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観光交流の促進と住民の高齢化に対応した地域交通網の再構築 |
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本調査は、平成15年度に観光交流空間づくりモデル事業(国土交通省)に採択された「ひたちとふさのジョイントアップ・プロジェクト(観光交流の拡大による地域活性化を目指し17の広域連携事業を展開)」の中にある「田舎版ターミナル&ライド」の実現に向けた取組みの一環である。
この事業は、過疎化が進んだ結果、公共交通網が断線状態になり、来訪者にとって極めて使い難い状態にあることから、幹線道路沿いにある道の駅に情報拠点機能と交通結節機能を持たせて、タクシー・レンタカーなどを含む公共交通網の再構築を図り、観光客にも地元住民にも利用しやすい交通環境を実現して、利用拡大の促進を目指している。 |
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本事業は、観光交流を拡大して定住人口の減少による地域交通の総需要量の減少を補おうとするものであるが、このことは交通事業者と交通行政の担当者の努力だけでは限界があり、観光・福祉など利用者を対象とするセクションとの連係により新しい展開が可能になる。
今回の調査では、住民にとって使いやすい地域交通網を維持するために必要となる利用者数(総需要量)を確保するためにとり得る選択肢を洗いだして、実現の可能性を関係者に納得させるための実証実験を行った。
すなわち、必要な収益を確保する程度には至らない公共交通の需要を、観光客の利用で補うため、地域交通の実情を知らない人々が地域交通網を利用するための条件整備について検討し、その中のひとつである町営バスを使う観光形態のPRを地元ガイドによるミニツアー企画に絡めて行い反応を見た。
また、地域にある交通手段を効果的に活用するために、道の駅が担うべき交通結節機能についての検証を行った。 |
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この事業企画を交通事業者に説明した際には、理屈は分かるが現実には難しいとの反応であった。また、自治体関係者の多くはイメージがわかない様子であったが、実証実験として行った高速バスと地域交通を利用して集客イベントに参加させる試みを行ったところ、不測の悪条件が重なったものの町営バスの利用者が通常時の2倍になり、イベント参加者の反応も上々であったことから、地域交通の枠を越えた発想で観光を始めとする他分野との連係を見据えた活動を展開することによって、将来の可能性が開けることが意識されるようになった。
また、地元自治体の中からは、今回の成果を合併後の地域交通を考える際のテキストとして活用するとの声も上がり、これまで国の専管事項と思われてきた交通問題を地域が主体的に取組む課題であるとの意識が生まれてきた。
地方財政の逼迫する中、過疎地の地域交通問題を諦めることなく、解決策を探ろうとする動きが出てきたことが成果であると認識している。 |
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千葉県 |
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千葉県ホームページ
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総合企画部戦略プロジェクト推進室 松上晴彦 |
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