慣れ親しんだ地元に帰り、魅力を再発見
岩﨑 亜紀奈さん

岩﨑 亜紀奈さん
福岡県出身。2016年2月に東京都から福岡県北九州市に移住。
- 移住時の年代:20代
- 家族構成:夫と犬1匹
- 移住スタイル:Uターン
- 職業:北九州市役所勤務
心と体が休まらなかった東京暮らし
地元の大学を卒業後に航空会社に入社、羽田空港で3年間働き、2016年2月、北九州市役所への転職を機に、生まれ故郷の同市へ移り住んだ。
「東京では、会社の借り上げマンションに職場の仲間と住んでいて、よく一緒にテレビで紹介されたスイーツのお店やディズニーランドとかに行ったりしていました。仕事もとてもやりがいがあり、空港から近いところに住んでいたので、通勤で苦労することはありませんでした。ただ、どこに行っても人が多いので、心と体が休まるひまがないといった感じはずっとありました」

生まれ育った北九州市と違い、建物が多くて、空が狭いことに圧迫感があり、自然を求めて高尾山などに出掛けたこともある。「この先ずっと東京で仕事を続けていけるだろうか」と、かすかな疑念が心に生まれたタイミングに、北九州市役所の特別枠採用についての募集チラシを目にした。実家を離れての就職に反対した母からの宅配便の中にさりげなく入れられていた。
地元に帰って結婚、夫と食べ歩きや旅を楽しむ
「英語を生かした仕事をしたいと、親の反対を押し切り、ダブルスクールまでして就いた仕事なので、辞めて地元に帰ることについては、かなりの葛藤がありました。ただ、いずれは結婚して子供を産み、その上で、仕事と子育てを両立させたいと思っていました。だとすると、やはり地元で親の近くに住んだ方が、より気持ちも落ち着けるし、北九州市は待機児童が少なかったり、小児医療体制が整っていたりなど、子育てしやすい街なので両立も可能だと思い、採用試験を受けることにしました」

Uターンしてから5年目の2020年3月に結婚した。休日は、夫と一緒に食べ歩きや、愛犬キナとの散歩を楽しんだり、佐賀の嬉野や大分の別府など、九州の観光地へ旅行に出掛けたり、充実した日々を過ごしている。
「自然も身近にある一方で交通の便もよく買い物にも便利。街にゴミが散らかっていることは少ないですし、バスはきちんとアイドリングストップしてくれます。そんな環境に対するちょっとした配慮もうれしいですね。幸福度は10段階で評価すると、東京のときは3点で、いまは10点満点ですね」
将来は一戸建てで子育てが目標
市役所に入職後、人事採用を担当し、学生の就職活動の現状を目のあたりにした経験がある。そのときに感じたのは、「地方だから仕事がない、というわけではない」ということ。こう続ける。
「知名度だけで会社を選ぶのではなく、やりがいとかを考えたときに、地方の中小企業にこそ、選ぶべき、魅力ある会社がたくさんあると思ったのです。そういう視点で仕事選びをしてもらえれば、地方移住もスムーズにいくのではないでしょうか」

夫とは、将来、一戸建てをもとうと計画しているという。「北九州市のために何ができるかを考えながら仕事で成長を続けつつ、この街で子供を産み、子育てを楽しんでいく」という目標を抱いている。

(2020年10月22日取材)
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