本文へジャンプ

地方でのテレワーク勤務を推進する際のマネジメント手法のポイント

テレワークを活用すると、従来は都市圏のオフィスで行っていた仕事を、地方に居ながら実施することも可能となります。企業としても様々なメリットのある地方でのテレワーク勤務(以降、「地方創生テレワーク」)推進について、実際に取り組む際に課題となりやすい、マネジメントやICT環境整備等の面で配慮すべきポイントを以下に整理しました。

会社としての方針の明示 ― 何のためにテレワークでの地方勤務を推奨するのか

企業が地方創生テレワークを推進するのには、様々な目的があります。地方に住む親を持つ従業員が介護と就業を両立しやすくするといった「社員の働きやすさの向上」、地方にサテライトオフィスを設けることで、その地域への出張や移住を創出する「地域の活性化への貢献」等はその一例です。

まずは経営トップが、地方創生テレワークに取り組む目的や期待する効果を社内外に対して明示することで、従業員の理解も進み、地方との連携も具体化しやすくなります。

社内においては、実際に取り組む従業員が抱きがちな「遠隔で働くことへの不安」を払しょくし、周囲の理解やサポートがスムーズに得られる環境を構築する必要があります。そのためには、先に記した方針の明示と併せ、地方創生テレワークの実施方法について、就業規則やその他社内ルール等で制度を定めます。(ご参考:厚生労働省 テレワークモデル就業規則~作成の手引き~

また、実運用にあたっては地方に行くテレワーク勤務者だけでなく、都市部に残る管理者の正しい理解が不可欠となります。地方でのテレワーク勤務を理由とした不利な評価や扱いが発生しないよう、会社として新たに取り組みを始める際は上述のメッセージ発信、制度整備に加え、必要に応じた管理者研修を行う等、社内理解の促進に努めてください。

労務管理 ― 時間管理・費用負担の公私の区別は明確に

テレワーク時においても、労働基準法をはじめとする各種の労働法は適用されます。労働者の労働時間は、始業・終業時の報告(メールやチャット等)や、スマートフォンやパソコンで使用できるクラウド上の勤怠管理ツールの活用等で「見える化」し、客観的な方法で管理することが求められます。 (ツールに関してはこちら(ツール紹介のページにリンク)) 。また、ワーケーション等で公私の予定が1日に混在する場合は、時間有休や半休等を使い、上述の方法で労働時間とプライベートな時間を明確に区別することを基本として運用しましょう(※)。

地方創生テレワークでは特に、管理者からテレワーク勤務者の姿が見えにくいため、長時間労働防止についてもより一層の配慮が必要です。時間外の連絡(メールを含む)は控える等の運用ルールを定めたり、技術的な対策(勤怠管理ツール活用や、時間外のシステムアクセスができない設定等)をとる事例も増えています。また、費用負担の面でも公私の区別を明確にしましょう。テレワーク時の費用(通信費や水道光熱費等を含む)を従業員負担とする場合は就業規則等での明記が必要です。

地方に移住して常時在宅勤務となるケースなど、テレワークの頻度が高い場合は、「在宅勤務手当」やテレワーク環境整備のための一時金のような形で会社が一定額を支払う場合もあります。費用負担に関しては労使で話し合い、双方が納得できる形で整理しましょう。

※ワーケーション時の勤務については多様な形態があります。労災の考え方等に関してはこちら(サイト内のワーケーション情報のページ、もしくは「観光庁 ワーケーション&プレジャー 労災や税務処理に関するQ&A 」もご参照ください。

業務の進捗管理 ― 生産性が担保されてこそ安心して任せられる

テレワークによって生産性を下げないためには、地方にいても都市部のオフィスと同じように働ける環境を作ることが必要です。普段の仕事をデジタル化し、オフィスにいる上司や同僚とのスムーズなコミュニケーションや情報共有が可能となるようにクラウドのツールやサービスを活用しましょう。この際に注意すべきポイントは以下の通りです。

①業務の進捗把握のためのタスク(従業員が一定時間内に完了すべき作業量)管理を重視 カレンダーや日報等を活用して、日々の仕事の予定とその達成状況を共有しながらチーム運営を行いましょう。部下の「行動」「取り組み姿勢」「業務プロセス」等が「見える化」し、信頼関係を醸成しやすいほか、万一、トラブルや業務遅延等が生じた場合もサポートしやすくなります。

