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のびのびと子育て 地方暮らしの良さを再発見

種村 亜美さん

PROFILE
種村 亜美さんの写真

種村 亜美さん

岐阜県中津川市出身。2020年4月に神奈川県横浜市から岐阜県中津川市に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:夫、子ども1人
  • 移住スタイル:Uターン
  • 職業:会社員

コロナ禍でUターンを決意

いつかは故郷に戻りたい。そう考えてはいても、都会での生活が安定していると、なかなか踏ん切りがつかないものだ。子どもが大きくなってから…、老後になってから…。種村さんにとって、ずっと先のことだと思っていたUターンが現実味を帯びたのは、新型コロナウイルス感染症が広がり始めてからだった。
「都会は人が多く、当時3歳だった子どもと公園に行っても人であふれかえっていて、どこにも行けないなと感じていました。ちょうど私も夫も転職を考えていて、仕事を変えるなら東京にこだわらず、私の出身地の中津川市に戻ることを考えてみようという話になりました」
夫はもともと自然に囲まれた環境が好きで、むしろ夫の方がUターンに前向きだったという。しかも中津川市は、移住支援や家賃補助の制度を設けている。「仕事は見つかるのか、子どもの教育面で選択肢を狭めることにならないか、不安もありましたが、このまま横浜にいれば、故郷の親とも友達とも、もう何回かしか会えなくなると思うと決心がつきました。私はおばあちゃんがいる家庭で育ったので、子どもにそういう家庭を味わわせてあげたいなって。自分が経験して良かったことをさせてあげたいと思ったことが、最後の一押しになりました」

キャンプ中の様子

ぐんと増えた家族と過ごす時間

仕事はすぐに見つかり、2020年4月、10年ぶりに戻った故郷で、まずは実家近くにマンションを借り、1年後に実家の離れに移り住んだ。
「横浜に住んでいた頃と比べて、食料品や日用品などの物価はそれほど変わりませんが、マンションの家賃は半分ほどに下がりました。車を購入したので、ガソリン代や高速道路代は新たにかかるようになりました」。ただ、保育園の送り迎えや買い物を電動自転車ではなく車でするようになり、随分日々の負担が減ったようだ。そして、「何より良かったなと思うのは、家族で過ごせる時間が増えたことです」。
夫は、東京ではアパレル関係の仕事をしていて帰宅が遅く、家族一緒に夕飯をとることはほとんどなくて、子どもの就寝後に帰宅することもしばしばだった。今は夕方には帰宅し、子どもとお風呂に入ったり、休日は一緒に虫取りをしたりと、毎日を楽しんでいる。
種村さんの朝は、通勤ラッシュから解放され、好きな音楽を聴きながら子どもと短時間のドライブを楽しむ大切な時間になっている。
「昔は田舎なのがすごく嫌でしたが、離れてみたことで地元の良さが分かってきました。広い土地で子どもがのびのびと遊べますし、川もすごく澄んでいて、空も広い。都会に出なかったら、たぶん当たり前で何とも思わなかったことに気づけて、感動している自分にびっくりしています。移動手段が車になったことで、家族の行動範囲がぐんと広がりました。夫の両親が暮らす静岡を含め、もっともっと子どもの経験になって思い出にも残るようなところに行きたいと考えています」

川の景色

園の行事で夫にも“パパ友”

子育てについても、高校時代から仲の良かった友人が故郷にたくさん残っているので、いろいろ相談に乗ってもらえるという。
「転園した保育園に子どもの同級生が6人しかいなくて、はじめは刺激が少ないんじゃないかと心配でした。でも、人数が少ないおかげで私自身がみんなの名前や個性を覚えられて、運動会とかすごく楽しめるんです。子どももお友達や先生に虫や木の実の種類を教えてもらったり、広い場所でサッカーやドッジボールをやったりして、すごくたくましくなったように感じます」と笑顔を見せる。
草むしりやプールの組み立て・解体など、親の関わる行事が多いことには驚いたが、力仕事は夫に行ってもらうことで、夫にも“パパ友”ができた。廃品回収やお祭りなど、小学校や中学校と合同で行う行事もあり、学校の雰囲気などを聞ける良い機会にもなっている。

子どもと遊ぶ種村さん

地元と都会を「つなぐ何か」を見つけたい

「横浜のマンションでは、生活音1つでも周囲に気を遣いましたが、そういう心配がいらない分、本当に子育てしやすいところだなと思っています。広い庭で、思う存分プール遊びや雪遊びができますよ」
中津川では庭でバーベキューをする家庭が多く、種村さん一家も周りに気兼ねすることなく楽しむことができている。コロナ禍が落ち着いたら、横浜のママ友を自宅バーベキューに招待したいと考えている。また、近所や職場で野菜をもらうことが多く、料理のレパートリーも増えたそうだ。
「横浜でできた友達は、生まれも育ちも横浜という人が多かったので、地方は不便もあるけど良いところもたくさんあるんだよ、ということを友達にも知ってほしい。自分が再発見した『田舎の良さ』を、もっと都会の人に伝えていきたいです。畑で野菜を育てることにも挑戦してみたいですね。ここでしかできないけど、都会ともつながることのできる、そんな何かを見つけたいなと思っています」

種村さんの子ども

(2023年1月14日取材)

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