郊外への住宅地開発の進捗に伴うモータリゼーションの急激な進展や市民のライフスタイルに変化により、中心市街地における空洞化が深刻化する一方、郊外の新興住宅地区においても、今後の少子高齢化に向かう時代において、街としての醸成、維持をどう図っていくかが課題となっている。また、財政上の制約も厳しくなりつつあることから、今後のまちづくりの方向性として、これまでの成長を前提とした都市づくりから、これまで構築されてきた都市の既存ストックを有効に活用した、効率的・効果的な都市への再構築が必要と考え、当面の課題として、地区毎に有する都市資産を適切に把握・評価することとした。 そこで、本調査において、課題を抱える中心市街地地区や新興住宅地区等の代表的な地区を対象にアンケート調査を実施し、住民の生活の質(QOL)に対する満足度を把握した。 これを基に、現在の都市資産(都市アセット)の価値を市民の満足度合いに置き換え、価値観あるいは地区特性を考慮したQOL指標として表現した。 このことにより、従来、比較困難であった指標についての相対的な比較を可能にし、都市資産についての適切な評価を行った。 この評価に基づき、地区毎の重点課題を抽出し、その課題解決のために必要であると考えられる個別施策(案)の検討を行った