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LIFE STYLE移住者の暮らし

汽笛が響く美しい街並み。長崎暮らしを楽しんでいます

古川 由利さん

PROFILE

古川 由利さん

東京都町田市出身。2021年3月に東京都町田市から長崎市に移住。

  • 移住時の年代:40代
  • 家族構成:子ども1人
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:会社員

父の単身赴任していた土地になじみ

「もし移住するなら、海運業界勤務が長かったので船に関わる港町での仕事がいいな。そうすると、神戸、大阪、長崎あたりかなと、漠然と考えていました」
2021年3月、東京都町田市から長崎市に10歳の娘とともに移住した。父が長崎県五島列島の新上五島町に長く単身赴任していたこともあり、たびたび上五島を訪ねていた。父は2008年に海難事故で無言の帰宅となったが、その後も命日に合わせ何度も現地を訪ね、上五島の人との交流も続いていた。「だから長崎にはもともと馴染みがありました」

2018年の秋ごろ、東京・有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」に立ち寄ってみた。そこで長崎県の窓口担当者と長崎話に花が咲き、長崎市、大村市などのオンライン移住者説明会への参加を勧められた。「聞くだけ聞いてみようと思って参加すると、各自治体の担当の方が熱心に説明してくれて、後日資料が山のように届きました。資料の求人には、仕事内容と収入の面で思うような条件のものがなかったのですが、子育てと仕事、医療など生活を考慮すると、移住するなら長崎市か佐世保市のような都市部が現実的かなと思いました」

「しばらく動きがなく忘れかけていたころ、長崎市の担当者から、『船関係の仕事があります』と、紹介の連絡をもらいました。2020年12月のことです。応募してみると、『面接に来てください』と連絡があり、年末に福岡市にある本社に行きました」
年明け1月に勤務地である長崎に呼ばれたときは、意思確認だけだった。「子育てのこともあり、まず仕事ありきでないと移住はできませんでした。長崎には父や前職の縁もありますし、この会社なら、と思いきって決断しました。ここからは早かったです」

豪雨の中、地域の温かさに触れる

子どもの学校の新学期に合わせて3月末までに移住することになり、時間的余裕は全くなかったが、長崎県や市の担当者、転職先の会社の人が親身になって相談に乗ってくれ、助けられた。引越し先も、会社から紹介された不動産屋で検討した。「住宅は、母と一緒に見て決めました。せっかくなので長崎暮らしを五感で感じられる場所が良いと思い、旧居留地のグラバー園の近くにある、見晴らしの良いところに決めました」

物件を見に行ったのは平日。学校などの各種手続きも平日にしなくてはいけなかった。「コロナ禍でテレワークが多かったため、平日でも動くことができたのはとても助かりました。感染状況が全国的に落ち着いていた時期だったので、移住するにも差し障りないタイミングでした」
マンションが少なく、高齢化が進んだ住宅地。その分、近所付き合いが大切になる。「自治会の行事や町内会合には積極的に参加するようにしています。町内を活性化させようという動きがあって、よその地域から来た私も快く受け入れてくれています」
2021年8月、長崎県など九州北部を集中豪雨が襲った。当時、娘は夏休みで東京の実家の母を訪ねていたため、独りきりだった。「経験したことのない恐怖を感じてとても心細かったし、万一のことがあった場合の避難先も分かりませんでした。そんなときに大家さんがとてもていねいに有益な情報をくれ、『避難するときは声をかけるね』と安心させてくれました。近所の人たちも心配して手料理を持ってきてくれました。そんな温かさに心から救われました」

音楽やアート、歴史・・・知的好奇心を刺激される街

楽器が好きで、ピアノやギター、アイリッシュハープなどを演奏する。娘もアイリッシュダンスのレッスンをリモートで続けているほか、移住してからクラシックギターを習い始めた。「コロナ禍で学校の行事がなくなっていますし、学校以外のコミュニティを作るのも親の役割ですから。娘も楽しくギターのグループレッスンを受けているようです。私ももう少し落ち着いたら、コンサートができるような場所を開拓するなど、ライフワークとして音楽を続けていきたいと考えています」

「せっかく長崎に来たのだから、歴史的なことの知見も広めていきたい。食べ物はおいしいし、街並みがきれい。家からはさまざまな船が見えて、汽笛の響きは体内時計に組み込まれ始めています。グラバー園からはアイリッシュ音楽やバグパイプが聞こえ、嬉しいオプションになっています。長崎ならではのアートにも興味があり、ギャラリーを訪ねたりして、やりたいことや行きたいところは山のようにあって、新しい日常を楽しんでいます」

街から知的好奇心を刺激され、充実した長崎暮らしを謳歌している。
冒険家チャールズ・リンドバーグの妻、アン・モロー・リンドバーグの著書『海からの贈物』を座右の書としている。「彼女のように、虚栄心を捨てて、人間として、女性として、簡素に過ごしたい。その意味では、長崎はとても適しているところだと思っています」

(2022年1月21日取材)

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