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LIFE STYLE移住者の暮らし

地方暮らしで興味が湧いた、モノの本質

西野 瑛菜さん

PROFILE
西野 瑛菜さんの写真

西野 瑛菜さん

千葉県出身。2020年に神奈川県二宮町から静岡県南伊豆町に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:夫
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:ファッションデザイナー

お試し移住がきっかけで始まった南伊豆での生活

ファッションの専門学校在学中に夫と知り合い、転職先で再会して結婚した西野さん。新婚当初は神奈川県の辻堂に新居を構え、サーフィンを楽しむようになり、11年間辻堂の地を満喫したという。その後、人の多いエリアから離れて田舎の雰囲気も味わいたいと、二宮町に引っ越したが、その頃からたびたび伊豆へ遊びに行く機会があり、2人にとってのお気に入りの場所となっていた。「伊豆に住むのもいいよね、と夫と話をしていたんです。伊豆半島にはいろいろ素敵な場所があるので、定期的にインターネットで物件を検索して引越しの機会をうかがっていました」

不動産情報サイトで物件を検索している時に、たまたま目に飛び込んできたのが「お試し移住」ができる南伊豆町の移住支援制度だった。「お試し移住ってなんだか面白そう!と思って、すぐに担当者に連絡してオンラインミーティングでお話を聞いたのですが、あいにくその時は空きがなかったんです」
半年後、お試し移住の担当者から空きが出たとの連絡が入った。「3日間程度の短期、1年間の中期、3~5年間の長期の3つのプログラムがあって、私たちは中期を選びました。実際に南伊豆に住んでみると、住み心地がとても良くて、1年経つ頃に『契約を更新してこのまま住み続けることはできませんか』と相談させてもらい、住民票を移して今2年目です」

伊豆の海と西野さん

人が少ない静かな場所で増えた、周囲の人とのコミュニケーション

長く海のそばで暮らしてきたが、南伊豆町での暮らしは海まで車で15分ほどかかる山の中。「周りに人がいない静かな山暮らしの環境がすごく面白いと感じています。敷地内にみかんや梅、栗の木があり、季節を感じることができます。庭でとれた梅や果物を使い、梅干しや梅酒、果実酒などを手づくりするなど、自給自足のような生活ができるのも、移住したからこそ叶えられたことの1つですね」
静かな暮らしは、デザイナーとしての創作活動にも向いている。「自社ブランドの運営の他に、東京のアパレルブランドの企画ディレクションもしています。東京へは月に2度ほど出向き、複数の案件の打ち合わせをして帰ってきます。今のところ、うまく予定を調整することができているので、距離の面で不便を感じることはありませんね」

野菜や果物

生活スタイルが豊かに 畑仕事から狩猟まで!

緑の多い山間部での暮らしは、西野さんの生活スタイルを変えた。「直売所が運営している研修農場を借りて、野菜を育てています。地元のベテランの農家さんに教えてもらいながら、夏はトウモロコシやきゅうり、なすなどの野菜を収穫しました。生産者登録をして、“西野瑛菜”と書かれたシールを貼って、産直で販売しています」
住宅街で人が多い神奈川での暮らしから一転、普段はあまり人の気配を感じない南伊豆での暮らしだが、「人とのコミュニケーションはむしろ増えた」と感じているそう。「海でサーフィンをしている時や野菜を出荷している時など、周りの人がすごく気さくに話しかけてくれるので、仲良くなってお家にお邪魔したり。人とのコミュニケーションが楽しいですね」

狩猟会の会長が近所にいた影響で、今年、夫婦で狩猟免許も取得した。「自分の畑と狩猟と、来年は忙しくなりそうです。うちの畑はまだ鳥獣被害がないのですが、先日は裏山に仕掛けた罠に鹿がかかっていました。会長に電話して来てもらい、仕留めて一緒に捌きました。なかなかできない経験ですね」

鹿を捌く西野さん

自然の中にいるからこそ浮かんだアイデア

もともと食に興味があったという西野さん。「自分が育てた野菜を産直に卸すようになってから、さまざまな野菜に興味を持ったり、農家さんにお話を聞いたり、食材に対する意識がより高まったなと思います」
それが高じて、今後やってみたいことは、宿泊施設を備えたレストランであるオーヴェルジュ。「うちの畑で農業体験をしてもらったり、食事を提供しておいしい料理を楽しんでもらえるような、1組限定の小さな宿をやりたいですね。先日、東京で自社ブランドの展示会をやった時に、採れた野菜をマルシェみたいに販売したら、すごくみなさん喜んでくれました」

「南伊豆に移住してから、第一次産業への興味がますます湧いてきています。今はオリジナルのコットンシルクの糸を作っています。その糸を使って展開した洋服のシリーズは、生地の質感やナチュラルなカラーが自社ブランドのアイコンになってきています。ここに住むまでは、糸は購入するものだと思っていましたが、日常的に畑や自然に触れているからこそ、『糸を作ってみよう』というアイデアが浮かんだのだと思います。デザインするだけじゃなくて、もう少し深くモノの本質を見たいなという気持ちになりましたね」
地方暮らしで得た新しい気づきは、西野さんのデザイナーの仕事にもいい影響を与えている。

洋服

(2024年3月26日取材)

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