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久我山駅前地区まちづくり調査 |
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人の滞留の激しい踏切の改善要求を端緒とした長年にわたる住民運動の結果として、久我山駅駅舎が改築中であるが、駅の機能を補完する駅前広場など周辺施設の整備が残されている。
この実現を目指して自治会、商店会、駅利用者等の諸団体が統合した「久我山まちづくりの会」が行政と連携して活動している。
その調査研究の内容として、十数回の協議会、地域集会、講演会などを実施した。当駅は通勤通学客が朝夕極度に集中し、鉄道、道路、河川が狭隘な場所で錯綜する状況が重なり、特に歩行者が危険に晒されている。こうした背景のもと、先ず安全に通行できる駅周辺部、次に便利で、緑と水の美しい景観を備え、魅力に満ちた中心街を目指す構想をつくり、行政への提言を行った。 |
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南北自由通路を含む駅舎の改築が進み、本年秋に完成予定である。その契機となった署名運動等では駅前広場整備も重要な要望としていたが、こちらはまだ進展していない。久我山の地域の合意形成をもって行政に働きかけることが急がれている。
「久我山まちづくりの会」の活動でまとめた構想の主な内容は(1)既設橋梁を拡幅して河川上空にスペースを創設。(2)未利用の国有地を親水公園として活用。(3)新駅舎近接の民地の一部転用により(1)と合わせて駅前歩行広場として整備し、歩行者の滞留場所や、拡幅したバスベイを確保。(4)駅周辺の回遊性をもたらす南北をリンクするルートの整備。(5)公共交通機関の結節点としての交通広場を整備等である。
それらの前提として、久我山地域全体の発展の姿の論議と、現地踏査を加えて新たな認識のもと、将来像と駅周辺整備との関連性について整理した。また、地域住民のアンケート調査を実施して意識の把握に努めたり、地域集会を開催して構想内容の周知徹底と意見収受を図った。その他、景観についての講演会の開催や、先進地の模範例の実地調査(横浜元町等)の結果を反映させ、当地の商店会としての景観に関する基盤づくりに誘導出来た。 |
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●広範囲の地域生活者を背景とした総括的な合意形成の基盤が構築された。
●会の構成メンバー相互の連帯感の強化、共通認識の高揚、会としての地域社会への貢献意欲の増大をもたらした。
●杉並区のまちづくり条例に則ったまちづくり協議会として認定済みであったことにより、今回の調査においても区との情報交換や意思の疎通が円滑に進められた。
●会の活動の成果を行政側が評価し、会の提言の事業化に積極的な対応を示すに至った。
●東京都が検討を始めた「神田川再生構想」に対して、杉並区と協働して整合点の模索に努めている。
●会の活動以外にも、景観法の施行など各種情報からの刺激を受け、当地における美しい自然景観、街並み景観を希求する商店会はじめ一般の関心が高まった。 |
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久我山まちづくりの会 |
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久我山まちづくりの会
http://www.久我山.com |
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東京都杉並区 |