将来の子育ても見据え、移住を決意
武田 祥平さん

武田 祥平さん
秋田県出身。2020年4月に東京都から愛媛県松山市に移住。
- 移住時の年代:30代
- 家族構成:妻
- 移住スタイル:Iターン
- 職業:インターネット広告会社勤務
自宅近くの海辺でバーベキュー
「家から5分も歩けば海で、ランニングで海辺を走ったり、休みの日に妻と一緒にバーベキューを楽しんだりしています。せっかくなので、近いうちに釣りを始めようと思っています。勤め先まで車で約15分。東京時代は満員電車が苦手だったので、それがないだけでも、とても快適ですね」
2020年4月に、松山市に本社があるインターネット広告会社「Shift」への転職を機に、同市に移住した。

秋田県秋田市の出身。千葉の大学を卒業後、大手銀行に8年間勤務した。全国のゲストハウスを巡るのが趣味で、同じ趣味の女性と17年8月に結婚した。
「結婚が決まる前に、すでに妻は瀬戸内海の離島に移住して夢だったカフェの開業準備をしていたので、3年あまり、別々に暮らしていました。ただ、こうした暮らしはずっと続けられないと思い、元々僕も田舎が好きだったので、僕の方が仕事を辞めて、松山市に移住することにしました」
やりがいのある仕事があっての充実生活
武田さんの移住に合わせ、妻もカフェを共同の経営者に任せ、松山市に引っ越して同居を始めた。
「前職の銀行で最後に担当したのがインターネット関連の事業だったことから、その業種に興味を持ち、妻が住んでいた島に近い広島県などで仕事を探した末、今の会社と出会うことができました。移住するにあたっては、仕事先を一番重視しましたね。人生のかなりの割合の時間を仕事で費やすわけですから、自分の能力を生かせる、やりがいのある仕事でないと、移住しても充実した暮らしができないと思ったからです。幸いなことに、今も前と変わらず、やりがいを持って仕事を続けることができています」

東京時代はシェアハウスで、5畳一間の暮らしだった。いまは2階建ての一軒家で4LDK、駐車場付きとはるかに住環境は充実した。家の裏手に大家さんの家があり、高齢の夫婦が総菜をお裾分けしてくれるなど、あれやこれやと面倒をみてくれるのも、もともと近所づきあいに憧れていただけに、「収入は確かに減ったが、生活レベルは下がらず、とても心地よい」という。
まず一歩を踏み出してみることが大事
「もともと田舎が好きで、周りにもそういう友人が多くて、移住を希望している人もいます。でも、どうしても一歩が踏み出せないでいる。考えすぎると、なかなか踏み出せないのですよね。『軽い気持ちで』というと語弊があるかもしれませんが、まず踏み出してみることが大事ではないでしょうか。仕事さえ見つかれば、地元での人間関係とかはなんとか乗り越えていけると思うのです」
「将来の子育て」も移住を決意した理由の一つだそうだ。

「僕自身、田舎の生まれ育ちで、都会に憧れて東京で暮らし、両方のよさを知った上で、いまの暮らしを選びました。都会しか知らないと、なかなか田舎に出ていこうということにならないですよね。両方のよさを知ることができて、自分はよい経験ができていると思っています。自分の子供にも、そうした経験をしてほしいと地方移住を決意したのです」
近くの海辺で妻と子供と一緒にバーベキューができる日をいまから夢見ている。

(2020年10月27日取材)
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