一目360度の山並、妻の地元で即戦力に
加藤 翔真さん
加藤 翔真さん
東京都出身。2021年4月に東京都から山形県山形市に移住。
- 移住時の年代:20代
- 家族構成:妻
- 移住スタイル:Iターン
- 職業:県庁職員
移住をきっかけに幸福度は500%アップに
「今の住まいは郊外の山裾にあって、職場まで歩いて15分くらいです。山形市だと360度、山が見えるんです。もともと山や自然が好きなので、『ほんと気持ちがいいなぁ』と日々思いながら通勤しています。道のわきに田んぼがあって、季節が進むにつれ、稲が生育していく様子がよくわかります。空気もきれいで、おいしいです。幸福度でいうと、東京が100なら、山形は500ですね」
2021年4月、山形県が即戦力確保と定住促進のために設けた「県外社会人枠」で採用され、東京都内から山形市に移住した。自分のスキルの活かせる国際関係の仕事に就き、それと同時に結婚して、11月に第1子が誕生した。
コロナでタイから帰国、妻の故郷に移住を決意
東京都昭島市の出身で、父親の仕事の関係で、中学3年から高校2年までタイの日本人学校に通っていた。タイから帰国後は都内の国立大学に進学。卒業後、都内の高校での勤務を経て、再びタイに渡り、バンコクの日本人高校で英語を教えるなどしていた。遠距離恋愛だったこともあり、結婚やその先のことを考え、コロナ禍で移動が制限される前の2020年3月に帰国した。
「特に仕事のあてがあって帰国したわけではないのですが、英語力が生かせる仕事や国際系の仕事、あとプログラミングにも興味があったので、その方面の仕事に就きたいと考えていました。ネットでいろいろ検索していると、たまたま山形県のWEBサイトで、県外社会人枠の採用があることを知ったのです。それも、国際関係の業務ということでした。妻が山形県東根市の出身で、縁のようなものも感じました。『これだ』と思い、応募しました。妻はもともと地元に帰るつもりはなく最初は戸惑っていましたが、将来の子育てを考えたときに、東京のような狭苦しいところではなくて、山形でのびのびと育てた方が、子どものためにはよいということで賛成してくれました。
僕自身、昭島に住んでいたときは家族5人で狭いアパートで暮らしていて、広い家での生活に憧れがありましたし、山が好きなので、帰国してから東京で就職して暮らすイメージが持てずにいました。地方移住に不満を感じるより、楽しみの方が大きかったですね」
2LDKの住まいは15畳のリビングで5万円弱
今の住まいは2階建てアパートの2階で、15畳のリビングが付いた2LDK。2台分の駐車場料込みで、家賃は5万円弱。スーパーとかコンビニは徒歩圏内にあるが、移住を機に購入した車を利用することが多いという。
「おかげで運動不足になりました。これは数少ないデメリットのひとつですね。あと思ったほど、蓄えが増えないですね。漠然と地方暮らしの方が安く上がると思っていたのですが、実際はそれまで必要なかった車関係の費用が生じましたし、スーパーなどでも物価がちょっとずつ高いと感じます。県の移住者向けの家賃補助が2年間24万円(月1万×24カ月)でそれを利用しているのと、市の制度もこれから利用する予定です。県と市の両方の補助制度があって、それぞれ手厚くて、ありがたく感じています」
県庁では、国際人材活躍・コンベンション誘致推進課に所属し、外国人留学生の受け入れ拡大やグローバル人材育成などの業務に携わる。
「2021年の4月からタイとの交流促進の事業が始まったので、『ちょうどいいタイミングで来たね』と職場の同僚に言われました。タイにいたときの人脈を生かして、仕事をさせてもらっています。あと県の姉妹州であるコロラド州との交流イベント開催のための交渉や自分の英語力を生かせる仕事などもあり、とてもやりがいを感じています。地方移住を考えている方には移住後に利用できる制度を、前もってよく調べておくことをお勧めしたいですね」
移住後は心にゆとり、地域の魅力を発信していきたい
「東京時代の友だちとは、今でもSNSで繋がっています。もともと自然が好きなのに加え、ドローンで映像を撮るのが趣味でした。撮った動画をインスタグラムにアップすると、『山が近いね』とか『自然がきれいだな』といったコメントが寄せられるなど、以前からの付き合いも続いています。東京ではドローンを飛ばせる場所がほとんどないですからね」
「山形に移住して、心にゆとりが増え、あまり細かいことを気にしなくなりました。フットサルが趣味でチームを作って活動しているので、将来的には、自前のフットサルコートをつくりたいです。それと、山形の自然の景色をドローンで撮って、ユーチューブやインスタグラムなどで山形の魅力を世界に発信していきたいですね」
家族とは、周りに自然がいっぱいあるので、山登りをしたり、キャンプをしたり、流れ星を見にいったり、畑を耕してその収穫を楽しんだり、一緒に自然を楽しむ暮らしをしていきたいです。恵まれた環境にいるので、子どもにも山形の自然のなかで、のびのびと育ってほしいですね」と語った。
(2021年10月28日取材)
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