本文へジャンプ
Notice (8): Undefined index: element_jirei_topimgsp [APP/Template/Site/jirei_content.ctp, line 670]" style="width:100%;">

事例 自治体

類型企業等の地方創生テレワークを促す取組を行う団体等(自治体)

特徴を持ったコワーキングスペースの整備で 企業誘致の加速や若者の流出抑制を

北九州市では若者の転出の抑制に向けて、2014年から本格的にIT企業誘致に力を入れています。市内オフィスビルの老朽化や企業側のニーズ等に対応するため、「地方創生テレワーク交付金」(※2020年当時)を利用して、特徴を持った2つのコワーキング等のスペースを整備しました。

春本武士さん 

北九州市
産業経済局
企業立地支援部
企業立地支援課
IT産業誘致係長

地域

福岡県北九州市

池田征司さん 

北九州市
産業経済局
地域経済振興部
次世代産業推進課
研究開発・人材支援
担当係長

地域

福岡県北九州市

地方創生テレワークのきっかけ

就職を契機とした若者の転出超過の抑制を目指して

春本さん:北九州市では、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本方針に、女性と若者の定着により社会動態をプラスにすることを掲げ、その取組の1つとして2014年から本格的にIT企業誘致に力を入れています。市内には10の大学があるため、15歳〜19歳の年齢層は、転入超過にありますが、20歳代は、就職を契機に市外に転出する方が多く、転出超過の状況にあります。そこで若者に魅力的な働く場を創出するため、IT企業の誘致等を強化してきました。その結果、これまで、誘致企業は延べ100社以上、約3,000人の新規雇用を生み出しました。

市は、市内理工系の大学を卒業する学生が年間3,000人以上いることから、さらなるIT企業誘致に取り組んでいます。そのような背景に加えて、北九州市内のオフィスビルの老朽化という課題や、まずは比較的小さなスペースを借りて進出したい、という企業のニーズを満たすため、コワーキングスペースの整備を行いました。また、ソフト面での施策としては「おためしサテライトオフィス」事業を2020年から実施しています。

「おやこわーく」はお隣のキッズスペースでお子様を安全にお預かりします

取組内容

女性活躍とDX推進の観点で。特徴を持ったコワーキングスペースを整備

託児機能付きのコワーキングスペースを整備

春本さん:企業に選ばれる特徴的な価値を持ったコワーキングスペースを提供するため、企業側のニーズと市の注力している「女性活躍」と「DX推進」の観点から2つのコワーキングスペースを整備しました。1つは、託児施設併設のコワーキングスペース&ワークスペース「おやこわーく」。保育所へ預けられないケースや、社会復帰したいが子供を見守りながら働きたいケースなどを想定して、ワークスペースの隣に託児スペースを設け、食事やおむつ交換などは親自身が行う施設となっています。入居しているビルの同フロアにある「ウーマンワークカフェ北九州」では、国と県と市が連携し、求職相談や企業紹介などきめ細かい就職支援を行っています。同ビルには起業支援を行う施設もあるので、利用者の利便性の向上につながっています。また、コワーキングスペース奥には首都圏企業のコンタクトセンター部門が入り、10名の雇用を生み出しています。

5G環境を導入したコワーキングスペースを整備

池田さん:もう1つは、民間運営としては全国初となる5G環境が整備されたコワーキングスペース「DISCOVERY coworking」です。5G環境を導入することにより、北九州市への進出を考える首都圏企業、自前では高額の環境整備が難しい市内中小企業双方にとってメリットが生まれます。2022年2月のオープン以来、オフィススペースには当初の想定を上回る市内企業の入居が決まるなど、好調なスタートを切っています。

ソフト面の施策「おためしサテライトオフィス推進事業」

春本さん:2020年10月からソフト面の施策として始めた「おためしサテライトオフィス推進事業」は、1社につき3人まで交通費と宿泊費やコワーキングスペース利用料(上限あり)を最大30日間分補助する制度です。まずは北九州市に来てもらい、まちの雰囲気や人、企業に触れていただきたいと考え、開始に至りました。市のホームページでの紹介や企業訪問時にチラシを持参するなどでPR活動を行っていますが、飛行機内の冊子に掲載した広告や、既に北九州市に拠点を構えた企業からのご紹介などの口コミ効果により、これまでに延べ183社の利用があり、うち47社の進出につながりました。

「おためしサテライトオフィス推進事業」を利用してお越しいただいた企業の進出を支援するために、各担当が連携して、事前に企業側のニーズを確認し、ニーズに合った市内の様々な企業等とマッチングを行い、行政も入って3者で意見交換を行っています。

また、主に人材獲得を進出の目的とされている企業が多いため、企業と一緒に市内の学校を周ったり、即戦力人材とのマッチングを行うなどの伴走型の採用支援も行っています。さらに、即戦力となるIT人材を獲得するためIT企業が求めるレベルまでスキルを上げる学び直しのプログラムを行っています。採用したい市内IT企業、行政、教育機関がコンソーシアムを組んでプログラムを作成、提供し全国から集まった受講生が市内IT企業に採用されるまでをサポートしています。2022年度に新しく始めたこのプログラムは20人の募集に対し60人を超える応募があり、大きな反響がありました。

こどものそばで働く“という新しいワークスタイル

小倉駅構内に5G完備の「DISCOVERY coworking」

取り組みの結果

「おためしサテライトオフィス」の初年度利用企業の1/3以上が進出を決定

春本さん:「おやこわーく」は、首都圏企業のコンタクトセンター部門の進出により10人の新たな雇用が生まれました。コワーキングスペースの方はこれから利用を促進していきます。「おためしサテライトオフィス推進事業」は、初年度に39社が利用したなかで現在までに15社、21年度、22年度に利用した企業も含めると合計47社が進出しています。

池田さん:5Gコワーキングスペースのほとんどが早々に埋まったことは1つの成果です。「DISCOVERY coworking」では、定期的に首都圏企業と市内企業のマッチングセミナー、イベントを開催していますが、毎回20人ほどにご参加いただいており、地方進出に対する企業の関心の高さを実感しています。

今後の展開

経済活性化 若手人材流出抑制に向けて

池田さん:「DISCOVERY coworking」は、先端的な5G環境を利用できることもあって、デジタル分野での新製品・新サービス開発に意欲のある企業が多数入居しています。このコワーキングスペースの魅力を全国に情報発信することにより、市外企業の誘致につなげていきたいと考えています。

春本さん:「おやこわーく」も同じフロアにある「ウーマンワークカフェ北九州」が実施するセミナーの会場として利用するなど、利用率をさらに向上させていきます。また「おやこわーく」に進出した首都圏企業は、コンタクトセンター部門の運営だけではなく、本市で正規雇用した人材をDX推進の指南役にスキルアップさせ、地域の企業のサポートを行う取り組みをしているので、その仕組みを北九州市内に展開していきたいと思います。「おためしサテライトオフィス推進事業」は、わたしたちがターゲットとしているような企業に、よりご利用いただけるよう、プログラムの中身を充実させていく予定です。

(取材日:2022年11月29日)

当サイトを使用することにより、クッキーの設定および使用に同意したことになります。 詳細については、プライバシーポリシーを参照してください。

ページトップへ