②デジタル化の対象をテレワーク勤務者に限定としない クラウド上のカレンダーへの予定登録、チャット等のコミュニケーションツールへの常時ログイン、情報保管場所のルール化、ワークフローの電子化等といったデジタル化は、テレワーク勤務者に限らずオフィス出社者も同様に推し進めることで形骸化を防止し、導入メリットが最大化されます。

③仕事を割り当てる際のジョブアサインメントの工夫 拠点オフィスと距離がある地方でのテレワーク勤務だからといって、安易にチームから切り離した業務を割り当てることは、テレワーク勤務者のモチベーション低下につながります。デジタル化や業務フローの見直し等を行い、従来業務を続けられるよう検討しましょう。それでもなお物理的な対応(押印等)を要する業務はオフィス出社者が担う代わりに、テレワーク勤務者側もオンライン対応可能な分野をより多く受け持つような配慮があると、非効率や不公平感が生じにくくなります。

人事評価 ― 行動・成果を「見える化」し、不公平感を払拭

テレワーク導入を機に評価制度の変更を検討されるケースは少なくありません。ただ、働く場所が変わっただけで業務内容や目標がこれまでと同じ場合、テレワーク勤務者とオフィス出社者の評価基準に差をつけることは不公平感につながります。

テレワークだと目の前にいない部下が「サボらないか」心配という管理者の声がよく聞かれますが、実は部下もそのように疑われることを心配しており、目に見える成果を出そうとつい長時間労働をしてしまったり、心理的安全性が損なわれたりするケースもあります。そうならないためにも、上述の方法でしっかりと部下の仕事や様子を「見える化」したうえで、オフィス出社者と同様の基準で評価できる体制を作っていきましょう。

なお、ITツールを活用すると、離れた場所で働くテレワーク勤務者の「パソコン動作」や「在席状態」を記録することも可能です。これらのツールの活用にあたっては、従業員の監視を意図したものではなく、テレワーク勤務者の長時間労働防止や勤務状況の適正な把握、テレワーク勤務者自身の仕事の「見せる化」にもつながる点をしっかり伝えるようにしましょう。

コミュニケーション ― 直接会えないからこそ意識的に

特に地方でのテレワーク勤務が長期に渡る場合、コミュニケーション機会を適切に設けないと、テレワーク勤務者が孤独感を感じたり、その他問題を抱えていることに管理者が気づけなかったりする場合があります。管理者は部下の心理的安全性を確保し、積極的に自分の気持ちや状態を「発信」できるような配慮が必要です。

管理者との定期的な1on1ミーティング等のほか、チームマネジメントを円滑にする日常的なオンラインコミュニケーションの取組例としては以下があります。
▶定期的にチームメンバーと顔を見て話をする機会を設ける(Web会議での週礼等)
▶ITツールを使って、全員がオンラインで集まれる「場」を用意する(勤務中は常時その「場」にログイン)
▶質問や確認をチャットで気軽に行う習慣づけをする(オンラインコミュニケーションが活性化)
▶チャットやメール等の文字だけでなく、声での会話も活用
▶ちょっとした「雑談」ができる場をつくる(Web会議の前後や週礼等の時間活用、雑談用チャットグループの運用 等)

情報のセキュリティ ― 端末紛失リスクへの備え

テレワーク時は多様な業務情報を社外のPC端末やインターネットを介して扱うため、セキュリティ対策が施された拠点オフィスと異なり、通信内容の搾取やのぞき見、PC端末の紛失・盗難その他の「脅威」にさらされやすくなります。例えばワーケーション等では、端末を所持しての移動も多いことから、通常の出張時と同様に端末管理に留意するよう注意喚起をするとともに、万一の端末紛失時も情報漏洩を防ぐよう技術面でも対策を講じます。このように、テレワーク時の情報セキュリティについては、「運用」「技術」両面からの対策が必要です。

テレワークの推進にあたっては、どこで、どんな機器で、何の情報を扱うのか、どのようなリスクがあるかを想定し、テレワーク時の働き方や情報の取り扱い方についてルール化します。そのうえで、定期的に研修や指導を行い、ルールを順守した運用を徹底するよう、テレワーク勤務者の情報リテラシーとモラルの向上に努めてください。
※テレワークにおけるセキュリティ確保に関する総務省のホームページもご確認下さい。

出典:IPA情報処理推進機構 https://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2021.html

CONTENTS

当サイトを使用することにより、クッキーの設定および使用に同意したことになります。 詳細については、プライバシーポリシーを参照してください。

ページトップへ