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事例 働き手

海外に向いていた視点が地域に。自分らしい地域との関わり方を見つける

青年海外協力隊としてスリランカでの活動経験がある舛井優子さん。2年前に長野県伊那市に移住したことで地域の様々な取り組みに目が向くようになりました。東京の会社でテレワーク勤務をしながら、地域の人とどのように関わっているのかなどを伺いました。

舛井 優子さん

フソウホールディングス株式会社
グループ経営企画部

地域

長野県伊那市

地方創生テレワークのきっかけ

長野への移住を考えている中で、出会った会社のテレワーカー第一号に! 

前職の時に長野県安曇野市に住んでいたことがあり、長野は自然豊かな環境で住み心地が良く、いつか長野に住みたいと思っていました。夫に、「そろそろ東京での暮らしをやめて、長野に行きたいと思っている」と伝えたところ、ご縁があって夫が長野県の会社へ転職することが決まり、転職先近くの伊那市への移住が決まりました。

私も伊那市に来る前に前職の先輩から現在の会社の方を紹介していただき、長野への移住や、今後は時間と場所に縛られずに働きたいこと、副業や自分で仕事をつくることなど、やりたいことやチャレンジしたいことを率直に話しました。東京に本社を置く70年の歴史がある会社でしたが、ちょうど変革のタイミングということもあって、社内第一号のテレワーカーとして入社することになりました。そこからテレワークで仕事をしながら伊那での地域活動にも目が向くようになりました。

伊那市駅前商店街の雑貨屋ワイルドツリーさんと知り合ったのがきっかけで地域の人との交流が増えた

取組内容

社会情勢から仕事のエリアがスリランカから伊那市に!住民目線で地域と向き合う

新卒で青年海外協力隊となり、計4年間スリランカに滞在しました。現在の会社もスリランカへの事業展開を考えているということで紹介していただきました。ただ、入社直前にスリランカでテロが起きて、現地への派遣が難しい状況となりました。入社する前に「会社の新規事業として既存の水の事業に縛られず、自由な発想で取り組んでほしい」という言葉もいただいていたこともあって、このような状況になった時も「せっかく伊那にいるし、地域で何かやりたいことを考えてみたら」と提案していただきました。

そうなると自宅で仕事をしていても誰にも出会えないので、まちに出るようにしました。ただ、はじめはどこに行っても初対面で「私はこういう者です」と話すことにエネルギーがいり、ストレスも感じました。そのため、数回通って顔見知りになってから話しかけてみるなど、焦らずに自分のペースで進めるようにしたら、結果的に地域の人とつながる機会が増えました。また、市の商工観光課の方にテレワークができる場所を問い合わせしたら、商店街にあるコワーキングスペースを紹介していただき、そこから商店街の方とご縁が生まれました。月に一度開催している「ローカルベンチャーミーティング」という集まりに呼んでいただき、職種も年齢も様々な方と出会う機会がありました。そのつながりから今は商店街のイベントのお手伝いや、朝マルシェの運営、公園の整備活動などに参加しています。

花の丘公園から望む伊那の街並みと中央アルプス

仕事に関しては、はじめは私だけがテレワークだったので、メールや電話で社内コミュニケーションを取っていましたが、コロナ禍ではweb会議が当たり前になったことでコミュニケーションが取りやすくなりました。また、上司やチームメンバーが忙しいだろうと報告書を簡潔に書いていましたが、それでは相手に何も伝わっていないと思い、今は自分の行動の意図や思い、困っていることなども記載するようにして伝え方を変えました。

さらに地域と関わる中で「どんな困りごとがあるのか?」を住民目線で感じたことや、地域の人からアドバイスや教えてもらったことも会社に共有しています。ただ、強引に会社の事業と結びつけるのではなく、まずは地域の人たちとの関係構築を大事に、提案できることを考えています。会社としてもお客様、社員、地域の方の幸せのためにという理念があり、私のこうしたいという想いと、会社のこうありたいという理念が合っている状態で今は地域と関わることができています。

取り組みの結果

生まれ故郷である広島にいた時も、安曇野に住んでいた時も、地域のために何かをするという視点は持っていませんでした。自分の顔や身分を明かさず、隣の人のことも知らずに普通に暮らせます。それは楽なことなのですが、一歩踏み出してみると顔と顔が見えるつながりを感じることができましたし、そのつながりから新しいことにチャレンジすることができました。伊那に来てから出会った人たちは大事にしていることが明確な人が多いので、自分も何を大事にしたいかを考える時間を持つようになって、今は楽しみながら地域の中で活動を広げていけたらと思っています。

東京からのIターン、伊那市で暮らすことの良さを優しく語ってくれる舛井優子さん

今後の展開

以前はスリランカに行きたい気持ちばかりでしたが、伊那の暮らしは居心地が良く、ここでの人との関わりも大切にしたいと思うようになりました。そのような変化から、自分の日常とスリランカの日常をつなげることがしたいと考えています。以前、スリランカの紅茶を商店街のクリスマスイベントで地域の人たちに振る舞いました。コロナ禍で物理的にも精神的にも海外と距離ができて遠くの世界のように感じますが、紅茶を通じて地域の人に向こうの日常を感じてもらえたらと思いますし、会社も応援してくれているので、会社の事業にも少しずつ貢献していきたいです。

(取材日:2021年12月17日)

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