思い立ったらすぐに行動、移住するなら若いうちに
堂前 智紀さん

堂前 智紀さん
北海道出身。2015年3月に東京都から北海道札幌市に移住。
- 移住時の年代:30代
- 家族構成:妻、子供
- 移住スタイル:Jターン
- 職業:札幌市役所勤務
札幌出身の妻との出会いがきっかけ
札幌市役所職員の堂前さんは、北海道日高町出身。大学進学で上京後、そのまま2007年に東京で不動産業界の企業に就職。転職して特許事務所で勤務した後、2015年3月に札幌に移住した。きっかけとなったのは札幌市出身の妻との結婚だ。
「札幌は北海道で一番の都市です。上京前に1年間札幌で暮らしたことがあり、その暮らしやすさを実感していました。もともと北海道に戻りたい。戻るなら札幌に、という思いはありました。2013年、たまたま札幌市出身の女性、今の妻と出会い、結婚を意識し始めるとともに、結婚を機に札幌に移住できたら、と考えるようになりました」

彼女の方は、いずれは帰郷したいとは思っていたが、それほど早く帰ろうとは思っていなかったという。「でも私は、どうせ帰るなら、なるべく早い方が良いと思っていました。仕事をする上でも、やがて子育てをする上でも、若いうちに移住した方が、その後の生活はスムーズにできるようになると考えたのです」
ちょうどそのころ、札幌市役所の民間企業経験者の職員採用で年齢制限がなくなった。挑戦しようと応募したところ、採用が決まった。「難しいだろうと思っていたので、とても幸運でした。2015年4月採用でしたので、3月に結婚式を挙げ、札幌に移住しました」
コストが安く、ゆとりある生活
東京は確かに刺激が多くて魅力的だ。お金さえあれば欲しい物は手に入れられる。「でも、生活するだけでもコストは高く、どこに行くにしてもお金が必要です。収入がよほど高い人でないと、快適な暮らしをすることは難しいと感じていました。人が多くてストレスもかかります。若いうちは良いのかもしれませんが、家族との生活を考えると、あまり良い環境ではありません」
札幌は地下鉄など交通環境も整備されている。「私は電車と地下鉄で通勤しています。電車の本数も東京と変わらないので、車がなくても全く不便を感じません。北海道自体は過疎化している地域が多いのですが、札幌は人口が増え続けていて、実は電車の混み具合などは東京とあまり変わらないかもしれません。それでも、大都市でありながら自然環境にも恵まれているので、とても気持ちよく暮らせます」

東京との比較で最も実感しているのは生活コストの違いだという。「東京で住んでいた部屋は家賃が1DKで月8万5000円でした。それが札幌だと場所にもよりますが、2DKのマンションで5万円ほど。たとえ転職で収入が少なくなったとしても、地方暮らしの方が安く暮らせるので、生活にゆとりが生まれると思います」
毎日の食事のおいしさも魅力的だ。「海鮮だけでなく、野菜もお米も水も素材がすべて東京とは全く違います。家で同じ料理を作ったとしても、おいしさが段違いです」
外食するにしても、東京よりは格段に安くておいしい食事が食べられる。「おすすめは回転ずし。とてもレベルが高く、東京の一流店並みの味を、お手頃価格で楽しめます」
自然豊かで利便性もある、子育て環境も最高
地方暮らしと言っても、札幌は文化的には東京と比べてほとんど遜色がない。大スターの音楽や演劇の公演もたいていは札幌で開催されるし、野球やサッカーのプロチームも地元にある。自然にも恵まれていて空気もきれい。冬は寒く、雪も降るが「生活するにはこれ以上の環境はないのではないかと思うくらいです」

2018年に子供が生まれたが、子育てするにも地方暮らしのメリットは大きいという。「行政の子育てに対する支援体制もとてもきめ細かく、充実しています。子供の将来を考えると、塾や学校などの教育環境もとても良い。私の場合、妻の家族が近くにいることもあって、とてもゆとりを持って子供を育てられています」
地方移住を検討している人たちに対してのアドバイスを尋ねると、「もし移住したいと考え始めたら、すぐに行動を起こしてほしいですね。かつては、会社を退職した人などが、第二の人生として移住していたことが多かったかもしれませんが、子育てなど家族との時間を考え、長い人生を有意義に過ごすためには、できるだけ若いうちに移住した方がよいと思います」と語った。

(2020年10月20日取材)
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