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ミニ人工干潟による生物生息空間形成調査 |
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現在の大阪湾では「生命のゆりかご」と言われる干潟が非常に少なく、水生生物が生息できる自然空間を喪失している。この大阪湾において水生生物が生息できる環境の再生を目指し、NPO、小学生等の主体的参加のもと、可動式のミニ人工干潟を設置した。また、身近な大阪湾の環境に対して関心を高め、自ら体感することで身近な大阪湾の環境改善について考える機会を得るため、小学生対象の体験プログラムを実施した。モニタリング調査では、ゴカイなど多くの生物の定着が確認され、ミニ干潟設置による生物生息の促進が認められた。本取り組みは報道関係にも大きく取り上げられたことから、参加した小学生やその他市民における大阪湾再生への関心を高めることに寄与した。 |
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ミニ人工干潟設置前に、大阪湾の環境について堺市内の小学4年生を対象とした事前勉強会を実施。その後、鉄製の可動式ミニ人工干潟を設置、浚渫土やスラグ等のリサイクル材を主とした干潟造成材を小学生とともに作成した。また”目に見える指標”として、小学生一人ひとりがマーキングしたアサリをミニ干潟に投入、定期的にモニタリング調査を行った。調査実施では地元密着型の自然再生への取り組みを目指し、地元住民、NPO、民間企業、行政等の連携を図った。モニタリング調査では、ボランティアダイバーによりミニ干潟を引き上げた後、小学生が実際にミニ干潟に生息する生物に触れながら、ミニ干潟環境の変化について観察した。実験開始時には無生物であった干潟に、時間とともに多くの生物が定着、その環境変化を小学生自身がモニタリングすることで、大阪湾への関心を高め、大阪湾を身近に感じる機会となった。マスコミにも大きく取りあげられたことから、地元住民等に対して、大阪湾再生への取り組みを強くアピールすることが出来た。また、全国でも例のない、リサイクル材を活用した可動式ミニ干潟であったが、多くの生物定着が確認されたことから、大阪湾において一定の機能を有することが分かった。 |
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【身近な大阪湾の環境改善に対する意識の向上】
今回、小学生を対象とした体験プログラムを実施した中で、次のような意見が上げられ、小学生における環境改善への意識の向上が伺えた。
「人工的な干潟にも多くの生物が生息していてびっくりした」
「自分達がどのような環境で生活しているのかを考えるきっかけにしたい」
一方、地元住民からは「小学生だけでなく多くの人が参加できるようにして欲しい」といった意見があがり、幅広い人を対象とした体験プログラムの実施が求められている。今後、一般の人でも安全かつ容易に近づけ、また自然環境により近い人工干潟に改良していくことで、都市部における持続可能な環境学習の場として期待できる。 |
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NPO大阪湾研究センター |
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NPO大阪湾研究センターホームページ
http://www.osakawan.or.jp |
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専務理事 村田武一郎 |
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TEL : 06-6203-6092
Emailアドレス : mari-co@osakawan.or.jp |
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大阪府 |