都市再生本部
HOME 都市再生本部 会議情報 都市再生プロジェクト 民間都市開発投資の促進 全国都市再生の推進 都市再生レポート 関連情報 リンク
HOME 全国都市再生の推進 豊橋市
全国都市再生の推進
歴史的町並み景観に配慮した防災まちづくり
愛知県
歴史的町並み景観に配慮を求められる地区における防災まちづくり
防災まちづくり支援システムを活用したワークショップ
住民、行政、大学が協働で取り組むまちづくり
調査名 密集市街地等における住民活動と連動した防災安全性の確保方策に関する調査(豊橋市)
取組の概要  愛知県豊橋市二川地区は、東海道五十三次の宿場町の一つとして発展し、旧東海道沿いに個々の敷地が細長く短冊状に並ぶなど、特色ある歴史的な市街地を形成している。本市では、当地域の中心である本陣や旧旅籠屋を資料館施設として改修復原するなど保存に取り組んでいる。一方で、老朽化した木造建築物が密集し道路も狭いなど、東海地震が予想される状況下にあって、歴史的町並みを含めた密集市街地の防災対策が急務となっているが、具体的な取り組みには至っていない。本調査では、二川地区を対象に、歴史的町並みを含んだ密集市街地等における住民活動と連動した防災安全性の向上を目指した方策等を検討した。
取組内容 本調査による活動内容を下記に示す。
(1) 旧街道を中心とする市街地の整備に関するアンケート
 歴史的な町並みを残しながらも災害に強い安全なまちづくり推進のため、二川校区の旧街道を中心とする市街地整備に対する地元住民の意向を把握し、基礎的資料にするため、二川校区全世帯を対象にアンケート調査を実施した。 配布時期は2004年11月下旬、回収時期は2004年12月中旬。配布回収は地元自治会を通じて行った(配布部数:2508、回収部数:1620、回収率:65%)。 アンケートの主たる内容は、1)旧街道を中心とするまちの現状評価と将来像、大まかな整備方針、2)景観整備、3)防災対策であった。アンケートは無記名方式で、回答形式は選択解答、一部自由記述とした。
(2) アンケート報告会・ワークショップへの参加呼びかけ
 アンケート報告会とワークショップ開催にあたり、対象とする旧街道沿いの住民に参加して頂くため、本調査メンバーとまちづくり協議会の会員が協働で、表3に示すとおりの日程・参加者で、旧街道沿い世帯一軒一軒を訪ね(約260軒)、アンケート報告会とワークショップの資料を配付・説明し、参加呼びかけを行った。
(3) アンケート報告会
 地元住民を対象に、(1)上記アンケート集計・分析結果の報告、(2)まちづくりの意識啓発、(3)ワークショップへの参加呼びかけを目的として、アンケート報告会を実施した。アンケート結果の報告に加え、平成13年度策定の「二川・大岩まちづくり計画」、歴史的市街地のまちづくり先進事例、豊橋市景観条例の仕組みについての説明も行った。
(4) 防災まちづくり支援システム開発
現状の市街地の災害危険性、PC上に再現した当該地区の市街地整備前と整備後を比較することによる市街地整備効果確認の情報提供が可能な防災まちづくり支援システムの試験的開発を行った。
(5) 旧街道を中心とする市街地整備素案づくりワークショップ
 上記(1)〜(3)を基に、そして(4)を活用して、市街地の安全性を確保しながらも二川らしい歴史的町並みを維持、創造していくためには、どのような整備・方策が必要か、何処をどのように整備すればよいか等、具体的な市街地整備の素案づくりのワークショップ(全3回)を行った。
まちづくりへの効果
H17年4月1日現在
 本調査研究による成果は下記の通り。
(1) 調査主体が地元まちづくり協議会と地元自治会と協働で、旧街道を中心とする市街地整備に関する住民意識アンケートを実施し、旧街道沿いの市街地整備に対する地区住民の考え方を整理した。
(2) 地区住民及び旧街道沿い住民の防災まちづくりに対する意識啓発を目的として、(1)の結果報告会を開催した。これにより住民の意識の高揚・醸成に寄与できたと考えられる。
(3) 下記(4)の具体的防災対策・整備案を検討するワークショップを支援する(市街地整備による延焼抑止効果の情報を提供する)防災まちづくり支援システムをWebGIS基盤で試験的に開発し、具体的に市街地整備を検討するワークショップの現場のどの場面でどのように運用するかについて検討した。
(4) 以上の成果を踏まえ、防災まちづくり支援システムを活用して具体的市街地整備の素案づくりのワークショップを実施した。ワークショップでは、住民相互の活発な意見交換・討議、中身の濃い作業・詳細な議論が行われ、(3)のシステムを活用することによって、具体的な内容が盛り込まれた市街地整備素案をまとめることができた。このワークショップを通して、下記知見が得られた。
歴史的町並み景観に配慮を求められる地区という市街地特性であったため、整備素案の方針・方向性は、修復型で景観と防災のバランスを考慮したものであった。
システムを活用することによって、システムによる情報提供が、具体的な場所を伴う具体的整備・対策を計画案に盛り込む際に、合意形成、意思決定のキッカケ・根拠になっていた。
しかし、システムの操作性や情報提供方法・表現、またシミュレーション時間短縮などの課題が明らかになった。
(5) 本調査研究は、地元まちづくり協議会、地元自治会、そして地元住民、特に旧街道沿い住民と協働で実施したことにより、まちづくりに対する意識啓発面での成果も得られた。今後の課題としては、より多くの旧街道沿い住民のまちづくりへの参加をどう促していくかである。
応募団体名 豊橋市および豊橋技術科学大学
リンク 大貝彰都市地域計画研究室
http://urban.tutrp.tut.ac.jp/
部局/担当者名 豊橋技術科学大学工学部/大貝彰
連絡先 〒441-8580豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1-1建設工学系都市地域計画研究室
TEL : 0532-44-6834
Emailアドレス : aohgai@urban.tutrp.tut.ac.jp
推薦団体名  
(C) Copyright : 内閣官房 都市再生本部事務局
〒100-0014 千代田区永田町1−11−39 永田町合同庁舎3階 TEL03-5510-2151