お試し編
地方へ移住するには、まず“お試し”することから始めましょう。あわてて移住したはいいが、結果的にはその地域に馴染まないこともあるからです。
地域見学のススメ
自分らしい移住のスタイルや、移住したいと思える地域は見つかりましたか?利便性を活かした地方都市や、豊かな自然に囲まれた中山間地など、各地域それぞれ魅力がありますが、本当に自分が思い描いた地方暮らしができるかどうかは、実際に現地で生活体験してみなければわからないものです。本格的に移住する前に、できるだけ移住希望地域へ通い、できれば季節ごとに自分の目で、その土地での暮らし方を確認しましょう。満足できる移住のためには、その土地での暮らしぶりを自分自身で体感することが大切です。
地方移住・交流のポータルサイト「ニッポン移住・交流ナビ」(JOIN)ふるさと回帰支援センター
地方暮らし体験ツアーとは
移住希望先の様子を知りたいときや、移住候補地を絞り込みたいときに利用したいのが、「地方暮らし体験ツアー」です。最近では、全国各地の自治体などが企画した1泊2日~2泊3日程度の短期間で地方暮らしを体験できるツアーも数多くあり、手軽に地域を知ることができる方法として知られるようになってきました。
民間の旅行会社が主催する通常のツアーよりも、農作業体験や伝統食体験といった、その土地ならではの体験企画が多く含まれている点が特長です。また、地域住民や先輩移住者と交流できる機会が組み込まれていることも、移住希望者には嬉しいところです。比較的リーズナブルな料金で参加でき、しかも「暮らす」という観点で効率よく地域を巡ることができる「地方暮らし体験ツアー」を、ぜひ利用してみましょう。
働きながら地域の暮らしを体験できる「ふるさとワーホリ」農山漁村滞在型旅行「農泊」
ポータルサイト
長期滞在ならお試し体験住宅
「体験ツアーに参加したけれど、もっと長期間この地域での暮らしを経験してみたい」「体験ツアーではなく自分の好きなように地域を巡り、土地の暮らしぶりを体感したい」。そんなときには、各地域で移住希望者向けに用意されている「お試し体験住宅」を利用してみましょう。「お試し体験住宅」とは、その土地の暮らしぶりを体験するために用意された住宅です。主に自治体が主体となって運営しており、全般的に手頃な料金で利用することができます。物件にもよりますが事前の申し込みにより、1泊から年単位までとフレキシブルな利用が可能です。一般的な一戸建てや公営住宅を利用したもの、土地の文化を伝える古民家など、物件のスタイルもさまざまで、居住地が決定し本格的な住まい探しをする際にも利用することができます。自分の移住希望地にお試し体験住宅の制度があるかどうかは、自治体のWEBサイトで確認してみましょう。
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住む編
地方に移住しようと決めたら、次は住宅探し。各自治体が主体となっている「空き家バンク」を活用すると比較的スムーズに住宅が見つかります。
地方で住宅を探すには
移住地域が決定したら住居を探しましょう。移住先でどのような暮らしがしたいのかにより、一軒家か集合住宅か、賃貸か購入か、住まいのスタイルも変わってきます。地方都市部では住居の選択肢が比較的ありますが、町村などでは民間の不動産業者が存在しない地域もあり、住まいの情報収集にも時間がかかることがあります。民間の住まい情報が乏しい自治体によっては、独自に空き家情報を紹介する「空き家バンク」を立ち上げて、地域内の空き家を移住者向けの住居として提供している例も増えています。住まい情報が少ない地域への移住を検討する場合は、「空き家バンク」も含めて自治体に情報がないか、まずは問い合わせてみるとよいでしょう。
「空き家バンク」を活用しよう
「空き家」の基礎知識
近年、増加傾向で全国的な社会問題となっているのが空き家です。空き家といっても、「完全に人が住んでおらず管理もされていない状態のもの」「普段は人がいないが仏壇があるため、お盆や正月など決まった時期のみ人が集まる(住む)もの」など、形態はさまざま。定期的に人の手が入る空き家であれば家屋も良好な状態で維持されますが、放置されたままの空き家の場合は、外壁が傷んで美観を損ねる、雑草が生い茂り衛生状態が悪化する、不審者侵入の要因になる、など近隣の心配事になることもあります。そのような空き家を有効活用するため、自治体が主体となって持ち主と移住希望者とのマッチングを図り、移住者支援として空き家を提供する動きが各地で盛んになっています。
