福島市の瀬戸市長からごあいさつをいただきますとともに、本日のテーマでございます「都市と農村の連携を図り、既存ストックを活用した中心市街地の活性化」につきまして、お話を承りたいと思います。
 瀬戸市長、よろしくお願いいたします。

主催者あいさつとプレゼンテーション 福島市長 瀬戸 孝則
 皆さん、こんにちは。
 きょうは、都市再生本部の方々の本当に全国でも10カ所だけ選ばれた我が福島市の楽しい「都市再生 イン 福島」というタイトルでございますけれども、今伊藤先生の話聞きますと、そういう趣旨で私も初めてよくわかったと、それから何となく楽しい会合だなと、こんなことで思いまして、まずは伊藤先生は、いつも福島市は前市長さんの時代からまちづくりに大変ご指導いただいておるのですよ。それから、月尾先生も私も職員が大変ご指導いただいている先生方です。ですから、私にとりましては、大変福島について従来から大変ご理解のある先生方が来てくれたというふうに思っておりまして、まずはお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 それから、国交省を初め本部の皆さんや、あるいは国や県の方々、そしてきょうは、このテーブルについていただいた福島でもそれぞれ、後で申し上げますが、一生懸命自分たちのまちをつくろうと汗を流している皆さん、そういった方と同じテーブルを囲み、そして福島のことについて関心をお持ちでありました市民の皆さん、マスコミの皆さん、本当にきょうはどうもありがとうございました。楽しいまずは会になって、これが結果が福島市ここにありというような、全国に情報発信ができれば、私にとりましては、これは最高のことでございます。そんなつもりで、それがまた国にいろんな意味で吸収していただいて、これから今伊藤先生のおっしゃったような日本の国づくりのために、国サイドが地方に対してさまざまな面で理解を深めていただくと、そういうふうになれば大変うれしいなというふうに思っているところでございます。
 私から最初にまちづくりの、簡単に言えば、たくさん後でお話しする方いらっしゃいますので、市政を預からせていただきまして、この福島市の元気な福島、「花も“み”もある福島」ということをつくっていく、そういうなぜそういうことをしているかというようなことを、大きな柱の部分をお話ししまして、ごあいさつにしたいと思っております。
 その前に、話がちょっと脱線します。実はこのはっぴは、きょう初めて出てきまして、20着なのでございまして、「花も“み”もある福島市」のはっぴでございます。これはいろんな面でイベントのときに私ども使わせてもらいますので、きょうは先生方にもわざわざ着てもらいまして、テレビが入るということで、これがまた放送されるとうれしいのですけれども……。
 それから、もう一つ余計な話なのですが、ここにグラスがございます。水入れてください。きょうできてきてばかりなのです。というのは、四季の里でガラス工房があるのですよ。その先生がきょうやっとこの色が出ましたと、ピンクですよ、ピンク。形が桃の形をイメージしたのです。20個しかないので、きょうのところなので、本当に20個しかないので、ですからそうでない人もいますから、だめですから、ただこれやっぱり水入れると本当にきれいになるよということで、これからちょっと売り出してみたいと思うのですね。夢のある、この色はなかなか出ないそうですから、後でゆっくりつくらせていただきたいと思いますので、JAさんやJRAさんでお使いいただければなというふうに思っております。
 それから、もう一つ余計なことです。目の前に、「花も“み”ある福島市」でございますので、花を用意させていただきました。花はどこにでもある花なのですけれども、サクランボとリンゴでございます。初めに申し上げたいと思います。サクランボは置いてもしようがないので、後で皆さんで1粒ずつ食べていただきたいと思いますので、数に限りがありますが、テーブル以外の方にも回ればお食事いただきたいと思います。リンゴは、これは今ごろぐらいのリンゴは難しく、保冷庫に入れてあるのです。そして、今までもたせるのですが、食べてみてはどうか思うのでございますけれども、大変これも美しいリンゴで、お持ち帰りいただきたいと思っております。
 余計なことばかりしゃべりました。いよいよ本題に入ります。
