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LIFE STYLE移住者の暮らし

移住先は理想の子育て環境 目指すのは「ママにやさしいまち」

原田 笑さん

PROFILE
原田 笑さんの写真

原田 笑さん

愛媛県出身。2017年4月に東京都内から島根県益田市に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:夫、子ども4人
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:フリーアナウンサー

子どもたちが思いきり走りまわることができる場所へ

島根県益田市の萩・石見空港からほど近い「風の丘広場」。芝生が一面に広がり、子どもたちが元気に走り回るなど、訪れた人が思い思いに過ごす姿が見られる。「自然の中で子どもたちを遊ばせることができ、親子でゆっくりした時間を過ごすことができます」。原田さんとっておきの場所だ。
島根県内のテレビ局のアナウンサーだった原田さん。新聞記者である夫の東京転勤に帯同して上京してからは、フリーアナウンサーとして都内で活動していた。出産後も変わらず仕事を続けたいと考えていたものの、子どもが保育園に入園できず待機児童となり、仕事のたびに子どもを預ける施設を探さなければならなかった。「子どもを預ける施設が見つからない時は、仕事を断らざるを得なくて、『思うように仕事ができない』『仕事で達成感を得られない』と心理面でのストレスがたまりましたし、ますます活発になる子どもたちの成長を見ながら、『自然に恵まれた環境でのびのび育ってほしい』という思いも強くなっていきました」。東京では、子育てと仕事、すべての希望を叶えることはできないと思い、夫と相談し、移住を決断した。

移住にあたり、夫は島根県で教員になることを決意。大学時代に教員免許を取得していたものの、未経験の仕事への不安を抱えながら教員採用試験に向けて猛勉強を続けた。2017年4月、夫の努力が実り転職するタイミングで、夫と子ども3人の家族5人、夫の実家のある島根県益田市に移住した。

羽田空港から約90分。「萩・石見空港に降り立った時、移住が実現した嬉しさから涙があふれそうでした」。原田さんは現在もフリーアナウンサーとして、司会や取材などを行っている。

義父母の支援も受け子育てと仕事を両立

自身の仕事環境の変化に不安はあった。「東京を離れて益田市で暮らした場合、仕事を続けることができるのか心配でした。もし仕事がなければ、別の職業に就くことも覚悟していました」と当時を振り返る。「地方では、都会と比べてイベントや婚礼の数自体が少なく、アナウンスの仕事だけで一定の収入を得ることは容易ではありません。経営者が集まる会に出向いて自分を売り込んだり、全国各地のナレーションの依頼に応えられるよう自宅に収録機器を揃えたりしました。また、1つ1つの仕事の評価がすべてを左右するからこそ、ご縁をいただいた際には常に全力で取り組んでいます。継続的に指名していただけるのはとてもありがたいですね」
移住後、第4子にも恵まれた。益田市では、仕事も子育ても良い環境をつくることができているという。子どもたちは、それぞれ小学校や保育園に通っていて、「急な発熱など、子どもに何かあった時には、夫の父母に助けてもらえるという安心感があります」
保育園では、イチゴ狩りや川遊びなど、年間を通して自然に触れることができるイベントが盛りだくさん。「土曜日だけでなく日曜日と祝日も子どもたちを預かってもらうことができ、とても助かっています」

原田さんご家族

ママの笑顔を増やすためのプロジェクトを始動

現在、フリーアナウンサーの仕事をしながら地域にかかわるプロジェクトに取り組んでいる。「首都圏のお母さんたちにお子さんと一緒に益田に来てもらえれば、今まで知らなかった時間の過ごし方を体験してもらえるのではないか」。第4子の出産で出会った助産師の田原恭子さんに相談し、2022年9月、ママの笑顔を増やすための「益田ママリトリートプロジェクト」を始動させた。「かつての自分と同じような思いをしている人がいるのではないか」と考えたのがきっかけだ。
ちなみに、一緒にプロジェクトに取り組む田原さんは、助産師としてこれまで4千組以上の親子に関わってきた。広島県から結婚を機に移住し、3人の子どもを育てている。「益田だから立地面などの条件が揃い、助産院を開業できました。どんな生き方や働き方がしたいかという希望に合わせて仕事を選ぶことができています」

「萩・石見空港東京線利用促進プランコンテスト」で最優秀賞を受賞した「益田ママリトリートプロジェクト」の原田さんと田原さん

2023年には、「萩・石見空港東京線利用促進プランコンテスト」で、『ママにやさしい』に特化し、旅のストレス軽減などにも配慮したママを癒す旅のプランが最優秀賞を受賞した。子育ての実体験から生まれたアイディアだった。
今は、都内に住む子育て中の家族に向けたモニターツアーの計画を練っている。動画や写真で紹介している景色を見て、旅行の候補先にしてみたいという声が寄せられているという。益田の魅力を詰め込んだモデルコースには、原田さんお気に入りの「風の丘広場」のほか、美しい海岸線が続くドライブコースなども含まれる。「益田で暮らす私たちの日常の過ごし方を紹介し、こんな生活、時間があることを知ってもらえたらと思います。空と一体に見えるような広くて青くてきれいな海の景色を楽しんでもらいたいですね」

「ママにやさしい」を益田のまち全体のプロジェクトに

「益田に移住したことで、自分らしく生きられるようになったと感じています」。移住先について、「仕事ではなく、どんな環境、どんな気持ちで過ごしたいかを最優先して決める形もある」とアドバイスする。
次なる目標を嬉々として語る原田さん。「ママにやさしいまち」として、益田で暮らすママにほっとできる時間を提供できるよう、益田のまち全体を巻き込もうと考えているそう。「例えば、飲食店などで子ども用の食器や紙おむつ用のごみ箱を置くとか。ママが暮らしやすければ、子どもたちをはじめみんなが暮らしやすくなって、もっと人が集まり益田の魅力がさらに増すと思います」。自分らしい生き方ができる場所で、新たなプロジェクトに自分の人生を重ねている。

川で遊ぶ子供たち

(2023年11月22日取材)

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