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ミカン畑での一つ一つの作業に充実感 ミカン畑での一つ一つの作業に充実感

ミカン畑での一つ一つの作業に充実感

佐々木 隆史さん

INDEX

豪雨被災地に
復興ボランティアとして訪問

2018年7月、猛威をふるった西日本豪雨によって、愛媛県宇和島市吉田町の玉津地区のミカン畑も土砂崩れなどの大きな被害を受けた。力を合わせてその危機を乗り越えようと、若手のミカン農家約10人が集まって作ったのが「玉津柑橘倶楽部」だ。佐々木さんは「被災したミカン畑のアルバイトが足りない。やってみないか」と知人から紹介され、19年8月、復興ボランティアとして玉津地区を訪れた。

「私のような、ふらっときた独り身の男を温かく迎え入れてくれました。その雰囲気がとてもしっくり来ました」

ミカン畑は急斜面に広がっており、足場も悪い。重さ20キロほどもあるミカンが入ったコンテナは運ぶのも大変だ。厳しい作業に慣れるのは一苦労だったが、地域の人たちは被災して大変な状況になっているのにもかかわらず、食事や宿泊などを温かく世話してくれた。「とても居心地が良くて、ここでなら暮らしていけそう」と移住を決意。19年11月から農業研修生として玉津柑橘倶楽部で働いている。

未経験の農作業に戸惑いながら取り組む

農業とは全く縁のない半生だった。北海道旭川市で20歳まで過ごし、高等専門学校から長岡技術科学大学に編入。卒業後は東京で就職した。大規模プラントなどを設計する仕事で、従業員100人ほどの会社から1000人規模の大きな会社に移り、責任ある仕事も任されていた。だが、残業も多く、始発電車で帰ってシャワーを浴びるだけで、すぐ出勤することも珍しくなかった。

「東京は確かに便利で楽しく遊べる所もたくさんあります。でも、10年くらいサラリーマン生活をしたころから、若いうちは良いけれど、一生東京で生活していくのは嫌だな、と思い始めました。それに一昔前でしたら大きな会社にいれば、一生安定した暮らしができたのかもしれませんが、この先どうなるか分かりません」。そう考えるようになり、数年前から移住を検討し始めるようになった。家族がいると、子どもの教育などさまざまなことを考えなくてはいけないが、独身なのでその心配はなかった。

移住してから畑を一つ任され、農協や玉津柑橘倶楽部の人たちから教えてもらいながら作業して1年近く。「先輩たちのミカンがとてもきれいで大きいのに、私が育てたのは全くだめ。1年目は失敗でした。もっと勉強しなくてはいけない、と反省しているところです」

「農業は決まった勤務時間通りに働く、というわけにはいきません。夏の暑いときなどは早朝から畑に出ますし、晴れていたら休みの日でも草刈りや剪定(せんてい)、消毒、肥料とやることはたくさんあります。猛暑の真夏でも、寒い冬でも外で作業しなくてはいけません。とても体力が必要で、都会よりも田舎の方が楽だということはありません。でも生活リズムは格段に良くなりました」

野菜をくれるなど気遣ってくれる地域の人たち

住居は、農協や市役所が紹介してくれた。地域の人たちは独り暮らしを気遣って、食事をふるまってくれることが多いし、野菜なども持ってきてくれる。

「私は田舎暮らしに期待や憧れをいだいていたわけではありません。ただ、雑誌やテレビなどで紹介される田舎暮らしの描かれ方は両極端だと思います。穏やかな最高の暮らしができるとか、過疎でとても不便とか。そのどちらの側面もあるので、要は心の持ち方一つ。インターネットで何でも手に入りますし、私としては、不便は感じません。東京でのあわただしい日々とは違って、ゆるやかに楽しくいられる今の暮らしにとても満足しています」

PROFILE

佐々木 隆史さん

北海道出身。2019年11月に東京都から愛媛県宇和島市に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:単身
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:農業研修生

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