「空き家バンク」を上手に活用
上記のような空き家活用のシステムが空き家バンクです。自治体のWEBサイトなどに空き家情報を掲載し、持ち主と移住希望者(借り主・買い主)をつないでいます。持ち主も移住希望者も、スムーズに空き家バンクを利用するためには、事前に利用者登録が必要な場合もあります。後々のトラブル回避のため、契約時には第三者機関である宅建協会や不動産業者などの専門家が仲立ちするケースもあります。また長期間、空き家になっていた住居は予想以上に傷んでいる場合があります。とくに水周り等の状態はわかりにくいので、空き家バンクの物件も必ず自分の目で確認することが大切です。
全国の空き家・空き地情報「空き家・空き地バンク」
働く編
移住するにあたっては、その地域で仕事を得ることも重要なことです。就職や就農にはさまざまなフェアがあり、積極的に参加するのもいいでしょう。
仕事ってどう探すの?
地方の求人情報を集める場合には、ハローワークのインターネットサービスを利用するのが最も手軽な方法です。また、「移住・交流情報ガーデン」では就農も含めた仕事の相談も受け付けています。また、「ふるさと回帰支援センター」では、移住相談と就職相談をワンストップで対応している地域がたくさんあるほか、同センター内の「ハローワーク飯田橋 東京交通会館分室」では、全国の求人情報の提供や就職相談を行っているので、インターネット上の情報だけではなく相談員ともやりとりをしたいならば、そちらを活用するのもよいでしょう。
移住したい地域が決まっている場合には、その自治体が首都圏に開設している就職支援相談窓口を利用するのも方法です。自治体の東京事務所に設置していたり、外部に設置された移住相談窓口が兼任していることもあるので、自治体に確認しましょう。また、希望者へ求人情報を通知している自治体もあるので、どのようなサービスを行っているのか調べてみましょう。
就職フェアに参加しよう
首都圏では「UIターン就職フェア」といった、自治体が主催する各種就職支援イベントが定期的に開催されています。学生や第二新卒者が対象のものが多いですが、年齢制限のないものもあります。現地企業の採用担当者や、求人情報を紹介する自治体職員らと直接話すことができ、最新の求人情報を収集することもできます。自治体のWEBサイト等で開催を告知することが多いので、あらかじめ情報をチェックしておき、興味があるイベントがあれば積極的に参加してみましょう。
地方移住イベント情報(ふるさと回帰支援センター)新規就農するには
農業の経験がない人が就農を希望する場合には、国や自治体などが開催している短期間の農業体験に参加してみましょう。また、農業大学校や農家・農業法人で研修を受けることもできます。国や自治体では就農支援を行っていますので、自分の目指す農業のイメージができてきたら、自治体や各都道府県に設置している新規就農相談センターに積極的に問い合わせてみましょう。また、「新・農業人フェア」などの就農フェアには、新規就農者を積極的に受け入れている全国の自治体・農業法人が集まりますので、是非参加してみましょう。
農業を始めたい方向けの情報サイト「農業をはじめる.JP」
地域おこし協力隊とは
地方移住に関心のある方は、「地域おこし協力隊」制度を利用することもできます。
「地域おこし協力隊」とは、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動して概ね1年以上3年以下の期間、報酬を受けながら農林水産業の応援や地場産品の開発など、地域協力活動を行うものです。任期終了後、約6割が同じ地域に定住しており、地域活性化の大きな力となっています。
また、移住・交流推進機構(JOIN)のWEBサイトでは、全国の自治体の隊員募集情報や隊員インタビューが紹介されておりますのでご覧ください。
「地域おこし協力隊とは」
(総務省)「地域おこし協力隊情報」(移住・交流推進機構(JOIN))