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LIFE STYLE移住者の暮らし

豊かな自然に囲まれ、心身共に余裕ある暮らし

一町田 玲奈さん

PROFILE
一町田 玲奈さん

一町田 玲奈さん

東京都出身。2017年8月に東京都から秋田県大館市に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:夫
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:会社員

東京にはない自然の豊かさにひかれて

「大館で暮らすようになって、山をよく眺めるようになりました。季節ごとに色がすごく変わるんです。ほかにも田んぼを見て、稲がだいぶ生い茂ってきたなぁとか。自然を見て季節を感じることは、東京ではありませんでした」
2017年8月、夫が実家の家業を継ぐ関係で、退職して秋田県大館市に移住した。東京で生まれ育ち、東北へは行ったことがなかったが、事前に何度も通うことで不安を解消できたのだという。

秋田県大館市の田んぼ

「結婚する前に、彼が冬と秋、秋田のいろいろな場所に連れて行ってくれたんです。雪深い冬は寒いけれど、熱々のラーメンや魚がおいしい。春から夏にかけて、角館の桜や田沢湖がすごくきれいで。知り合いがいない土地に行く不安を、豊かな自然が打ち消してくれました」。自ら、大館市内の自動車免許合宿ツアーに単独で参加。2週間滞在し、自分が暮らすことになる街をじっくり観察した。「温泉が好きなのですが、市内に泉質の違う温泉がたくさんあって、銭湯並みの安さで入れる点も気に入りました。寒いのは苦手だけど冬の楽しみ方もあるし、近所に住む夫の両親も優しいので、きっと大丈夫だろうと思うことができました」

秋田県大館市の美味しい料理

地域おこし協力隊の仲介で地元に溶け込む

大館では周囲に同世代がいない分、年配の人たちからかわいがられ、当初から人間関係に悩むことはなかったという。「初めのうちは、地域おこし協力隊の方が開く会によく参加していました。移住者だけでなく地元の方も参加できるオープンな会で、一緒にきりたんぽを焼いて食べたりする中で知り合いも増え、早くなじむことができました」

一町田さんと秋田犬の像

不安だった冬も、雪かきこそ慣れないものの、屋内は暖房が効いているため案外快適に過ごせると分かった。むしろ家や店の中では汗をかくぐらいだそうで、かといって、光熱費が東京と比べて格段に高いわけでもない。むしろ、新鮮な野菜を道の駅で格安で買える分、食費がずいぶん抑えられて助かっているのだそうだ。洋服や雑貨など娯楽系の店が少ない点も、無駄遣いが減らせると、前向きに捉えている。「変わったことといえば、前は好きだった散歩を、あまりしなくなったことでしょうか。車が楽過ぎて、歩かなくなってしまいました」

東京への単身赴任で感じた“地元愛”

大館暮らしになじんでいることを実感できたのは、意外にも単身赴任で戻った東京でだった。「元同僚と連絡を取り合っていたところ、複数の社員が産休に入るので、助っ人として戻ってきてほしいと言われたんです。都内でやり残したことをできるチャンスだと思い、2019年の夏から1年間、東京に戻りました」

大好きな遊園地の年間パスポートを買い、時間を作っては遊びに出かけた。都内で暮らす母とも、会う機会を意識的に多く作り、食事や外出を共にした。ところが、そんな充実した日々を送る一方で、ふとした折に、気軽に温泉に入れない暮らしを残念に思う自分がいた。休日のドライブのたびに「見たことのない景色」に出会う楽しみも、東京では得られない。自分が必要とされる仕事があり、知人も多い故郷ながら、もう里心はつかなかった。

1年後、思い切ってリモートワークを会社に提案したところ、新型コロナウイルス感染症が広がり始めていたこともあり、会社が在宅ワークを許可。以来、大館の家から近いシェアオフィスで、正社員としてリモートワークに就いている。「朝はゆっくりと家を出られ、帰宅も早いので、夜の時間がすごく長くなりました。夕食後、近所の温泉でゆっくりサウナを楽しむのが習慣になり、同僚からは『前はキビキビした感じだったけど、おっとりとしてきたね』と言われています」

なまはげ

これからも“発見”を楽しみたい

時間に追われることなく、働いて、温泉に入って、おいしい野菜を味わう日々に、今はとても満足している。「炒めたニンジンに生タラコを煮絡める秋田の郷土料理を義母が作ってくれて以来、大嫌いだったニンジンも食べられるようになりました。自分でやるとちょっと味が違うので、もう1回作り方を教わろうと思っているんです」

そして何より楽しみなのが、もうすぐ子どもが生まれることだ。周囲に子育て世代がいないことを、以前なら不安に思っていただろう。でも今は、その分新しい出会いがあるだろうと、楽観できる心の余裕がある。「都会っ子で虫取りなどの経験がない分、豊かな自然の中で子どもとどんなことを一緒に楽しめるのか、ワクワクする気持ちの方が強いんです」

一町田さんにとって、移住するまでは、遠くて寒いところというイメージしかなかった東北が、今は心地よい第2のふるさとだ。大館能代空港から東京行きの飛行機が1日3便になるなど交通機関も整ってきており、「若い移住者も暮らしやすいのでは。私自身、まだまだこれから、秋田だけでなく東北のいろんなところに家族と旅行して、“発見”を楽しみたいなと思っています」

秋田県大館市の風景

(2022年11月10日取材)

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