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LIFE STYLE移住者の暮らし

夫の祖母の古家に移住、無農薬栽培に挑戦

金田 なつみさん

PROFILE

金田 なつみさん

埼玉県出身。2019年春に東京都狛江市から群馬県邑楽町に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:夫、子ども1人
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:農業

自然と暮らす中で人間的にも成長

「移住してからは、物事を俯瞰して、全体がよく見えるようになったと思います。気持ちも穏やかになりましたね。夫婦で畑仕事をしていて、自然を相手に野菜を作っていると、いろんな予想外のことが起きます。このあたりは風が強いので、栽培に使っているネットや支柱が倒れたりするのですが、そうしたことを自然と受け入れられるようになりました。自然とともに暮らす中で、人間的に成長できたと思います。今は仕事の合間に、昨年生まれた長男をベビーカーに乗せて、親子3人で近所の自然の中を散策している時が、一番心が休まりますね」

2019年の春に東京都狛江市から、夫の友輝さんの祖母が生前住んでいた群馬県邑楽町の家に移住した。きっかけは、結婚して、これから先の家族のかたちを考えるようになったからだ。

結婚を機に改めて暮らしを考え、移住。農業に挑戦

「結婚を機に、これから先の暮らし方や住む場所について、改めて夫と2人で考えました。夫と私は同じ埼玉県の自然豊かなところで育ったこともあり、都会での生活に息苦しさを感じていました。それで、移住サイトでいろいろと探してみたのですが、やはりそれだけの情報で移住というのはリスクが大きいと思いました。『とりあえず、祖母の家が空いているのでそこで暮らそう』くらいの気持ちで引っ越し、結果、そこでの暮らしが気に入ったので移住を決めました」
子どものころは体が弱くて、その原因がわからなかったことから、人の体と食の関わりについて勉強し、自分が健康になるための選択肢として、農薬を使わない自然栽培の野菜に行き着いた。かつて祖母が耕していた移住先の畑で農業を始めるのは自然な流れだった。
「それまで2人とも働き詰めだったので、しばらくはゆっくりして、それから仕事を探せばいいかなと思っていました。たまたま夫も食について関心があり、互いに農業に興味を持っていたので、畑を始めることにしました」
2人で農業技術を習得し、現在は自宅近くの畑で、四季を通じて40品目70種類の野菜を栽培。少量ずつ数種類の野菜をパッケージにしてインターネット販売や直売をしている。

無農薬野菜を育て、SNS発信、ネット販売

「無農薬で栽培している様子や野菜の特徴、調理方法などをSNSで発信しています。移住してからは野菜の販売を通じて知り合った方とのお付き合いが広がりました。お客様のほとんどは私たちの作る野菜のファンの方なので、相性が良いというか、考え方や価値観が近いので話が合い、互いに接していてとても気持ちが良いですね。もともと祖母が住んでいた家にいるので、近所の人もなにかと話しかけてくれたり、互いにお裾分けしたりして、交友関係については言うことはないですね」
今の住まいは2棟あり、1棟を居住用に使い、もう1棟を収穫した野菜の出荷準備などをするための作業所として使っている。最寄り駅と町役場までは歩いて10分ほどで、スーパーマーケットやドラッグストアも車ですぐの場所にあり、買い物など普段の生活に不便はないそうだ。
「移住して想定外だったのは水道光熱費の高さですね。東京で12、13万円払っていた住居費がないので、その分の出費は浮いているのですが、水道代が東京の倍近くかかるように感じています。あと、この地方特有の"上州の空っ風"は思った以上でしたね」
「群馬県のこのあたりは、大手メーカーの工場とかが多くて、求人も多いようです。私たちは、移住してから次の仕事のことを考えて農業を始めたのですが、移住先に勤め口があるかどうか、事前によく調べるといいと思います。やはり仕事のあてがないまま移住するのは不安が大きいと思いますので」

農業を通じて、地元の発展に貢献したい

移住にあたっては将来の子育てへの期待も念頭にあった。「長男には、豊かな自然の中で、のびのびと育ち、相手の気持ちが理解できる、やさしい人になってほしい」と願っているという。親子3人での邑楽町での暮らし、その先の夢について、こう話す。
「オーガニック志向が広まってはいるものの、全体としてはまだこれからだと感じています。従来の農薬を使った農業を否定するつもりはありませんが、それらと無農薬野菜とがうまくバランスを取って、地元の農業が発展していってほしいと思っています。無農薬野菜の良さを知ってもらうために、例えば音楽と食とがコラボしたイベントを開いたり、マルシェを開いたりしたいですね。子どもたちにも農業体験で土に触ってもらって、収穫の楽しさ、喜びを知ってもらいたいので、今後、そうした企画も開催していけるよう計画中です。農家だけでなく、地元の企業やいろいろな人と一緒にコラボして、この町を盛り上げていきたいと思っています」

(2022年1月13日取材)

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