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COLUMN移住に関するコラム

デジタルの力で、移住希望者と地域の空き家をマッチング

デジタルの力で、移住希望者と地域の空き家をマッチング

移住希望者にとって移住を決断する際にポイントとなるのが住居と仕事です。このうち住居について、地域の空き家を選択肢として考えてもらおうと、県や市町村がWebサイトなどで空き家情報を発信する動きが広がっています。

移住者と移住地域 双方にメリット

こうした取り組みについて、内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局内閣参事官の赤羽元さんは「移住先での住まいは重要な課題。空き家を利用して移住する場合、準備やコスト面でのハードルが下がる。移住先の地域にとっても空き家問題の解決につながり、移住希望者と地方公共団体の双方にメリットがある」と話しています。
また、空き家情報の発信でVR(仮想現実)を活用している事例や、移住希望者からの質問にAIなど最新のデジタル技術を取り入れて回答する事例も生まれています。県や市町村は「物件の内覧や移住の相談をオンラインでできる環境をつくることで、若い世代にも気軽に移住について考えてもらうきっかけにしたい」と期待を寄せています。実際の動きをみていきましょう。

移住希望者のニーズに着目

富山県黒部市は、2024年11月、地域の空き家情報を集めた「空き家バンク」のWebサイトを刷新しました。黒部市の移住サポートサイトから空き家物件の情報にアクセスできるようにするとともに、金額や駐車場の有無といった検索条件からも物件を探せるようにしました。黒部市は移住希望者と空き家をつなぐ場をつくり、移住者の増加につなげていく考えです。
また、黒部市は空き家物件の登録そのものを増やそうと、空き家バンクに空き家を登録する際の申し込み手続きをWeb上で完結できるようにするなど簡素化しました。黒部市内には、利用できるにもかかわらず空き家バンクに登録されていない物件が多く、その原因の一つとされていた郵送などによる登録手続きの煩雑さを解消しました。黒部市への移住をサポートしている黒部市ひとつなぎ支援センターは、「近年、移住希望者から空き家物件についての問い合わせが多く、移住先の住居として空き家のニーズが高まっている」としています。

空き家物件をVRで内覧可能に

空き家情報の発信後、移住の相談件数や移住者数が増加している地域も少なくありません。
栃木県益子町の移住相談件数は、空き家バンク導入前の2016年度は59件だったのに対し、2017年度の導入以降増加しており、2024年度(2025年2月末時点)に198件に達しました。空き家バンク登録件数は2024年度(2025年2月末時点)に187件に達し、成約した123件のうち96件が移住者となっています。また益子町は2024年度から空き家バンクのWebサイトで、VR技術を使った映像で物件を内覧できるようにしました。現地を訪れたような感覚で物件を確認できるようにすることで、移住後の生活をイメージしやすくするねらいがあります。
山口県周防大島町も2024年度から空き家バンクのWebサイトにVR技術を導入しました。実際に訪れた時とイメージが違うといった「ミスマッチ」を解消し、移住希望者の負担を軽減するねらいがあります。周防大島町は、2022年度に空き家バンクを立ち上げており、周防大島町の相談窓口を通じて移住した世帯は、2022年度の19世帯から2023年度は27世帯と増加しています。

生成AIを活用した移住相談も

広島県は、デジタル技術を活用して移住の関心や移住検討の熟度を高める取り組みに注力しています。広島県の空き家バンクのポータルサイト「みんと。」は、2022年からVR技術を使った物件紹介を行っており、広島県内への移住世帯数は、2022年度は596世帯、2023年度は649世帯と増加しています。また、広島県公式移住チャットボットとして、コミュニケーションアプリ「LINE」で友達登録するとアンケートの回答などに応じて登録者に合った情報を届ける「あびぃちゃん」を導入しています。

あびぃちゃん
愛らしいキャラクターで人気の広島県公式移住チャットボット「あびぃちゃん」

さらに、移住についての疑問をもっと気軽に聞いてもらおうと、新たに生成AIを活用したシステム「ひろしま移住AIナビ」の開発を進めています。「移住のメリットは何?」「移住するんだけど、どんな支援があるの?」といった質問を入れると、生成AIが、広島県の移住体験や空き家バンク、仕事など移住に関する情報を提供しているサイトなどのデータを活用して回答します。利用者は、「ひろしま移住AIナビ」のサイトから、複数のサイトの情報を一括で得ることができます。
「ひろしま移住AIナビ」は2025年春に運用がスタートします。「移住について興味はあるけれどもよくわからない」といった潜在的な移住希望者にアプローチするツールとしても期待されています。

「RAIDA」で取り組み事例を“深堀り”

今回紹介した地方公共団体による移住に関する取り組みは、2024年1月に開設された「デジタル田園都市国家構想データ分析評価プラットフォーム(RAIDA:レイダ)」から調べることができます。レイダは、アラビア語で先導者、探究者を意味する「RAIDA」に由来し、効果的なデジタル実装施策を支援するために、データにより地域課題を捉えて、分析・考察することをサポートし、施策目標の達成を後押しするプラットフォームです。移住関連のみならず、全国のデジタル実装の事例を地図や一覧から検索し確認することが可能ですので、ご興味のある方にはぜひ閲覧していただきたいと思います。

(2025年3月作成)



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