 私が市政を預からせてもらいまして、非常に感じたのは、国と地方の関係が全く変わってきたと、財政的な関係も違うし、地方が今お話しのように、さまざまな国の補助金を受けて裏負担をしながら、借金をしながらやってきた。しかし、もう地方はそういうことで借金する力がない。国も地方を面倒見ることもできなくなる、そういう三位一体の改革とかいろいろ出てまいりました。そういう中でどうしたらいいのかということを私は考えました。
 それで、やはり今おかげさまで福島は、摺上川ダムが1,955億で間もなく完成しようとして、それから国庫補助債務のお世話になって河川の改修も終わりました。そして、中心市街地もいろいろ話題になったのですけれども、地下駐車場もできました。これは市財ですので、これから使っていくということですが、そういう意味ではハードの整備は今度、まだ残っているのですけれども、福島市、東北の……きのうも東北市長会があったのですが、北東北の各県から見ましたらば、福島市のハードの整備は、社会資本の整備はうらやましいぐらい進んでおります。我々はこれからやっぱりそこのところは先輩にお礼を申し上げ、国にお礼を申し上げ、そして一生懸命これから借金返して、そのかわりこのつくられましたいわゆるハードの装置、施設を使って、そしていよいよこれからソフトの事業だろうというふうに考えました。そこで、福島市のソフトといいましても、いろんな意味でこの……例えば私も議会でまちづくりのビジョンが見えないのではないかというようなことを質問を受ける場合があるのです。よくよく考えてみますと、今までのまちづくりのビジョンというのは、どちらかというと、伊藤先生はそんなことはなかったと思うのでございますけれども、中央の学者先生が中央の論理でもって地方にプランを落としてくる。その裏には予算づけがちゃんとあると、こういうシステムだったと思うのですけれども、私はやはりそこに住む住民の皆さんや商人の皆さんには、自分たちのまちの住んでいる人たちが、自分たちのまちはこうしたいというところが実は欠けていたのではないかなというふうに思いまして、住民参加のないビジョンは絶対ないと、それさえあればどんなビジョンでも生き生きとしたビジョンが出てくるというふうに思いまして、まずはやはり一番私どもが身につけなければならないのは、人だろうということに気がつきました。私は、人財という言葉を使っております。人の財産でございます。その汗を流す、そういう人たちがまちづくりに参加して、自分たちのまちだという思いになれば、これはどんなまちでも、大きなまちでも小さなまちでも、ヨーロッパのまちはそんな大きなまちたくさんない、それで田舎もきれいだ、それはきちっと自分たちのまちを愛するそういう気持ちの人たちがたくさんいるのだろうというふうなことにいつも思っているわけでございます。
 そこで、「花も“み”もある福島市」ということで、私は簡単に、たくさん、市長になりましたならば、福島市も秋も春もイベントやっているのです。やっているのですけれども、これはやっぱり役所のしようがない習性なのですが、縦割りになっておりまして、各イベントがばらばらに行われている。だったらまずは秋にさまざまなイベントを統一的にやったらどうだということで、昨年の秋始まりました。それで、ことしも春のイベントを統一的にやってはどうかということで始まりました。それが「花も“み”もある福島市」の始まりでございます。花は、私の福島市には、きょう阿部さんお見えでございますけれども、ご承知の花見山公園始め、それから郊外に行けば、桃、ナシ、リンゴの花がきれいに咲いてくる福島、四季が豊かであります。そしてまた、秋になりますと、果物の実はもちろんでございますけれども、美しい自然、紅葉あるいはうれしい食べ物の実、それから魅力の魅もございますし、さまざまな「み」があるということで、その「み」にひっかけまして、秋に福島の「花も“み”もある福島市」ということで申し上げました。と同時に、事業を一生懸命組み合わせると同時に、さまざまな団体の方が一緒に手を合わせたら、1足す1は2ではなくて、もっと大きなものができるだろうということで提案申し上げました。先ほど申し上げました福島競馬場の方々、あるいはJRの皆さん、JAの皆さん、それに行政、そしてボランティア団体の皆さんやさまざまな団体の皆さん手を携えて実はイベントを立ち上げると、今まで以上に農家の皆さんがこのJA通じて中心市街地でさまざまなものを売ったり、JRさんがいろんな意味で交通機関をつくってくれたり、競馬場さんは、後で話があると思いますが、そういった意味でイベントに参加してもらったり、そういうことが今まで考えられなかったことがたくさん夢のように浮かんでまいりました。