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事例自治体

首都圏企業、大学、行政、地域をつなぐコミュニティづくりで選ばれる地方都市へ

長岡市/佐野 裕文さん
株式会社USEN-NEXT HOLDINGS/住谷 猛さん

新潟県長岡市は2021年から企業誘致の新しい取り組みとして、長岡に暮らしながら首都圏本社の仕事を完全テレワークで行う「NAGAOKA WORKER(ナガオカワーカー)」の取り組みをはじめました。その経緯や意気込みなどを伺いました。

佐野 裕文さん

長岡市商工部
産業立地課 雇用促進担当 主事

地域

新潟県長岡市

住谷 猛さん

株式会社USEN-NEXT HOLDINGS 執行役員
コーポレート統括部長

地域

新潟県長岡市

地方創生テレワークのきっかけ

首都圏企業の誘致と学生の地元定着という課題を官民連携の新しいワークモデルで解決する

佐野さん:2020年から地方分散の受け皿をつくるために、製造業や流通業等の企業誘致だけでなく、首都圏IT企業等のサテライトオフィス誘致を始めました。ただ、具体的に首都圏のどのような企業に、どのようにアプローチするかの情報が少なかったため、新潟県出身の企業誘致アドバイザーの方と連携して、企業誘致を推進しました。その中でUSEN-NEXT HOLDINGS社とのご縁をいただきました。

長岡市は東京から新幹線で約90分という立地に、4大学1高専、15の専門学校がある学園都市で、人口27万人の市に約1万人の学生がいるのですが、学生の多くが市外に就職して、なかなか地元に定着しないという課題を抱えていました。そこで長岡に暮らしながら首都圏の企業の仕事を完全テレワークで行うことができるワークモデルをつくろうと、USEN-NEXT HOLDINGS社と「NAGAOKA WORKER」という取り組みが始まりました。

市役所と5000人収容のアリーナが一体となった全国初の複合型施設である隈研吾氏設計「アオーレ長岡」

取組内容

生活環境とイノベーション拠点の整備を図り持続可能な未来をデザインする地方都市へ

住谷さん:私たちは約4年前からテレワークを始めていましたが、さらに多様なワークスタイルで働くことができる環境を実現したいと考えていました。その中で地域特性をよく知っている企業誘致アドバイザーから長岡市のサテライトオフィス進出のお話をいただきました。市から学生の就職後の地元定着の課題をお聞きした時、ただ補助金などで働く場所をつくっても、そこで活躍する人材が集まらないと持続的な取り組みにならないと思いました。そこで長岡で専門性を高めた学生が長岡で働けるようなワークモデルをつくる取り組みを一緒にやりましょうという話になりました。

佐野さん:2021年1月にUSEN-NEXT HOLDINGS社と協定を締結し、新しいワークモデルとなる「NAGAOKA WORKER」の取り組みが始まり、その後、持続的な発展のためのコミュニティ「NAGAOKA WORKER協議会」を立ち上げました。協議会は過去にサテライトオフィスへ誘致した企業を中心に声かけをして、さらに本取り組みに賛同いただいた企業から他の企業に声かけをしていただき、現在16社が正会員となっています。ここに地元の商工会議所なども入って推進会議を実施しています。

最先端の店舗DXが体験できるショールーム併設型オフィス兼コワーキングスペース 「USEN SQUARE NAGAOKA」

住谷さん:現在、すでに入社済みの「NAGAOKA WORKER」が1名、また4月には6名の「NAGAOKA WORKER」の入社を迎えます。その内3名は東京の大学からのUターンなのですが、彼らや長岡の人たちと接していると郷土愛の強さを感じます。だからこそ、長岡にいながら首都圏の本社と同じ仕事を同じ待遇でテレワークできるような就業機会をつくることに価値があります。この取り組みが始まってから、私たちは「USEN SQUARE NAGAOKA」という拠点をつくりました。そこで新卒や中途採用などの雇用創出、「NAGAOKA WORKER」に賛同いただく仲間を増やし、長岡市の活性化や地域企業のDX推進などを進めています。

磯田達伸長岡市長より
長岡市はこれまで福祉・健康・医療・教育分野に力を入れてきました。「NAGAOKA WORKER」のようなテレワークで働くモデルを実現するためには、こうしたベーシックな生活環境を整えて、その上で首都圏の企業が長岡で働くための理由をつくることが重要であると考えています。長岡市は留学生が多い国立の長岡技術科学大学や「デザイン思考」を全学生が学んでいる市立の長岡造形大学を中心とした4大学1高専に多くの優秀な人材がいて、さらに各校の研究機関とつながることもできます。そこに首都圏の企業の方々や地元の企業も入って、オープンなイノベーション拠点となるコミュニティへ発展させることで、持続可能な未来をデザインする地方都市を目指しています。

「地域の未来のために人材を育てていく」と長岡のイノベーション戦略について語る磯田市長

取り組みの結果

住谷さん:昨年末からエンジニアの中途採用を「NAGAOKA WORKER」で募集したところ、想定以上の応募がありました。その半数以上が長岡市や新潟県に縁もゆかりもない方で、この取り組みは地方で暮らしながらテレワークしたい方のニーズとも合っていると感じました。
佐野さん:「NAGAOKA WORKER」の取り組みに賛同いただいた企業を中心に、まち全体を活性化していく基盤が整ったのではないかと思います。実際に雇用が創出され、企業間のつながりや行政とも近い距離感で顔を合わせられる関係性が構築できたと思います。

豊かな自然に恵まれた長岡で働くことの魅力を語る市役所の佐野さんと(株)USEN-NEXT HOLDINGSの住谷さん

今後の展開

佐野さん:2023年度オープン予定の産官学連携拠点の「米百俵プレイス ミライエ長岡」を中心に、オープンなコミュニティを形成していきます。「NAGAOKA WORKER」がブランドになって、地元の学生やUターンしたい若者が「長岡にいれば何かできる」と思えるまちにしたいと思います。
住谷さん:今後は「NAGAOKA WORKER」内の企業に転職するなど、このコミュニティをより持続性のある循環型の取り組みにしていきます。さらに、産官学連携で長岡市の「まちのDX化」を推進し、より長岡で働くことの魅力や理由を発信していきたいと思います。

(取材日:2022年1月20日)

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