移住希望地TOP3で叶える「家賃4万円以下」のゆとり生活。
東京の1Kより地方の3DK!?
自治体と連携して移住を支援する「公益社団法人ふるさと回帰・移住交流推進機構」(東京都千代田区、理事長 高橋公)が2月24日に発表した2025年の移住希望地ランキングによると、群馬県、栃木県、長野県がトップ3となった。移住の魅力の一つは圧倒的な住宅コストの安さだ。今回は家計にゆとりを生む4万円以下、子育て世代に魅力的な2DK以上を中心にAPAMANの協力でトップ3県の物件事情を調査した。
支出の主役「住宅費」を削れば生活が変わる。都心との驚きの格差
豊かな生活を実現するにあたって見逃せないのが、月々の最大の支出である住宅費だ。一極集中が長らく課題となっている東京23区では、港区の1Kは管理費、共益費込で95,000円以上、2DKは175,000円以上。渋谷区では1Kが71,000円以上、2DKが166,000円以上といった相場だ。こうした割高な賃料は生活の大きな圧迫要因となる。
家賃を下げて生活費に余裕を持たせたり、専有面積を広げたりする場合は郊外に移り住むことになる。だが、その場合は往復の通勤時間が長くなり、「アフター5」が削られ、早起きが必要になる。時は金なり。自由時間や睡眠時間の縮小は、郊外に住み、都心で働く若い世代の多くが抱える共通の悩みだ。
だが、地方に目を向ければ、東京では考えられないような安さで広い住まいが手に入る。我々「いいかも地方暮らし」に体験談を寄せてきた移住経験者は、その多くが賃料の安さを地方生活の魅力の一つに挙げている。
しかも職住近接。賃料の安さは職場との距離を縮める。ましてやマイカーを持てば通勤ストレスはグッと緩和される。満員電車や長時間通勤から解放され、自由時間や睡眠時間が格段に増え、劇的にワークライフバランスは改善する。
住宅費用が割安な地方で生活は具体的にはどう変わるのか。
2025年の移住希望地ランキングトップ3となった群馬、栃木、長野県で、割安感のある月々4万円以下の物件を見てみよう。
【群馬県】人気No.1!新幹線を使えば「都心へ通勤」も選択肢に
移住相談が絶えない群馬県で、管理費・共益費込で4万円以下の1Kの物件をAPAMANで検索すると、1,068件ヒットした。最低価格は、桐生市の駅徒歩28分の15,000円。築45年ながら、洋室7.5帖、ユニットバスやキッチン、収納も備えている。2DKは、235件ヒット。最低価格は高崎市の29,000円の2DKで、JR上越線の駅から徒歩14分。駐車料金2,000円を入れても4万円を超えない。
ふるさと回帰・移住交流推進機構によると、群馬県に関する相談の中心は30代の子育て世代で、「都内への通勤を前提とした物件探しや、都市部の家賃高騰を背景にした相談が目立つ」という。高崎市の2DK4万円以下の物件は56件ある。市内の高崎駅から上野駅までは新幹線乗車40分で結ばれている。勤務先に新幹線通勤が認められるなら、高崎市に住んで都心に通うというのも十分可能になる。
そもそも地方は都心と異なり、公共交通機関よりも自動車での移動が便利だ。自動車での利用を前提に、定住して職場も群馬県で選ぶ、あるいはリモートワーク主体で群馬県内で住む場所を自由に決めれば、選択肢は格段に広がる。群馬県全域のファミリー向け2K以上で、駐車場代を含めた4万円以下の物件は329件。都心で車を持つ場合と異なり、マンションやアパートの敷地内に駐車できるケースがほとんどで、移動は格段に楽になる。
【栃木県】餃子の街・宇都宮なら「3DK・37,700円」で広々暮らせる
日光東照宮など世界遺産の歴史的建造物から豊かな自然、温泉、テーマパークまで、多彩な魅力を持つ栃木県。県内の4万円以下の1Kは594件、最低価格は18,000円。2DKだと213件、27,000円から。
餃子の街として知られる県庁所在地の宇都宮市にも、ファミリー向けの4万円以下の2K以上の物件が39件。市内の最低価格は2Kの3万円。3DKだと37,700円。東京都港区の7分の1程度の相場となる。栃木県への移住に関する相談は女性を中心に増えており、移住対象は県全体に検討の裾野が広がっているという。宇都宮市以外でもお手頃な物件がある。佐野市、足利市、栃木市、鹿沼市なども含め県内には、駅から徒歩10分以内で4万円以下の2K以上が62件見つかる。
【長野県】20代が注目。スキーリゾートやアルプスを望む堅実ライフ
訪日外国人観光客に人気のスキーリゾート白馬や、登山家を惹きつけてやまない日本アルプスで知られる長野県。4万円以下の1Kは638件、最低価格は15,000円。2DKは88件で最低価格は27,500円となっている。
長野県に関する移住相談も都心部の住宅価格の高騰を背景にコストダウンを目的とした検討者が増えているという。特に20代は結婚前から堅実な生活設計を立てる傾向が強く、相談が増加傾向だ。
長野県北部は長野新幹線で主要都市と東京へのアクセスは至便。長野駅~上野駅間は新幹線経由1時間20分で、新幹線通勤も選択肢となる。長野駅がある長野市内の4万円以下、2K以上の物件は23件だ。長野県もクルマ社会だ。駐車場代も含めた2K以上で4万円以下の物件は、県内全域で125件ある。
©アパマンショップ伊北店
憧れの「デザイナーズ」や「メゾネット」も4万円以下で狙える!
