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事例 自治体

全国初!県庁内に地方創生テレワークのモデルオフィスを開設。「転職なき移住」の実現を

山口県は全国で初めて県本庁舎内に地方創生テレワークのモデルオフィスを開設し、市町や関係団体、民間事業者と連携しながら、県内全域において「転職なき移住」を実現すること目指しています。今回は本取り組みについて伺いました。

吉山 功一さん

山口県
総合企画部 政策企画課 政策班 主査

地域

山口県

地方創生テレワークのきっかけ

地方移住の課題である転職をテレワークによって解決し「転職なき移住」の実現を目指す!

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、私たちの暮らしや仕事のスタイルが変化を余儀なくされる中で、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が普及してきています。また、過密リスクの回避という新たな考え方も浸透し、2021年6月に内閣府がまとめた調査結果によると、東京圏の20代の4割以上が地方移住への関心を示しています。

地方移住の最大の課題は「転職」ですが、県ではこうした変化を絶好の機会ととらえ、テレワークで都会での仕事を続けながら地方での豊かな生活を楽しむ「転職なき移住」の実現を目指すこととしました。また、都市部の働き手の声を取材する中で、「子育ては故郷で行いたい」、「定年前には故郷に戻りたい」、「テレワーク移住のため、自宅と別のリモートワーク環境が必要だ」という声を聞きました。こうした声を受けとめ、「地方創生テレワーク」のモデルオフィスを全国で初めて県庁内に設置しました。

地方創生テレワークのモデルオフィスであるYY! SQUAREは山口県庁本館棟1階に

取組内容

関連施設と連携しながら都市部へのプロモーション活動を行い、県全体へ人の流れを呼び込む!

山口県では、都市部のテレワーカーを積極的に受け入れる先導的・中核的施設として、2021年7月27日に、「地方創生テレワーク」のモデルオフィス「やまぐち創生テレワークオフィス YY!SQUARE(ワイワイ!スクエア)」を県庁(1階県民ホール内)に設置しました。この施設を核として、県内類似施設とも連携しながら、都市部での新しい働き方の普及や地方移住への関心の高まりを、本県への新たな人の流れの創出と拡大につなげていくこととしています。

このモデルオフィスは、県外に勤務されている方には計画的に安心して利用してもらえるよう、2ヶ月前からWEBで制限なく予約できるようにしました。例えば、仕切りのある半個室のデスクを半年間連続して予約することも可能です。また、県庁内の施設という利点を活かして、オフィスにコンシェルジュを2名配置し、利用者からの移住や企業進出等の相談に即時対応できる体制を整えました。また、県内に勤務されている方には、遠距離通勤による出社を減らしたり、出張の合間の時間を有効に活用するなど、「働き方の新しいスタイル」を実践する場として気軽に利用していただきたいと考えています。

明治維新の史跡や豊かな自然環境に囲まれている

本県は中核都市が点在する分散型都市構造であり、県内各地域で「転職なき移住」が実現できるよう、モデルオフィスを中心に市町や民間が運営するテレワーク関連施設のネットワークを構築・拡大しながら取り組みを全県に広げています。8月には山口宇部空港にコワーキングスペースとしても活用可能なワーケーションの総合案内拠点を新設するとともに、テレワークやワーケーションが行える県内施設を検索できる「山口県テレワーク・ワーケーション総合案内サイト」を構築し、都市部の企業や働き手へのプロモーション活動を行っています。関連施設の運営者からは、県・市町や民間事業者で一体的に行う情報発信は個々で行うよりも効果的であるとの声をいただきました。県内のテレワーク関連施設を一覧で見られるサイトも少ないので、利用者の実用性が高いサービスであると考えています。また、連携施設が相互にPRリーフレットを配置するなど、利用者の周遊性も高めています。

多くの方が場所をイメージしやすい県庁にモデルオフィスを設置することで、先導的・中核的な役割を効果的にPRすることが可能となり、県内の各市町、関係団体、関連施設等との連携がスムーズに進むなど、県全体で「地方創生テレワーク」を推進し、新たな人の流れを呼び込むという気運が高まっていると感じています。

取り組みの結果

2021年7月に新設したモデルオフィスの利用者は、設置した40席に対して1日平均約20名、そのうち1/4の約5名が県外勤務者となっています。利用されたテレワーク移住者や2地域居住者等からは、「重要なWEB会議に参加可能となり滞在期間が延びた」、「帰省中にリモート勤務が可能となり、実家の両親と子が触れ合う時間が増えた」、「自宅との併用で仕事の能率が高まった」という声をいただきました。また、「県庁にこんな場所があると県が本気で移住を歓迎している感じがする」という声もあり、実際にテレワーク移住の相談に来られた方もいらっしゃいました。

「YY!SQUARE」が「働き方の新しいスタイル」を実現する場所になれば、と語る吉山功一さん

今後の展開

本県に所縁のある企業・団体へのアプローチが効果的であると考えられるため、まずは、都市部の県進出企業や同窓会組織等へのPRを強化していきます。都市部の人材と県内の経営者・キーマン等のマッチングが実現すれば、本県でのビジネスの可能性も見出せると考えています。さらに、航空会社とタイアップしたモニターツアーの実施など、ワーケーションの推進と一体的なPRも行う予定です。今後は、「地方創生テレワーク」の環境を更に充実させ、山口県からのリモートワークによって、都市部の方々が充実した地方ライフを実現できる機会を創っていきたいと考えています。

(取材日:2021年10月8日)

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