そして、ことしになりまして、昨年の秋から福島民報という新聞社の皆さんが、これを逆に「食と文化のわいわいフェスティバル」というようなタイトルで秋の企画、そしてことしの企画は、「街なかフラワーフェスティバル」というようなことで、新聞社の皆さんがこれに一緒になってやってくださってきたというようなことで、非常に潜在力ある市民の皆さんの熱い情熱が一つ一つまとまってきているのが現在の状況であります。でありますので、きょうはそれぞれの立場から貴重な意見がたくさん出てまいりますので、それらをどうぞお聞き取りいただきまして、おもしろい、楽しいひとときになるといいなと、楽しくないまちづくりはないわけでございまして、まちづくりというのは楽しくなければいけないと、そんなふうに考えておるところでございます。
 それで、我々としても中心市街地という先ほどからテーマがありますので、若干この点について触れてみたいと思うのですが、今まで中心市街地、福島市、お手元の資料のように、いわば自由な住まいがあって、あるいは買い物の商業施設もあって、黙っていてもと言ったら失礼でございますけれども、まちとして機能していた。ところが、福島市もやはり高度成長時代、大学が郊外にでき、病院が郊外にでき、郊外に住宅がふえるという政策をとりました。そのために反作用といいますか、おまけに大型店が郊外にできて、空洞化現象が起きてまいりました。都市はやっぱりいろんな生活のくささあるのがやっぱり一番のまちだなというふうにいつも思っておりまして、そういう意味では中心市街地にまず定住してもらう人が必要ではないかということで、市としては借り上げ市営住宅という、おかげさまで国の制度がございましたので、そちらの方で展開させていただいた。間もなく、もう住んでいる方もいらっしゃいますが、間もなく、今途中でございます。
 それから、土地が下がりましたので、民間のマンションが非常に活力が出てまいりまして、にょきにょきとマンションが建ってきた。そういうこととか、それから都市機能としては住んでもらう、それから行政の機能とか教育・文化・医療、そういったものがどうしても頭になくてはならない、中心市街地でなければならないのではないかということで、私は駅の東西に行政サービスコーナーを行政としてつくり上げていく。あるいはコラッセふくしまという新しいビルの3階に図書館を持ってくる。意外とこの都市周辺市街地でのんびりして、ほっとできる場所がない。図書館が一番いい。これは一番繁盛しているようでございます。図書館です。
 それから、男女共同参画センターとか生活サポートセンターとかというものを行政のいわゆる機能として中心市街地に幾つかの装置を設けてきたということでございます。その中でスチューデント・シティという、国の、先ほどからございました、大変教育的に有効な形のものを空きビルといいますか、空きデパートといいますか、中心市街地のあいているスペースでやらせていただきましたのが、これも大きな反響をいただいておるところでございます。
 そしてまた、きょう来ました福祉団体の皆さんには、まちなか夢工房というような形の機能を持っている。それから、いよいよ私どもも子供の教育ということで、駅前に「子どもの夢を育む施設」、これもつくる前から市民の皆さんの協働ということで、中のソフト面の研究をもう既に、ハードの整備と同時にソフトもしているというやり方でやらせていただいて、隣はNHKさんの放送センターができる、合築でございます。
 こういったことでさまざまな意味で中心市街地を活性化しようということでやらせていただいておりまして、確実に私はこの福島市においては中心市街地が生まれ変わるだろうというふうに思いますので、国の皆さんのご支援、ご理解をお願いしたいと思います。
 それから、花見山でございますけれども、これも阿部さんお見えでございますけれども、ことし20万人のお客さんがお見えになりました。私は、福島市を見ておりますと、福島市の政策というのは、いろんな政策の中で、この商品としている位置づけはほとんどしておりません。民家園にしましても、四季の里にしまして、この古関裕而記念館にしても、ある意味で教育施設であり、社会の市民の憩いの施設という位置づけなのです。ところが、私は駅長さんなんかと話ししまして、花というものは植えるのではないかと、そして首都圏や関西に行きますと、秋山庄太郎先生が撮ってくれた花で花見山というのが意外とわかっている。それで、ちょっとパンフレットを見ますと、まず三春の滝桜があります。これは大概知っているのです。その下に花見山公園というのがぽんと載ってきた。これはどういうことかといいますと、エージェントさんにしますと、桜の時期はずれますので、花見山というのは1カ月以上にかかわりますので、三春の滝桜が外れても、こっち来るとただだしですね、非常によかったのではないかなと思っているのです。結果、本当にきょうお見えの花の案内人やあるいは花見山のバスや、あるいはJRさんの特別列車や、あるいは福島の旅館も、温泉地も、4月というのはオフだったらしいのですけれども、昨年あたりからもうオフでなくなってきたというような効果もあらわれまして、この経済効果についても大変大きなものが出てきたというふうに私は思っております。
