就職のため地方移住、公私ともに充実
吉川 舜さん

吉川 舜さん
東京都出身。2019年4月に千葉県から石川県野々市市に移住。
- 移住時の年代:20代
- 家族構成:単身
- 移住スタイル:Iターン
- 職業:メーカー勤務
なぜ東京でなければいけないのか
「休日に車でよく通る道の途中に跨線橋(こせんきょう)があり、そこを越えるときに目の前に白山の山並みがふと目に入るのです。天気のよい日などは特に、春は青々と、秋は色とりどりに輝いていて、心に染み入ります」
2019年4月、メーカーの研究部門に勤め始めるにあたり、千葉県から石川県野々市市に移り住んだ。

「内定先が石川県だったことをきっかけに、就職にあわせて移住することには戸惑いはありませんでした。一人暮らしは大学時代に経験がありましたし、大型スーパーも徒歩3分ほどのところにあるので不便を感じません。周りの同世代の就活生が東京にこだわって就職先を探しているのを目のあたりにして、なぜ東京でなければいけないのか、と疑問に思っていたぐらいです」
住宅費は東京23区の半分程度
住まいは、2階建て木造アパートで2DK。駐車場代込みの家賃は、だいたい東京23区の相場の半分程度ですむという。近くに大型スーパーがあり、自炊用の食材を購入するのによく利用している。
「住居費は確かに安いですけれど、その他の食材とかの消費財は、東京と変わらないように感じます。車の購入費や維持費を考えると家賃の差額も埋まってくると思いますが、なによりも通勤で長時間、満員電車に乗らなくてよいのがうれしいですね。東京の郊外で車なしで暮らしているより、はるかに便利で快適です。『タピオカを食べたい』とか、『人気のカフェに行きたい』とか、トレンドを追っかけたい人にとっては、東京暮らしはよいのでしょうが、自分はそういうタイプではないので気になりません。ただ、冬場、湿気が強いのには弱りました。すぐに除湿器を買いました」

子どものころ、植物を育てるのが趣味で、2020年春から地元の友人2人とともに畑を借りて、家庭菜園を始めた。夏はナス、ピーマン、トマト、カボチャ、秋にはサツマイモ、サトイモ、冬になると大根、チンゲンサイが採れ、これらの野菜は自炊に使ったり、職場でお裾分けしたりしているという。また、石川県のみならず、近隣の富山県、福井県などにもマイカーで足を延ばし、地元のおいしいものを食べ歩きするなど、趣味を満喫している。
東京との壁を感じない地方での暮らし
大学時代に、自身の専攻に関する勉強会で、野々市市の隣の金沢市には、よく訪れており、その時に知り合った人とは、今も勉強会で定期的に会っている。金沢大学の市民向け講座に参加し、同世代の人と交流するなど、プライベートも充実している。

就職、そして移住してから、20年の秋で1年半あまり。仕事にも地元にもなじみ、周りの状況も見えるようになってきた。
「東京圏での就職しか考えていない学生さんに伝えたいのですが、地方と東京の壁を感じることもありませんし、むしろ地方暮らしの便利さ、快適さを実感し、こちらへ来てよかったと思っています。いまの環境で、自分の専門分野に今以上に精進していきたいですね」
これからの自身のビジョンについて、こう語った。

(2020年10月14日取材)
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