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単位互換による学生の大学間移動を起点としたまちづくり事業化方策検討
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県内12大学が参加し平成18年9月に大学コンソーシアムやまなしが設立し、来年度以降単位互換事業が本格実施されることにより、甲府市中心市街地が大学間移動の結節点となることが期待される。
学生の大学間移動には、公共交通機関の充実が不可欠であるが、現在のところ大学を結ぶ十分な公共交通網が形成されていない。また、大学を超えた学生間の交流が発生することを契機に、空洞化が深刻化する甲府市中心市街地において、学生により、地域活性化につながる新たな活動が生まれることが期待される。
本調査では、この単位互換事業を、新たな学生交流の起点として、それを新たなまちづくり事業化の推進や公共交通機関の再編などにつなげていくための展開方策を検討した。
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甲府都市圏において公共交通はほとんど使われておらず、平日の公共交通の分担率は非常に低いことが明らかになった。その理由として、運行頻度が少ない、バス停・駅が遠いなどの理由があげられた。これらの問題に対する新たなバスルートのあり方として、単位互換事業による学生の大学間移動の他に、甲府市民、観光客等の来甲者の利用を想定したルート設定について検討を行った結果、以下の2通りのあり方を示した:
・ | 各大学の中心に位置づけられる中心市街地をハブとして位置づけるルート設定(特に中心市街地活性化に寄与することが想定される) |
・ | 各大学と公共施設や観光関連施設を結ぶルート設定 |
今後のバスの利用促進に向けて、単位互換の時間割に合わせた集中運行、行きと帰りの弾力的運行、バスの待ち時間の利用に関する情報提供などのアイデアが提示された。
学生生活アンケート調査では、携帯電話によるコミュニケーションや情報収集を多用する学生生活が浮き彫りになったが、その一方で、中心市街地の商店街がこうしたライフスタイルに対応した情報発信が、今後の課題であることが明らかとなった。今後の中心市街地活性化の戦略として、インターネットのヘビーユーザーである学生をターゲットとした、郊外の大規模店舗にはない、個性的な店舗展開を促進する可能性や、女性をターゲットにした交流の場としての商店街、LOHAS的感性を刺激する商品開発などの方向性について示された。
学生が描く「元気な街・甲府」事業アイデア・コンペでは、募集が短期間であったにも関わらず、学生から38件ものアイデアの応募があり、自らが中心市街地に求める具体的なイメージを持ち、その実現に向けた活動に積極的に関わりたいという意志を持つ学生の存在が明らかとなった。アイデア・コンペ自体は全国でも多数行なわれているが、本調査では、そのアイデアの実現に向けて内容を吟味する仕組みとしてワークショップを開催し、その結果各アイデアについて今後の活動の方向性と課題が明確になった。
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今年度より、大学コンソーシアムやまなしに参加する6大学・短期大学で単位互換事業が開始された。現在は、各大学のキャンパスにおける既存科目の開放であり受講者数も限られていることから、まちづくりへの効果は見られない。しかしながら来年度以降、甲府中心市街地において単位互換科目を提供する方向で検討を進めており、今後中心市街地の活性化への効果が期待される。
本アイデア・コンペをきっかけとして、学生が中心となり「四菱まちづくり総合研究室」が設立され、甲府商工会議所の支援により、甲府中心市街地の空き店舗に活動拠点を設け、様々なまちづくり活動を行っている。それにより、学生と地元商店街との協働関係が構築されつつある。
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特定非営利活動法人 大学コンソーシアムやまなし
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特定非営利活動法人 大学コンソーシアムやまなしHP
http://www.ucon-yamanashi.jp
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TEL :
055-244-6707
Emailアドレス :
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甲府市企画部企画総室政策課政策係
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