 これを見ますと同時に、やはり私は市民との協働といいますか、これは行政がかかわって、阿部さんという方の温かい心の民間に払い戻しますよという方がいて、渡利地区の地元の皆さんが交通整理に参加して、市民の皆さんが花案内人で参加したというような意味では、市民との協働の本当の模範的な行事だと、私は思います。今福島ではこれを見習って、松川町で希少品種の絶滅品種のクマガイソウというものを公開しております。飯坂温泉におきましては、世界の花を呼ぶ公園をつくろうということで、ちょうどきょう安斎さんいますけれども、やって、みんなで始まりました。そういうようなことを一つ一つ始まっていきます。そんなことが実はこの福島市にとりましても、特別そう新しくて、先生おっしゃったような、そんなにお金を使ってつくらなくても、現在あるものをちょっと見直したり、ちょっと組み合わせたりしますと、新しい価値が生まれてくるという、そういうやり方をこれから進めていくと、地方都市というのは元気になるのではないかなと思います。
 最後に申し上げたいと思います。実は市民との協働ということでございます。私は、阪神・淡路大震災のちょっとデータを見まして、どうやって人が助かったかということでございます。自分で自分の命を守ったというのは30%弱、家族に助けられたという方が30%、ご近所の皆さんに助けられたという方が30%ちょっとですね。そして、自分でレスキューとか、そういう消防隊の人に助けられたというのは0.7%だ。つまり、災害のときに自分の命は自分で守るのだというふうによくわかります。そこで、災害の防災訓練をどこでもやっているのですけれども、助ける側での訓練はよくやっています。しかし、助けられる側の方が参加をしておりませんです。私はこれを昨年1,000名の住民の皆さん参加して、災害弱者はどこにいるのか、高齢者はどこにいるのか、そういったときはどこに集まればいいのか、そういう助けられる側の人のまざった防災訓練をやりました。これこそが私は市民との協働と思います。
 そして、現在まだ未発表なのでありますけれども、成功するかどうかわかりませんが、公共交通機関が今撤退しております。バスに対する補助金もものすごく大きいです。しかしながら、元気な高齢者は自分で自分の行きたいところに行きたいというふうにも言っております。福島市の大きな団地で、今起きている運動は、そのために市の方に巡回バスを出してくださいというふうに要請がございましたです。ちょっと待ってください。住民の皆さんが乗るのですかというふうに私は申し上げました。そうしたら住民の皆さんが、自分たちは自分たちで調査して、走らせてもらったら利用しよう、値段はこのくらいではどうだということをバス会社と交渉し始めました。そういうような動きが出てまいりまして、どうやら実現しそうであります。そういう幹線道路添いのバス路線があるのですが、ちょっと離れたところを見ますと、車のない方というのは全然出ていきません。そういった方のためには、実は市民がみずから立ち上がって、自分たちの足を確保するのだという動きが一番最初にあって、そしてそれにバス会社が協力し、行政も協力していくという形が実はこれからの新しいやり方ではないかな、そういう点にぜひ国の皆さんも目をつけていただいて、政策のきめ細かなところを、自治体はこういうことをやっているのだということを支援していただきたい、そんなような気持ちが今あるわけでございまして、どうか余計なことまで申し上げましたけれども、各般にわたって中心市街地のまちづくりや福島市のその四季の豊かなところをみんなで生かしてみんなでやっていこうというようなことでやっているということをご紹介申し上げまして、私からのプレゼンテーションにしたいと思っております。
 きょうは、お話しする方それぞれ独特な方々でございますので、よろしく先生方にお願い申し上げまして、終わりたいと思います。
 皆さん、ありがとうございました。(拍手)

 
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