大規模な地震災害から文化遺産を守るためには、地域・防災・文化遺産という3つのキーワードによる新たな震災対策と地域コミュニティの活性化による都市再生が必要である。そのために、地域住民が参加するワークショップを開催し、地域コミュニティの現状を把握し、市民の防災意識、地域のリスクの認識、リスクへの対応、大規模災害など発生時に利用可能な水利の整備手法・維持管理などを含めたソフト面での対策について検討を行った。このワークショップでは、災害図上訓練(DIG)を活用した。DIGとは、Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の頭文字をとって名付けられたもので、地図上で災害をシミュレ−ションする誰もが参加可能な防災訓練である。 また、具体的な対策の技術的提案をするために、技術検討会を実施し、以下の具体的な技術的提案を行った。 ・防災システムの全体 ・トンネル貯水槽と送水ルート ・配水管網と管径、 ・易操作性消火栓(初期消火) ・街路散水システム(延焼防止) ・多重の安全性の確保 ・防災水利の日常使用