地方では、建築家がこだわりをもって設計したデザイナーズ物件も地方ではお手頃な価格で利用できる。デザインや機能性に優れ、それぞれの物件が個性豊かだ。クリエイティブでおしゃれな生活を希望する人には魅力的な物件だろう。アパマンショップがデザイナーズのカテゴリーで登録した物件は4万円以下だと群馬県では11件、栃木県では2件ヒットする。
前橋市の1K(キッチン2帖、フローリング8帖)が管理費込で37,000円。コンクリートむき出しのデザインの壁やスポットライト型のライティングなどがシックで目を引く。東京都港区ではワンルーム型が、144,000円が最低価格であるのに比べると、おしゃれなデザインの住まいは断然、地方の方が手に入りやすいといえる。
建物の中に内階段が設置されており、2階以上の階層からなるいわゆる「メゾネット型物件」も地方では手が届きやすい。群馬県桐生市の2LDKは室内で階段を通じて2階にアクセスができるメゾネット型。1階は10帖のLDK、2階は和室と洋室がそれぞれ6帖分あって、気分はあたかも一軒家。なのに、賃料はわずか35,000円だ。
地方では当然、都心では手が届かない庭付きの生活も夢ではなくなる。群馬県では4万円以下の専用庭付きの物件が11件、栃木県では6件、長野県では11件みつかる。この物件は戸建てタイプの賃貸物件に多いが、中にはマンションやアパートの1階部分に小さな庭がついている場合もある。家庭菜園を設けたり、簡易プールで子供とはしゃいだり、あるいは友人を呼んでバーベキューを楽しんだりと様々な楽しみ方がある。
内装を自由にカスタム可能。「DIY型賃貸」の魅力
古い物件を自分好みに「カスタム」したいDIYファンに朗報なのが、2014年3月に国土交通省から発表された賃貸借ガイドラインで示された新たな賃借契約制度「借主負担DIY型賃貸借契約」だ。
賃貸借契約はこれまでは退去時の「原状回復」の義務が一般的だったが、借主が自己負担で修繕や模様替えを行うことが可能で、退去時の原状回復義務を負わない。貸主は原則として入居前や入居中の修繕義務を負わないため、賃料は市場相場よりも安く設定される傾向があるのも借主には魅力的だ。
DIYを行うには家主との合意が欠かせないが、自分で好みの壁や床に模様替えして快適に暮らせる。地方には安価で古い物件が多い。それを自分好みで変えられるのは、こだわり派の移住者にとっては格別のようだ。
今回紹介したのは3県のごく一部の物件に過ぎない。自分で探すとぴったりの物件が全国各地の地方で見つかるはずだ。
協力・APAMAN
※物件情報は取材した2026年3月16日現在。
賃貸価格等は日々変動しますのでご注意ください
(2026年3月作成)
COLUMN移住に関するコラム
移住希望地TOP3で叶える「家賃4万円以下」のゆとり生活。東京の1Kより地方の3DK!?
「山梨移住」推進で地銀が県とタッグ。危機感と使命感から自ら動く
農家のイメージを変える 梅ボーイズの挑戦
デジタルの力で、移住希望者と地域の空き家をマッチング
アニメファン 大好きな聖地の「巡礼」から「移住」へ
起業型地域おこしで、ゼロから新しいまちをつくる
移住のための交流イベント お気に入りの地域の見つけ方
地方創生10年 移住への関心は全年代で増加、特色ある取り組みへの支援強化へ
地方創生10年 地方に人を呼び込むためのポイントは?
子育て世帯も大注目!今の「地方移住」のリアル
都市と地方を自由に行き来する「二地域居住」 実現可能なライフスタイルに!
地方へ人や仕事の流れをつくる 地方を元気にする企業の取組
地方移住イベントに参加してみよう!
古民家暮らしの楽しみ方
やさしく解説!地方拠点強化税制について
移住が気になったら、まずは「お試し移住」体験!
フリーランスが地方移住するメリット・デメリット
東京圏の大学生のみなさんへ!地元やお気に入りの地域へ就職しませんか?-地方就職学生支援制度について解説-
子どもたちの好奇心を育む「ふるさとホームステイ」とは
地方移住希望者がイメージするウェルビーイングな暮らしとは
働き方、ライフスタイルの多様化が「人口移動」に変化をもたらす
いろいろあります!移住に関する支援制度
地方移住する若年層の意識を読み解く
「お手伝い旅」で地域を体感! 地方移住のきっかけに
移住で失敗しないためのヒント-東京からUターンしたファイナンシャルプランナーが語る-
全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指して
「奨学金の返還を肩代わりして、地方の未来を担う若者を応援する」制度(奨学金返還支援制度)を活用しよう
「ワーケーション」体験者が語る、そのポイントとは
子育て世代の地方移住、事前に調べておきたい移住先の情報は?
始める人への支援が充実、幅広い農業の多様な働き方
「移住体験ツアー」の醍醐味は地域の人とその生活に触れること
転職しないで移住可能にする「テレワーク」都心へのアクセス重視かテレワークに適した環境か
ポストコロナ禍の移住、ポイントは「ライフスタイルを変える移住」か「変えない移住」か
「移住」に興味を持ったなら・・一度は覗いてみたい、移住の相談センター
知らないと損する支援金制度
実際に地方に移り住んで感じた魅力とは?
今、注目されている「関係人口」って何?
テレワークの活用により地方移住が進展
デジタルトランスフォーメーションで地方が変わる
地方創生はなぜ必要なのか?
地方でSDGsが進んでいる?
新型コロナウイルス感染症下において東京都の転出超過が続く
「地方暮らし」に5割が関心
コロナウイルス感染拡大で、「地方移住」「テレワーク」への関心が高まる
