気候も人情もあたたかい地域に魅せられて
小澤 祥子さん

小澤 祥子さん
大阪府出身。2015年4月に神奈川県横浜市から高知県南国市に移住。
- 移住時の年代:40代
- 家族構成:夫、娘
- 移住スタイル:Iターン
- 職業:コンサルタント業
将来の子育てへの不安から移住を考えるように
「横浜に住んでいたときは、『子どものためにずっと働き続けなければいけない』とか、『この先、何が起こるかわからない』といった、得も言われぬ不安がずっとあったのに、こちらに移住すると、『何とでもなる』みたいな、心の強さが生まれたような気がします。楽観的になったと思います。気候のおかげか、周りの皆さんがとてもおおらかなので、それに影響されているのかもしれませんね」
2015年に夫と、当時4歳の娘と3人で横浜市から高知県南国市に移住。心境の変化をこのように話してくれた。

「地方暮らしは初めてなので、いきなり田舎は無理。ほどよく都会で自然もあるところ」、さらには「帰省に便利な空港の近く」という条件にマッチしたのが、高知市内の繁華街まで車で約20分、高知龍馬空港だと約15分に位置する南国市だった。移住を考えるようになったきっかけは、将来の子育てに対する不安だったという。
「移住する前は、横浜のみなとみらいエリアの近くに住んでいて、子どもが生まれたのですが、あまりにも都会すぎで、しばらくするうちに、そこでずっと子育てをしていくことに疑問を感じるようになりました。私も夫も同じ神奈川県でも自然の豊かなところで育ったことから、『自然の少ないところで子育てしていくのは、どうだろう?』と2人して思い、移住を検討したりしていましたが、行動に移せないままでいました」
そうしたとき、高知県出身の知人から県の移住コンシェルジュを紹介され、一度、話を聞いた上で、実際、高知を訪ねてみることになった。
きっと子育ても楽しくできると、移住を決意
「5月なのに皆さん、半そでで、暖かいを通り越して、夏みたいな、とても気持ちのよい季節で、びっくりしました。日曜市に行ったり、室戸岬の方にまで足を延ばしたり、いろいろ見て回ったのですが、どこも自然が豊かで、食べ物がおいしい。仁淀川とかほんときれいで、『こんなところで子育てしたい』と思いました。その気持ちが決定的になったのは、日曜市で夫に肩車されていた娘の首に、日除けカバーのヒモがからむというトラブルがあったときです。私たちは気づいていなかったのに、周りの地元の人たちが気づいてくれて、『大丈夫だった?』ととても心配して、優しく接してくれました。『こういう人たちとだと、きっと子育ても楽しくできる』と思い、ぐっと移住に心が傾きました」

移住後、祥子さんは知り合った女性と地元企業が出資した物販とカフェの複合店の立ち上げと運営に3年ほど携わったのち、現在は、首都圏の会社から依頼のあった仕事や県内の企業のコンサルタントなどの仕事をこなす。横浜では分譲マンションだったが、いまの住まいは、同じ間取りの2LDKの賃貸アパート。駐車場2台分のスペースも含め、家賃は7万円程度で、住居費だけでいうと、横浜時代の5~6割ですんでいるという。

「車社会でその分の経費が必要なので、想像していたよりお金がかかるという感じですね。娘は、移住してすぐに、『言葉がわからない』と言って、保育園に行くのを嫌がった時期もあったのですが、いまではすっかり溶け込んで、みんなと一緒に遊んでいます。もともと子どもが嫌がるような移住はしたくないと思っていたので、最初に高知を訪れたあとも何度か訪ね、子どもが高知を気に入ってくれたので移住を決めました。休日は、家族で川遊びをしたり、愛媛県の方に足を延ばして温泉めぐりをしたり、楽しく暮らしています」

ライトな気持ちでの移住がうまくいくかも
そう満足そうに語る小澤さんに、「現在の幸せ度は?」と聞いたところ、「100点満点の90点」との答えが返ってきた。10点マイナスの理由をこう話す。
「やはり仕事が限られているのが、マイナスの材料になりますね。とくに私が関係していたPRの仕事となると、ほんと限られてきます。地方ということで、企業のマーケティングとかブランディングの面で、都市圏の会社と比べて遅れているのは否めません。スピード感も違います。私が15年間のPR会社勤務で培った知見や経験を高知県や地元企業のマーケティングやブランディングに活かしていきたいですね。恩返しというわけではないのです。ただ純粋に、高知が都市圏に負けないレベルになってほしいからです」

移住を検討している人に向け、こうアドバイスしてくれた。
「いろいろ下調べをした上で決断しましたが、気持ちの面では、軽く家を引っ越すくらいの感じで移住してきました。それくらいの軽い気持ちでいた方が、うまくいくのではないでしょうか。『ここしかない』と思い込むと、なにかあったときに、逃げ場がなくなると思うのです。ちょっとライトな気持ちでの移住をお勧めしたいですね」
(2021年11月2日取材)
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