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学研都市の魅力を高めるための調査報告
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T. | 安全な住環境のための諸目標策定とモデル住宅による住環境の改善ならびに効果の検証
空気質をはじめとする住環境が人体に及ぼす悪影響を低減し、より安全な住環境を実現する為のケーススタディを行った。検討は、解決すべき問題点の整理とこれに基づく技術基準の設定、さらに実際にモデル棟を建設し、基準達成の可能性の検証からなる。
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U. | 発症者の状況に応じた住宅を注文できる仕組みの検討
現況の整理に基づき、NPOを核に、関係する行政・諸団体が連携する仕組みを整理した。また、これの課題の抽出を行った。
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V. | 学研都市の魅力を高めるための調査・検討
学研都市の現状の分析に基づき、行政・NPO・関連諸団体・企業との連携による魅力向上の方策を検討した。
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T. | 安全な住環境のための諸目標策定とモデル住宅による住環境の改善ならびに効果の検証
概要のはじめに示したケーススタディから以下を得た。
建築過程・竣工後の化学物質濃度測定結果は、非常に低レベルに維持できていることが示された。ただし、TVOCについては、天然木材から放散されるαピネンなどの影響で厚生労働省指針値を大幅に超えているが、これは実質的な悪影響はないものと判断している。
Q値の測定では、1.63W/m2Kと計算Q値を大きく下回る高断熱性が実現できていることが示された。
また、モデル住宅の居住時の温熱環境を、築20年の在来住宅の比較測定により明らかにした。前者は、屋内の温度差が非常に小さいことが示された。これに対し在来住宅では、暖房時の上下温度差が15℃近くあり、実質的には空間全体を加温することは不可能な状態であることが確認された。大きな温度差が人体健康性に直接作用することが懸念され、なんらかの対策を講じる必要性が示唆された。
モデル住宅では、微生物成育住宅の実測調査を行い、ダニ・カビの測定から、特に問題はないことが確認された。また、住まい手の協力の元、一般住宅とモデル住宅における健康調査を行い、アトピー性皮膚炎男児について、モデル住宅に居住することによる改善が見られた。
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U. | 発症者の状況に応じた住宅を注文できる仕組みの検討
健康に不安を持つ人(関心の高い人)が住宅を建築・改修する際に、医学・建築学の双方から的確なアドバイスを受けられる体制が有用である。これの確立のためには、高い倫理観を持ち、信用力、社会貢献に対する認識の高い建築関係者を育成できるような「医学・建築に関する学・官・産」連携の体制で進める必要がある。また、多くの人が利用できるようにするためには、安心して相談できる窓口を設置し、住まい方までをもアドバイスできる体制を構築していくことが必要である。
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V. | 学研都市の魅力を高めるための調査・検討
学研都市の現状の分析に基づき、行政・NPO・関連諸団体・企業との連携による魅力向上の方策を検討した。
「そこに行けば安全な住環境を提供してもらえるような仕組み」という安全・安心な住環境を提供するシステムを整備することで町の魅力を高めることは十分に可能であると考える。実現手段としては、アンケート調査、住民とのシンポジウムの共同開催などから着手し、必要に応じて例えば、関西学術研究都市およびURとも連携を取りつつ「安全な住環境に関する」研究施設や事業の推進や事業を行う企業への支援も検討していくことが考えられる。
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ケーススタディから、本取り組みで提案する技術指針をもって、真に健康な住まいを実現できることが明らかになった。住まいの安全・安心は、豊かな街づくりの基本であり、前述の、医療と建築の協業による安全な住環境実現のための様々な支援システムの具現化により、多くの人が安心して暮らすことができる、まさに高齢化社会に最適な街づくりへの展開が期待されると共に、少子化の抑制にも繋がることが期待される。
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特定非営利活動法人 シックハウスを考える会
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シックハウスを考える会
www.sickhouse-sa.com
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TEL :
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