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COLUMN移住に関するコラム

フリーランスが地方移住するメリット・デメリット

フリーランスが地方移住するメリット・デメリット

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(フリーランス協会)で地方創生プロジェクトにも携わっている児玉真悠子さんに、フリーランスが地方移住するメリット・デメリットについてお聞きしました。

フリーランスだからこそできる働き方

「最近は、『人生を充実させるために趣味嗜好に合う暮らしをしたい』、『親の介護のため実家の近くに住みたい』、『自然豊かな環境で子育てしたい』など、仕事より生活に重点を置く人が多いと感じます。企業と雇用契約を結ぶ会社員は、転勤や出向はあるものの、自由に働く場所を選択するのは難しいですが、フリーランスは、拠点を変えても顧客をつかむことができれば、自分の得意分野を活かせる仕事を継続し、仕事の幅を広げることも可能かもしれません」と児玉さん。

フリーランス(個人事業主)は、職種も収入もさまざま。働き方も異なり、企業や団体、個人と業務委託契約準委任契約を交わす「独立系フリーランス」や、企業と雇用契約を結びながら他の企業の業務も請け負う「副業・兼業系フリーランス」などがあります。

フリーランス協会が発表した『フリーランス白書2023』において、フリーランス実態調査では、アンケート回答者全体の約6割が、クリエイター系、エンジニア系、コンサルティング系、出版メディア系の職種であると回答しています。リモートワークに関しては、コロナ禍より前と比べリモートワークでのフリーランス業務が増えたかという問いに対し、回答者の62.0%が「強く同意する」「同意する」と回答。

リモートワークの普及が働き方に変化をもたらし、「発注企業の所在地を気にしなくなった」、「ワークライフバランスをとりやすくなった」、「より多くの仕事の発注をとりやすくなった」、「スキルアップや学びの機会が増えた」という4つの設問に「強く同意する」・「同意する」とポジティブな回答をした人が約5~6割いることがわかります。また、既存のクライアントとの関係構築や仕事の負荷・ストレスの面では、リモートワークの悪影響は限定的であると分析しています。

地方との距離が近くなるフリーランス
(出典)一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2023」をもとに作成

リモートワークで都心部の仕事を地方の拠点で継続して行うだけでなく、地方に住むクライアントの依頼で出張するなど、フリーランスの働き方において、地方との関わり方はさまざまです。「クライアントが地方にいるという理由で、移住ではなく、二拠点生活や1週間~半月ごとに拠点を移動するスタイルの人もいます。私の周りの人で言えば、鍼灸師、セラピスト、美容師などの職業の人です。フリーランスは完全に移住するより、『ゆるやかな移住』として二拠点生活やワーケーションを実践されている方が多い印象です」

多くのフリーランスが抱える課題のひとつである「仕事の幅をいかに広げるか」という点においても、地方に目を向ける人が増えているようです。
「首都圏に拠点を置くクライアントだけではなく、自分が興味のある地域に通い、その土地の人と新たに関係を構築して仕事につなげられるというのは、働く場所が限定されている会社員と違って、フリーランスだからこそできる働き方だと思います。フリーランスは自分で仕事の幅をいくらでも広げられるのが面白いですね」

一方で、「地方では社外に仕事を依頼する文化が少なく、なかなか仕事に結びつかないかもしれません。でも、地域の方々の御用聞きに徹していたら、仕事が舞い込んできたという話も聞きます。ただ、都市部よりも信頼関係を築くのに時間がかかるのは覚悟しておいたほうがいいとは思います」。

まずは、その土地で暮らすイメージを

移住先を決める時は、具体的に自分がそこで暮らしていくイメージができるかが大事です。
「すぐに移住先を決めようと思わず、お気に入りの場所に長期滞在したり、あえて複数の拠点で活動したりした上で、横のつながりが濃い場所に移住を決めるのが良いかもしれません。フリーランスが移住先を決める1番のポイントは、『人』です。現地の人と仲良くなると、そこで暮らすイメージが具体的に湧いてきます。フリーランスには、『こういう暮らしをしたい』と思った時にすぐ行動できるフットワークの軽さがあるので、自分の仕事の幅を広げていく過程で、気づいたら移住していたということもありえます」

情報収集と自己ブランディングが大事

フリーランスが地方移住した後の課題として、「同業種の仲間が少ないと業界情報をアップデートできず、情報に疎くなってしまうこともあります。首都圏と比べると、地方ではフリーランスと出会う機会が少なく、仲間と情報交換がしづらいというデメリットがあります。だからこそ、フリーランス協会では、フリーランス同士のネットワークをつなげていくため、『スナック曲がり角』という交流会を開催しています。都市部から地方に移住することは、都市と地方の両方の視点を持つ利点もあります。積極的に情報収集に努めることは大切です」。

では、フリーランスが首都圏外や地方で仕事をする上で大事なことは何でしょう?「移住先では、移住経験を強みの1つと捉えて、仕事を獲得するために自分をブランディングしていくことが重要ですね」

自らの経験・スキルと、人とのつながりを生かし、仕事の幅を広げていくフリーランス。新しい土地での出会いから世界は広がっていくかも知れません。

(2024年3月作成)



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