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COLUMN移住に関するコラム

地方移住希望者がイメージするウェルビーイングな暮らしとは

地方移住に興味を持つ人は、どのようなきっかけがあって、どのようなライフプランを描いているのでしょうか?

内閣官房では、令和3年7月~8月に東京圏(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)在住の20歳~59歳の方を対象に、地方移住への関心や意識を尋ねる調査を実施したところ、その調査において、地方移住を意識し始めたのは将来のライフプランを考えたことがきっかけの1つであることがわかりました。

では、地方移住を考えている地方圏出身者と東京圏出身者の傾向を比べながら、調査結果を詳しく見てみましょう。

地方圏での暮らしを意識したきっかけは?

まず、地方圏での暮らしを意識したきっかけは、全体では「将来のライフプランを考えたこと」が3割近くを占め、次いで「現在の生活や仕事に疲れを感じたこと」が 2割を超えています。

地方圏での暮らしを意識したきっかけは?

出身圏別に見ても、上位2位は同じ結果です。キャリアアップ、ワークライフバランスの取り方等仕事に対する意識や考え方の変化や、就職・結婚・出産等ライフイベントによる価値観の変化などにより、現在の生活へ疑問を持ったり見直したりするなど、将来へ向けたライフプランを考える際に、地方での暮らしに意識が向くのかもしれません。

東京圏出身者では、次ぐ第3位が「旅行」という結果が得られました。旅行や出張などで実際に地域へ足を運ぶことが、地方の良さを認識する機会になっていると言えそうです。

地方圏での暮らしを検討する理由は?

地方圏での暮らしを検討する理由を聞いてみると、「豊かな自然環境がある」が全体で6割近くに上り、抜きん出ていました。

地方圏での暮らしを検討する理由は?

出身圏別では、地方圏出身者にとって、「豊かな自然環境がある」と、それに次ぐ「生まれ育った地域で暮らしたい」が主な理由であることがわかりました。

一方で、東京圏出身者は「豊かな自然環境がある」が 6割以上で圧倒的に高く、そのほかの理由としては「東京圏での生活が自分に合っていないと感じた」や「地方圏の方が収入と支出のバランスが良い」が続きます。東京圏での現在の生活や仕事に、不満や疲れ・ストレスを感じているのかもしれません。また、「地方での収入と支出のバランス」への期待が読み取れます。生活収支の面から、より暮らしやすい地域での生活を検討する傾向があるのでしょう。

あなたの考える『移住先』とは?

『移住先』としてイメージするのは、どのような地域でしょうか。

あなたの考える『移住先』とは?

地方圏出身者では「生まれた、または育った地域」をイメージする人が6割を超え群を抜いています。生まれ育った地域やその近郊に親近感や愛着があり、UターンやJターンなど、その地域の人々や文化に根ざした具体的な暮らしのイメージが湧くのかもしれません。

一方で、東京圏出身者は「これまで縁や関わりのない新たな地域」が6割を超えています。次いで「縁や関わりはあるが、住んだことのない地域」が3割程度。東京圏出身者は、心機一転、今までとは異なる新しい環境や出会いを求める傾向があるのでしょう。

移住先で期待するライフスタイルや実現したいこと

移住先に期待すること、実現したいことを聞いてみると、出身圏にかかわらず、ともに生活環境の豊かさを求めており、「食べ物や水、空気がおいしい環境で生活すること」が1位でした。

移住先で期待するライフスタイルや実現したいこと

地方圏出身者は、「食べ物や水、空気がおいしい環境で生活すること」はもちろん、慣れ親しんだ地域独自の文化や風土などが肌に合うのかもしれません。

東京圏出身者も「食べ物や水、空気がおいしい環境で生活すること」が5割近く、「暮らしてみたい街で暮らすこと」、「気候が暮らしやすいこと」、4位の「スローライフを実現すること」など、新しいライフスタイルを求めている方も多いのではないでしょうか。東京とは違う環境や時間の流れの中での生活に、憧れや期待が読み取れるようです。

地方移住で利用してみたい支援制度は?

最後に、利用してみたい地方公共団体の支援制度について聞いてみると、「引越し費用の補助」や「住宅(家賃・リフォーム等)に関する補助」がともに、6割に迫る回答がありました。

地方移住で利用してみたい支援制度は?

これは、住まいに関する不安が地方移住を考える人たちの大きなハードルとなっているからではないでしょうか。移住には、住まいに関する不安の解消が必要不可欠でしょう。

思い描くのは、ウェルビーイングな暮らし

移住を考え始めるきっかけや思い描くライフスタイルはさまざま。移住のメリット・デメリットも含め希望を実現するためには、入念な下調べやお試し移住などをして、移住候補地をよく知ることが重要でしょう。地方県出身者は、UターンやJターンなどによる生まれ育った地元とのつながりで生まれる心の安定、東京圏出身者は、今の生活や仕事への不満の解消、収支と支出の最適バランスを見出すことなど、それぞれが思い描くウェルビーイングな暮らしの実現のためには、自分に合った地方移住の形をよく考えることが大切なのかもしれません。


(2023年3月作成)



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