 |
日光市まちづくり交通計画 |
 |
世界遺産地区の環境・景観問題と、観光シーズンの街なか渋滞による交通サービス低下を解消するため、平成14・15年度に「日光市まちづくり交通計画」を策定。平成16年度は「全国都市再生モデル調査」を活用し、交通モデル実験を実施して効果や課題を把握。
世界遺産地区の交通対策では、一部歩行者専用道路化により景観や環境が大きく改善。手動の簡易な看板などを用いた交通誘導では、駐車場利用が分散化し円滑な移動の確保に寄与。また、街なか駐車場への案内により街なか歩行者数が増加し、街なか観光の活性化に寄与。また計画段階からの地域との協働作業体制によりまちづくりへの住民参加が実現。今後、効果の高い対策の実施への移行と街なか駐車場新設等を実施予定。 |
 |
世界遺産地区では、通過交通や駐車車両により安全性や環境的に世界遺産地区にとって相応しいものとは言えない状況であったことから、環境保全が必要な道路への歩行者専用道路化や許可車両のみの通行制限規制、簡易看板による通過車両への通行自粛の呼びかけなどを実施した。
また、駐車場案内や満空状況などの情報提供が無いことや、駐車場の入庫箇所での入庫待ち車両が渋滞の原因となっていることから、手動の簡易な看板を用いた駐車場案内や、路肩部分を活用した駐車待ち車線の仮設置、駐車場所が不明確な交差点に誘導員を配置し誘導や案内を強化するなど、円滑な移動の確保のための対策を実施した。
さらに、駐車場満車時にも他の駐車場への案内・誘導が無いことが慢性的な渋滞や観光地としてのサービスの低下の要因であることから、上記の対策のほか、世界遺産地区周辺の民間駐車場や1キロ圏内の街なか駐車場を有効活用し、駐車場相互の情報共有による満車駐車場から空き駐車場への誘導、チラシなどを用いた世界遺産地区への案内や商店会のＰＲを実施し、街なか観光の活性化に資するための実験を実施した。
なお、世界遺産地区周辺の駐車場配置や車の乗入れ、通過車両への対策については、住民との合意形成や住民主体の取り組みが必要であったことから、実験の計画段階から住民を含めた実行委員会や研究会を組織し、実験までの協同作業体制を確立したほか、街なか駐車場周辺の商店会では街なか駐車場でのチラシ配布や観光案内など住民主体の実験を実施した。
平成17年度は、効果の高かった施策について、実験グレードアップや「実施」への移行に向けた再検討、及び、「歩く観光地づくり」推進と世界遺産地区内の駐車場問題解決のため、街なか駐車場の新設、循環バス等を活用した世界遺産地区への誘導方法を検討する。
なお、平成17年度内を目途に「日光市景観計画」が策定予定であることから、世界遺産地区内のインフラ整備として歩くための道路整備や歩行空間確保、自然環境保全などを計画に盛り込み、平成18年度からの事業として取り組む予定。 |
|
| ○ |
世界遺産地区の環境保全効果
歩行者専用道路化を実施した道路では通行車両が無くなり、通行制限規制をした道路では駐車車両が解消され、世界遺産地区内の歩行環境の安全性や快適性が確保され、景観的にも向上した。 |
| ○ |
円滑な移動の確保
手動の簡易な看板での駐車場案内では、どこの駐車場に空きがあるのかをドライバーが把握できるようになり、駐車場利用が分散化による駐車場の効率的な活用ができた。また、駐車待ち車線の仮設置により幹線道路が円滑に通行できるようになるなど、街なかの円滑な移動の確保に寄与した。 |
| ○ |
街なかの活性化
街なか駐車場や民間駐車場へ誘導案内した結果、街なか駐車場の駐車台数が増加し、世界遺産地区までの街なか歩行者数が増加したほか、街なかでの観光客の滞在時間が時間が延びた。また、地域商店街へのアンケート結果でも、約3分の2の人が、実験により来客者の行動に変化があったと感じていた。 |
| ○ |
まちづくりへの住民参加
街なか駐車場でのチラシの配布や誘導、チラシの作成など、地域住民が実際に交通実験に取り組み、自らのまちづくりについて体感する良い機会となったほか、行政と住民が協同で行った実験が、商店街にも観光客にも好評を得た。 |
|
 |
日光市 |
 |
http://www.city.nikko.tochigi.jp/ |
 |
都市整備課/福田課長補佐・町田副主幹 |
 |
TEL : 0288-54-1111
Emailアドレス : fukuda.eihito@city.nikko.tochigi.jp |
 |
|
