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LIFE STYLE移住者の暮らし

移住の決め手は、暮らす人の距離感

長谷川 達也さん

PROFILE
長谷川 達也さんの写真

長谷川 達也さん

埼玉県戸田市出身。2021年5月に東京都新宿区から岡山県倉敷市に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:独身
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:会社員

コロナ禍を機に実現した 、海が見える暮らし

東京で会計士として働いていた長谷川さんは、コロナ禍で仕事が完全リモートワークに移行した。東京での暮らしが気に入っていたが、在宅勤務で外出機会が減り、飲食店の営業が時短や自粛となってからは「正直、東京にいる意味がないな」と思ったという。
「生まれが埼玉県で内陸なので、小さい時からいつかは海の近くで住んでみたいと何となく思っていました。コロナ禍で東京生活が窮屈になったので、『もしかしたら、海の近くに住むなら今なのかもしれない』と思ったのが、移住を考えたきっかけです」
寒さが苦手なため、気候が温暖な地域を探し、最終的に候補地を3つに絞った。
「それぞれ4〜5日間ずつ視察旅行に行きました。海が近くてきれいなところが第1条件だったんですが、海はどこも甲乙つけ難く素晴らしくて……。最終的に瀬戸大橋のたもとにある、倉敷市下津井という港町に移住を決めました。条件に合致したのはもちろんですが、下津井にした決定的な理由は“人”でしたね」

瀬戸大橋を眺める長谷川さん

優しい人が住む港町

下津井は岡山県倉敷市南部に位置し、四国の香川県へと渡る瀬戸大橋のたもとにある港町。江戸時代には北前船の寄港地として栄え、漆喰塗の壁や本瓦葺きの家屋が並ぶ旧道沿いは、岡山県の町並み保存地区に選定されている。
「倉敷市役所の移住窓口担当の方に、『海の近くに住みたいんです』と相談したら、いい人がいると紹介してくれたのが下津井の町おこし団体の創設メンバーでした。町おこしの一環として移住支援もしていて、町を案内してもらい、町の人たちも紹介してもらいました」
移住先を考える際、その町の人付き合いやその土地独特の習慣が気になるところだが、それはインターネットで調べてもわからない。長谷川さんもその点は、少し不安に思っていたという。
「でも、町の人に会って話してみたら、本当に優しい人たちでした。僕にとって、下津井の人たちの接する距離感がちょうどいいな、この町で生きていけそうだなと思い、下津井に決めました」
長谷川さんは、移住を機に地元の建築会社に就職。会計士の知識を生かして働く一方で、下津井の町おこし団体の人たちとも深く交流していくことになる。

町の人と話す長谷川さん

移住者も活気づく町おこしに参加

下津井は移住者と手を取りながら町の活性化に取り組んでいる。
「今年に入ってからも移住してきた人が数名いて、そういう人たちと夏祭りを企画開催したりして、ちょっとずつ活気が出てきたところです。今の会社は町おこし活動への参加を応援してくれるのでありがたいです。その活動の中でも今一番力を入れているのがおむすび屋さんで、週末の地域イベントや定期開催の朝市などにも出店しています。お米や具材は地域のものを使い、使用する塩も自分で海水を汲むところから手づくりしています」
今では、東京や大阪で開催される移住促進イベントで先輩移住者として話をする機会もあり、移住をきっかけに下津井を訪れた人の町案内もしている。
「東京では少しも意識することはありませんでしたが、過疎化が進んだ地域では、人が1人、町に来ることのインパクトが大きいんです。今は、下津井に人が集まってくることを目標に活動しています」
長谷川さんには、将来はバイク乗りが集まることができる飲食店や宿泊施設を作りたいという目標がある。自身もツーリングしながら地域を巡り、新たな下津井の魅力を発信する活動を楽しんでいる。

のどかな倉敷市の町並みと長谷川さん

大切なのは、直感と思い切り

「大事なことは直感と思い切りですね。不安に思うこともありますが、住んでみないとわからないことは多い。家族がいたら難しいこともあるかもしれないけれど、先輩移住者として、気になったら実際に現地に行ってみることをおすすめします。動いていると、それを見てお手伝いしてくれる人が自然と集まってきますし、自分が想像していたこととは違う角度から新しい話が来ることもある。僕も正直、おむすび屋をするなんて思いもしませんでした。すぐ近くに山があり海があり空も広くて、ここで過ごす日常が、それだけで幸せで気持ちいい。本当に、ストレスフリーです」と話す。

瀬戸大橋をバックに

(2022年11月17日取材)

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