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LIFE STYLE移住者の暮らし

リモートで仕事をしながら、「第2のふるさと」で充実した暮らし

安田 京太郎さん

PROFILE
安田 京太郎さんの写真

安田 京太郎さん

千葉県富里市出身。2024年12月に富里市から北海道標茶(しべちゃ)町に移住。

  • 移住時の年代:20代
  • 家族構成:妻と子供1人
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:個人事業主(IT関連フリーランス)

子供のころから親しんできた移住先の自然

道東の内陸部に位置する北海道標茶町の塘路(とうろ)地区。釧路湿原国立公園に隣接し、地名の由来ともなった塘路湖では、夏はカヌー、冬はワカサギ釣りを楽しむ人たちでにぎわう。「そこを子供の頃から第2のふるさとだと思ってきました」と安田さんは話す。

出身は成田空港に近い、千葉県富里市。そこから直線距離で800キロメートル以上離れている塘路がどうして「ふるさと」なのか?中学校で教員をしている母親が北海道教育大学釧路校の卒業生で、学生時代にアイヌについての研究をするために塘路に通ったのが縁だという。母親は塘路の自然や出会った人たちに魅せられ、大学卒業後も毎年のように塘路に通い、安田さんも子供のころから、その土地に自然と親しんだ。

不便も慣れてしまえば、快適に過ごせるように

「だから第2のふるさと。いつかここで暮らしたいと思ってきました」。千葉にはない雄大で豊かな自然が何と言っても魅力だという。タンチョウが飛来し、エゾジカやキツネなどの野生動物も見かける。その代わり、周囲にコンビニやスーパーはない。「買い物は週に一度、釧路方面まで車で出かけてまとめ買いをしています」と安田さん。最も近い病院へも車で30分ほど走らなければならない。それが不便かと言えば、慣れるとそうでもないという。千葉時代は帰宅途中に、コンビニに寄って鶏の唐揚げなどを買い食いする癖があったが、それができなくなり、「ダイエットにつながりました」と安田さんは笑う。

結婚機に地方での生活を真剣に考え始める

移住を真剣に考え始めたのは、妻の紅葉(くれは)さんと結婚した2023年3月以降のこと。大阪市内で空調関連の設備設計をコンピューターで行っていた紅葉さんと安田さんは5年ほど前、SNSを通じて知り合った。結婚後、富里にある安田さんの実家で一緒に暮らしていたが、紅葉さんにはぜんそくの持病があり、空気のきれいな塘路への移住を検討するようになった。

塘路の知り合いに相談すると、元教員住宅だった平屋の一戸建てが空いていると連絡があり、100万円で町から購入。そこに床暖房を入れたり、風呂をユニットバスにしたり、約700万円をかけてリフォームし、2024年の12月に移住した。「標茶町の行っている移住応援給付金に申し込み、140万円をいただけたので、家と土地を無料で手に入れ、おつりがもらえたようなもの。本当にありがたかった」と安田さんは話す。

自宅を改修し、真冬でも快適に過ごせるように

真冬は氷点下20度以下にまで下がる日もあるが、リフォームのおかげで室内では半袖で生活できるという。そのため、灯油代が余分にかかる。11月から2月まで毎月4万円ほど払っている。一方、夏場は窓を開け放って扇風機を回しておけば、エアコンをほとんど使わなくて済む。おまけにスギが道南にしか分布していないため、スギ花粉症もない。

島根県松江市出身の紅葉さんは、全く異なる環境での生活に最初は心配だったが、現地の人たちが温かく受け入れてくれ、不安は徐々に解消されていったという。「深呼吸を思い切りできる環境がうれしかった。ぜんそくの症状も軽くなったような気がします」と紅葉さんは現状に満足している様子。安田さんにとっても、移住は富里から東京・渋谷まで約2時間かかる通勤からの解放でもあった。当初は蓄電池を販売する会社で営業を担当していたが、コロナ禍で人と接する仕事が難しくなり、リモートで仕事のできるIT関連の仕事に資格を取って転職。企業のクラウドの構築などを行う技術者になるための資格試験の勉強に通勤時間を充てた。

場所に縛られず仕事のできる環境を確保する

紅葉さんも安田さんの通っていたIT関連のスクールの講師としての職を得た。「場所に縛られずに仕事をできる環境を確保できていれば、移住のハードルは低くなります」と安田さんはアドバイスする。安田さんのクライアントの多くが首都圏で、自宅からリモートでほとんどの仕事を済ましてしまう。紅葉さんの仕事もリモートで完結する。もっとも、「手に職がないと移住は難しいというわけではありません」と安田さんは話す。例えば、総務省が行っている地域おこし協力隊に参加したり、移住先に職がなければ近隣の街まで範囲を広げて職を探して働いたりする方法もあるという。「移住先の自治体に相談してみることも大切です」

地域の人たちが子供を大切にしてくれる

2025年5月には長男の和楓(のどか)ちゃんも生まれた。少子高齢化が進む地域だけに、「周囲の人が息子を何かにつけて気にかけて、かわいがってくれるのもうれしい」と紅葉さん。安田さんも休日には地元のカヌースクールのガイドを手伝うなど、コミュニティーにすっかり溶け込んでいる様子。家族3人で、地元のイベントにも積極的に参加するようにしているという。「これからは自分たちの持っている知識や技術を地域のために役立てていきたい」と安田さんは話す。すでに、カヌースクールのホームページの改修などを行っている。

安田さんは子供のころから移住先の人たちと密接な関係を築いており、ツテのない移住者より恵まれていたかもしれない。「確かにラッキーでした。もっともツテがなくても移住してみたら何とかなるような気がします」と安田さんは1年半ほどの移住生活を振り返って話す。「妻が妊娠5か月の時に移住してきたのですが、そのときも周囲の人が助けてくれて、釧路市内の病院で無事出産することができました」。「移住したい」という強い思いに加え、勢いも意外に必要だという。安田さんの両親も塘路への移住を考えており、自然豊かな「第2のふるさと」での生活が新しいステージを迎えようとしている。

(2026年2月27日取材)

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