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LIFE STYLE移住者の暮らし

2拠点で子育て環境と仕事の充実

西村 貴子さん

PROFILE
西村 貴子さんの写真

西村 貴子さん

北海道出身。2020年8月に東京都から北海道北見市に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:夫、子ども2人
  • 移住スタイル:Uターン
  • 職業:会計コンサルティング

出産を機にUターン志向。子どもたちの近くで働きたい。

「子供と自分の将来を考えた結果、2拠点での生活を選びました」11歳の長男と7歳の長女の2人の子どもたちと一緒に東京から地元の北海道北見市へ移住。夫は東京で会社員として働き、月に1回くらいのペースで北見を訪れる。
「ふだんは、朝ごはんと夕ごはんのときに、オンラインで画面に映る顔をお互いに見ながら、親子で楽しそうに話しています。遠く離れていても北見の家で起きていることは、夫はなんでも知っているのです。子どもたちはパパと離れて暮らすことになって、初めのころは寂しそうにしていましたが、今ではすっかり北見の暮らしに馴染んでいます」
毎朝向かう職場は市内にあるサテライトオフィス。そこでリモートで東京の会社の仕事をし、終われば北見の自宅へ帰る。

東京の自宅マンションからの夜景

「地元に帰ろうかなと思いはじめたのは、長男が生まれた頃からです。当時は東京の出版社で働いていました。広告営業が楽しくてやりがいもあったのですが、子育てをしながら仕事をするのが難しく、だんだん『東京にいても意味がないな。地元に帰ろうかな』と思うようになりました」
地元で仕事を見つけるために手に職をつけようと考え、いくつか資格の勉強を始めた。具体的に移住を考えはじめたその頃、東日本大震災が起きた。
「密集地帯は怖い、いざというときに子どもと離れ離れになりたくない、なるべく仕事をしていても子どものそばにいたい、そう思うようになりました」

その後、勉強の甲斐あって東京でコンサルティングの会社への就職が決まった。移住への気持ちはより一層強くなっていったが、第2子の出産や夫婦間の移住に対する考え方の違いもあり、北見へ移り住むまでには10年近くかかった。
何度も話し合いを重ね、夫婦で選んだ最終的な答えは2拠点生活だった。移住を応援してくれた人もいた。勤務先の社長だ。社員の自由な働き方、挑戦する姿勢を大事にしてくれている。北見への移住の決意を伝えると、「自責を忘れずに頑張って」と送り出してくれたそうだ。

2020年の春に東京板橋区の自宅マンションにて撮影

住まいは広く安いが、車や光熱費で負担増も

東京の住まいが2LDKなのに対して、北見のマンションは3LDK。駐車場と倉庫代込みで、家賃は東京の半分。スーパーやコンビニ、病院、子どもたちが放課後を過ごす児童センターは、いずれもすぐ近くにあり、都会暮らしの便利さを感じられるロケーションにある。
「季節の野菜とかは安いですが、お米とか日用品、外食は東京と変わらないですね。しばらくぶりに暮らしてみると、『こんなに寒かったっけ?』とびっくりするほど冬は寒いので、光熱費がかかりますし、自動車関連の費用もかかります」

2021年の元旦に北見の自宅マンションから撮影した朝焼け

大人になって地元で暮らしてみると、都会と変わらないところもある。「オホーツクの中核都市でもあるので、全国転勤で来ている会社員とか、ベンチャー、起業家、テレワークのIT系社員など、ユニークな経済活動をしている方も多くいます。自然が豊富で、サロマ湖とか屈斜路湖などが車ですぐ行けるところにあるので、移住を機に、子どもと一緒にキャンプを始めました。冬場はスキーを楽しんでいます。平日は、東京のとき以上に忙しく働いているので変わらないのですが、土日の幸せ度は間違いなくアップしましたね」

サロマ湖ワッカ原生花園に家族で遊びに行った際の写真と2020年夏に屈斜路湖に家族で遊びに行った際の写真
2021冬スケート練習美幌町と西村さんご家族と2021冬ワカサギ釣り網走湖

増した働きがい、地元の経済に貢献したい

「地元を離れて、時間が経つとともに、地元への思いが深まってきたように感じます。帰省したときに、『消費しているばかりで、観光客みたいだな』と思うことがあって、地元でなにかつくる側に立ちたいと考えていました。移住してからは、地元で関わる人たちの事業がうまく回るよう、会計という自分のフィールドで貢献したいと強く思うようになりました。移住前よりたくさん働いていますね。子どもたちには、地元で頑張っている人がたくさんいるので、そういう人とふれあいながら育ってほしいです。東京だからとか、田舎だからとか、単純に分けて考えるのではなく、それぞれの長所・短所を見極めて、将来の進路を決めてほしいです」

2021年の春に北見仁頃山登山道に行った写真と2021年の夏に網走港に家族で釣りに行った写真と北見市のトランポリン施設に遊びに行った際の写真

これから移住を考えている人に向けては、「北海道というと、テレビドラマのイメージがあるのか、ユートピアのような、仕事がなくても、お金がなくても、なんとかうまくいくと思われがちなのですが、現実はそうではありません。そこには、それなりの都市型の生活がありますし、子育てしていくには社会と必ず関わらなくてはなりません。北海道に限らず、どこかに移住する際には、まずは仕事を中心に考えて、その上で今の住んでいるところとの比較を細かくしていくと、移住後の想定外にも立ち向かえるのではないでしょうか」と語った。

(2021年10月19日取材)

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